2025.07.4
調査からわかるハイブリッド勤務の課題とこれからのはたらき方
ハイブリッド勤務とは出社とテレワークを組み合わせたはたらき方のことです。コロナ禍をきっかけに広がったテレワークを実際に経験して、プラスとマイナスの両面を感じている人もいるのでは?今回は調査をもとに、出社とテレワークの良いとこどりと言われるハイブリッド勤務の実態に加えて、メリットと課題を見ていきます。
ハイブリッド勤務とは
ハイブリッド勤務とは、オフィスへの出社とテレワークを組み合わせた勤務形態です。例えば、1週間のうち3日は出社して、2日はテレワークをするというようなはたらき方を指します。
コロナ禍では、感染者やその家族の外出が制限され、出社してはたらくのが難しい状況がありました。そのような環境下で導入する企業が増えた勤務形態です。
テレワーク勤務は減少傾向
国土交通省の「テレワーク人口実態調査結果」によると、テレワークを導入している企業は33.1%で、最も導入企業の割合が高かった2021年の40.0%から年々減少しています。
テレワークを1年間に1日以上実施している人の割合も、2021年の21.4%から2024年には15.6%に減りました。
Job総研の調査でも、2025年に入って出社回帰の傾向が見られます。とはいっても、週5出社の割合は37.6%で、フルリモートとハイブリッド勤務を合わせた57.1%の方が高い割合です。
はたらき方の価値観を聞いた調査でも52.1%が「リモートワークが当たり前」と回答しています。

参照:国土交通省|テレワーカーの割合は下げ止まり傾向~令和6年度のテレワーク人口実態調査結果を公表します~
テレワークではたらくメリットをおさらい!
Job総研の調査によると、55.2%が理想のはたらき方はテレワークと回答しています。
出社に後ろ向きな理由の上位には「通勤時間がかかる」「自由に仕事ができない、休めない」「身だしなみ準備や時間の負担」など。テレワークのメリットはこれらがないことです。加えて「プライベートの事情と両立しやすい」のもメリットのひとつ。
これらテレワークのメリットについて、調査に寄せられたコメントとともに見ていきましょう。
通勤時間がかからない
テレワークは自宅で仕事に取り組めるため通勤時間がかからないのがメリット。
通勤時間がかからない分、プライベートに使える時間が増えますし、通勤時間で仕事をする前に疲れてしまうということがなく、生産性向上にもつながります。
▶︎寄せられたコメント
- 通勤時間やその間の負担を考えると、自宅ではたらく方が総合的な生産性は高い
- 通勤で片道1時間かかるため満員電車で疲れ果てていた。テレワークだとぎりぎりまで寝ていられるので、しっかり休めて生産性が上がる
リラックスした状態で仕事ができる
オフィスで仕事をするよりも、リラックスした状態で取り組めるのもテレワークのメリットです。
自分にとって集中して仕事に取り組みやすい環境を整えられるため、人によってはテレワークの方が集中しやすいこともあります。
▶︎寄せられたコメント
- 上司の監視の目を気にせず、リラックスしながら仕事ができる
- オフィスでは常に誰かが電話や雑談をしており、うるさくて集中できない
- テレワークで自分が好きな作業環境を充実させられる。結果オフィスよりも仕事がはかどる
準備に時間がかからない
オフィスへ出社してはたらくとなると、身だしなみを整えたり、持ち物を用意したり、お弁当を作ったり、準備に時間がかかります。
テレワークなら身だしなみにかかる時間が軽減しますし、持ち物やお弁当などを用意する手間もなくなります。準備の時間が短くなる分、ゆっくり過ごしやすいのもメリットです。
▶︎寄せられたコメント
- 通勤時間や準備時間が減り、周りの目がなく精神的な負担が軽いのはテレワークだと思う
プライベートの事情と両立しやすい
育児や介護をしている人や、通院が必要な人が、プライベートの事情と仕事を両立しやすくなるのもテレワークのメリットです。
通勤時間がない分プライベートに必要な時間を確保しやすくなりますし、自宅で仕事をしていれば「もしも」の事態にも対応しやすくなります。
▶︎寄せられたコメント
- 通勤時間を家事に当てられるのでテレワークの方がタイムパフォーマンスがいい
- プライベートでやらなければいけないことが減るので、仕事にも集中しやすくなる
- 自宅だと家事や子どものことが気になってしまうので出社派だが、子どもが体調不良で急きょ休むといったときにはテレワークを選択できるといいと思う
テレワークははたらきやすいが課題も・・・
テレワークと出社はどちらがはたらきやすいかを聞いた調査では、63.0%が「テレワーク派」でした。またテレワークをしている人は、84.5%が現在のテレワークに「満足」と回答しています。
はたらきやすく満足度も高いテレワークですが、実は「上司や同僚とのコミュニケーション不足」「雑談ができず相手の心理がわからない」「オンとオフの切り替え」などの課題も。
それぞれの課題に対して、はたらく人はどのように感じているのでしょうか?出社派のコメントをチェックしましょう。
上司や同僚とのコミュニケーション不足
テレワークでは、あいさつや雑談などのコミュニケーションが不足しがち。日常的なやり取りから生まれるアイデアを仕事に活かしにくい、という面を課題に感じている人もいます。
▶︎寄せられたコメント
- 出社した方がコミュニケーションの質が高くなる。事務所で思いがけない人に会ったことで、新しいプロジェクトが生まれるなどのプラス面があった
- オフィスで仕事をしていればすぐに上長に相談できる。オフィスには仕事に必要な設備も整っているため、出社した方がいいと思う
相手の心理がわかりにくい
雑談のしにくさもテレワークの課題のひとつです。対面なら感じ取れる雰囲気が、チャットやオンライン会議ではくみ取りにくいことも。
スムーズな仕事には気軽に雑談しやすい出社の方が向いている、という意見もあります。
▶︎寄せられたコメント
- オンライン会議などに慣れていない人が多く、テレワークではコミュニケーションに手間取る。出社した方が会話のキャッチボールがスムーズにいきやすい
- チームで作業をするため、出社して仕事をした方がコミュニケーションを取りやすく生産性が上がる
- アイデアをチームで出したり、意思疎通をはかりながら行う仕事に取り組むときは、出社が向いていると思う
オンとオフの切り替え
自宅だと仕事モードへの切り替えが難しいと感じている人もいます。出社することでメリハリをつけやすくなるケースもあるようです。
▶︎寄せられたコメント
- 出社することでプライベートと仕事とのメリハリがつき集中できる
- 出社した方が集中力が上がる
- テレワークだとなかなか終わらない仕事でも、出社するとすぐに終わることがある。
- 出社は面倒だが生産性は上がるように感じる
出社が必要と考えている人は多い!
理想のはたらき方はテレワークが55.2%と多数派ですが、出社を前向きに考えている人も55.2%と同じ割合で過半数となっています。

