2025.11.14

令和の忘年会、どう変わった? 調査結果に見る「コロナを経た“職場の集まり”のいま」

「今年は忘年会、やるのかな?」そんな会話が職場でかわされる季節になりました。コロナ禍を経て、忘年会のあり方は大きく変化しています。開催率、参加意欲、そして”必要性”への考え方。Job総研が毎年実施している調査結果から、令和の忘年会事情を振り返ります。

2021〜2025|コロナ禍を経た忘年会開催率の変化 

2019年、コロナ禍前の忘年会開催率は46.1%。しかし翌2020年には26.6%へと急落し、2021年にはわずか16.2%という最低水準を記録しました。自粛ムードが色濃く残る中、多くの企業が開催を見送る判断をした年です。

その後、徐々に回復の兆しが。2022年には24.2%、2023年(5類移行後)には41.3%と増加し、2024年には49.4%まで戻りました。これはコロナ禍前の水準にほぼ並ぶ数字です。

ただし、この数字を「元通り」と見るべきかは意見が分かれるところ。

開催する企業が増えた一方で、「開催しない」選択をする企業も約半数存在します。忘年会をめぐる価値観は、以前とは異なる形で定着しつつあるようです。

Job総研の年次調査で深堀り|忘年会にまつわる社会の風潮

Job総研は、2021年から毎年、忘年会に関する意識調査を実施しています。開催率の推移だけでなく、そのときどきの参加意欲や自由記述コメントを追うと、社会の空気感が鮮明に浮かび上がってきます。

コロナ禍という大きな転換点を経て、忘年会への向き合い方はどう変化しているのか。5年間の調査結果を順に見ていきましょう。

2021年|12.9%|沈黙の年末。広がる“自粛ムード”

2021年に実施した「忘年会意識調査」によると、勤務先で忘年会が開催されたと答えた人はわずか12.9%。実施の賛否を聞いた設問では、「反対」「やや反対」が合わせて49.2%に上りました。「賛成」「やや賛成」は30.7%にとどまり、慎重な空気が支配的だった年といえます。

自由記述には、こんな声がありました。

社員同士の交流は忘年会以外の方法もあるため、希望する人だけやればいいと思う。

飲食店ではたらく方々を考えると忘年会ができたらよいと思うが、この現状ではまだまだ難しい部分もある。

感染への不安と経済への配慮。どちらの気持ちも抱えながら、多くの人が「今年は見送るべき」と考えた年でした。職場の年末は、例年とは異なる静けさに包まれていたのです。

2022年|31.4%|“少人数・任意”での再開、慎重な様子見の空気

2022年、職場での忘年会実施率は31.4%へと上昇しました。前年の3倍近い数字ですが、それでも7割近い企業は開催を見送っています。再開に向けた動きは見えるものの、まだ様子見のムードが色濃い年でした。

忘年会が開催される場合の参加意欲を聞いた設問では、「進んで参加する」が34.5%と最も高い数字となりました。一方、「気は進まないが参加する」が28.8%、「強制でなければ参加しない」が24.9%「気が進まないから参加しない」が11.8%となり、これらの数字合わせると65.5%に達しました。

自由記述からは、対照的な2つの声が見えてきます。

「コロナで対面コミュニケーションが減った分、忘年会は社内交流として必要」という前向きな意見がある一方、「対面のコミュニケーションが減ったので、忘年会で会っても気まずい」という本音も。

距離が生まれた職場の人間関係を、どう再構築するか。多くの人が迷いながら年末を迎えた様子がうかがえます。

2023年|52.3%|再開が定着、「やるけど全員ではない」が主流に

2023年、5類移行後の忘年会開催率は52.3%。コロナ禍後、初めて半数を突破。コロナ禍前の水準には届かないものの、「開催する企業」と「開催しない企業」がほぼ同数という新しいバランスが生まれました。

参加意欲を見ると、「とても参加したい」「参加したい」「どちらかといえば参加したい」を合わせて55.8%。一方で「全く参加したくない」「参加したくない」「どちらかといえば参加したくない」も44.2%に上ります。

自由記述からは、世代による温度差も感じられます。

「コロナ禍に社会人になったので、忘年会などお酒の席に憧れがある。むしろ積極的に行きたい」という若手の声がある一方、「コロナ禍でプライベートの時間を大切にするようになった。職場でやる必要性は昔より感じない」というベテランの意見も。

コロナ禍という体験が、世代ごとに異なる影響を与えていることがわかります。

2024年|73.6%|“開催する企業”が7割超。形式より「参加の自由」を重視

2024年、忘年会の開催率は73.6%に達しました。7割を超える企業が開催を決めたことで、「忘年会を実施する」という選択が再びスタンダードなものに。

参加意欲はどうでしょうか。「とても参加したい」「参加したい」「どちらかといえば参加したい」を合わせると54.1%。半数以上が前向きな姿勢を示す一方、「全く参加したくない」「参加したくない」「どちらかといえば参加したくない」も45.9%と、依然として高い数字です。

自由記述には、こんな声がありました。

「飲みニケーションは、人のつながりが薄くなって来た今こそ重要性が増していると思う」。一方で「忘年会を否定するつもりはないが、わざわざ大勢の気を遣う飲み会ではなく、仲が良い人とだけ飲むので充分」という意見も。

開催率が上がった一方で、参加の自由度も重視される時代へ。「開催する」と「強制しない」が両立する形が、2024年の主流になりつつあるようです。

2025年|69.1%|約7割が令和のスタンダードに

2025年、忘年会の開催率は69.1%。前年からわずかに下がったものの、約7割という水準は維持されています。「忘年会を開催する企業」が多数派という状況は、令和の新しいスタンダードとして定着したといえそうです。

注目すべきは参加意欲の高まりです。「とても参加したい」「参加したい」「どちらかといえば参加したい」を合わせると60.1%。前年の54.1%から6ポイント増加しました。特に20代では71.0%が「参加したい」と回答しており、若い世代ほど前向きな傾向が見られます。

自由記述からは、こんな本音も。

仲の良い人同士であれば実施しても良いと考えています。

個人的には忘年会は賛成だが、参加が強制的なイベントにするべきではないと思う。

年代別「参加したい理由」「参加したくない理由」

参加したい理由を年代別に見ると、世代ごとの価値観の違いが浮き彫りになります。

20代では「メンバーとの関係構築」(33.6%)、「職場での繋がりを感じたい」(26.0%)、「飲みの席だけの話を聞きたい」(23.7%)が上位に。

30代は「仕事以外の話をしたい」「メンバーとの関係構築」「飲みの席だけの話を聞きたい」が同率で30.0%でした。

40代では「メンバーとの関係構築」が41.0%と突出して高く、50代は「メンバーとの関係構築」(25.0%)、「職場での繋がりを感じたい」(21.2%)が上位を占めました。年代を問わず、人との関係性を求める声が目立ちます。

一方、参加したくない理由では対照的な傾向が。「プライベートを優先したい」と答えた人は、20代が16.8%、30代が22.1%、40代が26.9%、そして50代が34.6%と、年齢が上がるほど増加しています。

若い世代ほど忘年会に前向きで、ベテラン層ほど仕事とプライベートの線引きを重視する。令和の忘年会には、こんな世代間のギャップが存在しているのです。

「忘年会文化」って、必要?揺れる“賛否”の気持ち

開催率が回復する一方で、気になるのが「そもそも忘年会は必要なのか」という問いです。

Job総研の調査では、2023年に「必要49.7%・不要50.3%」とほぼ半々だった結果が、2024年には「必要52.3%・不要47.7%」、2025年には「必要53.9%・不要46.1%」と、わずかながら「必要」派が増加。

とはいえ、依然として意見は拮抗。忘年会文化をめぐる気持ちは、今も揺れ続けているようです。

必要53.9%・不要46.1%、価値観はきれいに二分

2025年の調査では、「とても必要」が5.4%、「必要」が14.5%、「どちらかといえば必要」が34%で、合計53.9%が「必要」と回答しました。一方、「とても不要」が16.9%、「不要」が10.7%、「どちらかといえば不要」が18.5%で、合計46.1%が「不要」という結果に。

数字だけ見れば「必要」派がやや優勢ですが、その差はわずか7.8ポイント。「どちらかといえば必要」と「どちらかといえば不要」を合わせると52.5%に達することを考えると、多くの人が「絶対に必要」とも「絶対に不要」とも言い切れない、曖昧な気持ちを抱えているのかもしれません