さらに「質問や意見交換のしやすさ」「意思疎通の取りやすさ」「テレワークでのやり取りに限界を感じた」などの理由で、出社が「必要だと思う」と考えている人の割合が65.2%です。

世代ごとの意見に違いはあるのでしょうか?部下と上司の出社に対する調査結果をチェックしましょう。
部下は「上司に出社してほしい」と思っている
「上司に出社してほしい」と思っている部下は66.2%と多数派です。
テレワークにおける上司の印象について聞いた調査では、38.0%がコミュニケーション不足を感じており、24.5%がフィードバックのタイミングが適切でないと感じています。
同じオフィスではたらいて、必要なタイミングで相談したり意見をもらったりしたい、と考えている部下が多いのかもしれません。
上司は「部下に出社してほしい」と思っている
「部下に出社してほしい」と考えている上司は71.4%と過半数となっています。
テレワークは「マネジメントの課題がある」と感じている上司は68.0%です。48.1%がメンバーの業務進捗の把握に、39.8%がメンバーの理解度や成長度に課題を感じています。
このようなマネジメントの課題を解消するために、部下に出社してほしいと考える上司が多数派のようです。
▶︎マネジメントの課題に関するコメント
- テレワークだと目が届きにくいので、業務の進捗やタスク量にはとても気を遣っている
- 対面同様のコミュニケーションを取るのは難しいので、どうしても関係が希薄になりがち
- テレワークのデメリットは、コミュニケーションが業務上での必要事項のみになること。雑談が減る
- テレワークではハラスメントと受け止められないように多少気を使って接している
- テレワークで厳しくマネジメントすることもできるが、サボりなどはある程度黙認している
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仕事内容や状況に応じて出社かリモートを選択しよう
コロナ禍でテレワークを実施する企業が増えましたが、実施割合が減少傾向です。
自社の仕事内容や職場の状況に応じて、テレワーク・ハイブリッド勤務・出社の使い分けが求められている状況とも考えられます。
調査でも、テレワークが向いているか出社が向いているかは状況によって違う、というコメントが多く見られました。
- 作業の生産性が落ちなければ、わざわざ出社しなくていいと思う
- やることがはっきりしていればテレワークの方がはたらきやすい。自分ひとりで決められない業務のときは、出社してコミュニケーションを取りながら進めた方がスムーズだ
- 業務による。テレワークで生産性が上がる業務も、出社のほうが生産性が上がる業務もある
- 密なコミュニケーションが必要な会議は出社して対面の方が生産性が高い。一方やることが決まっている作業はテレワークの方が生産性が高いと感じる
- チームワークで取り組む仕事は出社する方がコミュニケーションが取りやすく効率的。個人で取り組む仕事は集中できる場所ならどこでもいいと思う
まとめ
それまでは一部に限られていたテレワークが、コロナ禍をきっかけに広まりました。
出社回帰の動きはあるものの、フル出社のみの割合37.6%と比べると、テレワークのみではたらく人+テレワークと出社を組み合わせたハイブリッド勤務ではたらく人の割合57.1%の方が高くなっています。
テレワークは課題があるものの、通勤時間がない、プライベートの事情に合わせてはたらきやすい、などのメリットのあるはたらき方です。
テレワークのみ+ハイブリッド勤務の割合が過半数となっているのは、チームや個々の事情に合わせて、多様なはたらき方で仕事に取り組むのがスタンダードになってきているからかもしれません。