忘年会への向き合い方に、唯一の正解はない。そんな時代を象徴する数字といえそうです。

「必要」派の本音|貴重なコミュニケーションの機会

「必要」と答えた人たちの理由を見ると、「対面コミュニケーション」「普段関わらない人との交流」「仕事以外の話ができる」といったキーワードが目立ちます。

リモートワークやハイブリッド勤務が定着した今、職場で顔を合わせる機会そのものが減っています。業務上のやりとりはオンラインで完結するものの、「雑談」や「何気ない会話」が失われた結果、人との距離を感じる場面も増えました

「必要」派にとって忘年会は、そうした距離を縮める貴重な機会。感謝を伝え合い、一年をリセットする場として、ポジティブに捉える声が目立ちます。

効率的なはたらき方が進む一方で、「人とのつながり」を求める気持ちもまた強くなっている。そんな現代ならではの矛盾が、忘年会への期待として表れているのかもしれません。

「不要」派の本音|強制・お金・空気感がしんどい

一方、「不要」と答えた人たちからは、「不要な出費になる」「形式的な飲み会」「職場の人と関わるのは仕事だけでいい」「交流を飲みの場にこだわる必要がない」といった意見が寄せられました。

特に多いのが、経済的な負担への不安です。会費制であれ、二次会の参加であれ、年末の出費がかさむ時期にさらなる支出を求められることへの抵抗感は根強いもの。また、「形式的」「義務的」と感じる空気感に疲れを覚える声も少なくありません。

「職場の人と関わるのは仕事だけでいい」という意見は、まさにプライベートとの線引きを重視する価値観の表れ。コロナ禍を経て、はたらき方の自由度が増した今、「仕事は仕事、プライベートはプライベート」というスタンスを選ぶ人が増えているのです。

忘年会に参加しないことが、必ずしもネガティブな選択ではなくなった。それもまた、令和のスタンダードといえるかもしれません。

“余興”も“無礼講”もアップデートの時代へ

忘年会といえば、余興や「無礼講」という言葉を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。しかし令和の忘年会では、こうした”昭和的な慣習”への見方も変化しています。調査結果からは、形式的な楽しさよりも、一人ひとりの心地よさを優先する時代の空気が見えてきます。

忘年会の華?余興の賛否

余興(出し物・かくし芸)文化への賛否を聞いた設問では、「とても反対」が34.2%、「反対」が25.2%、「どちらかといえば反対」が19.2%と、反対派が合計78.6%に達しました。

自由記述には、率直な本音が並びます。

余興はなくて良いです。

今の時代にあってないし余興をしたくないので辞めて欲しい。

余興はやりたい人がやればいい。

特に印象的なのが、こんなエピソードです。

毎年新人が出し物を企画する習慣があったが、自身が2年目の際に廃止を提言した。反対意見や反発があるかと思ったが、案外すんなり受け入れられ、皆も何となくやっていたのだと感じた。

「出し物などは、若手に負担がかかるのでやめた方がいい」という声も。かつて「忘年会の華」とされた余興は、今や多くの人にとって負担でしかない。そんな認識が広がっているようです。

無礼講ならOK?みんなのホンネ

「今日は無礼講の飲み会」と言われた場合の心情を聞いた設問では、「ただのリラックス指示だと思う」「気楽に飲もうという掛け声」「少し気をつけながらも気楽に」「周りの様子を見て」といった回答が寄せられました。文字通りに受け取る人は、ほとんどいないようです。

自由記述には、警戒心をあらわにする声も。

無礼講はコンプラ意識の低い人だけが羽目を外してトラブルになるという合図だと思っているので警戒します。

さらに、こんな苦い経験談もありました。

若かりし頃、上司(部長)から無礼講だからと言われ忘年会は大いに盛り上がったが、その二次会で「いつまで無礼講やっているんだ!」と怒られた事が今でも忘れられない。

「無礼講」という言葉が、実際には機能しない建前であることを、多くの人が経験を通じて知っています。令和の職場では、曖昧な掛け声よりも、明確なルールと配慮が求められているのかもしれません。

それでも気になる“出世への影響”

「忘年会に参加しないと、評価に響くのでは?」そんな不安を抱いたことはないでしょうか。令和の今も、忘年会と出世の関係は完全には切り離せないテーマのようです。調査結果からは、意外にも多くの人が「チャンスの場」として意識している実態が見えてきました。

忘年会を出世・人脈のチャンスと考える人は約6割

「忘年会は出世や人脈を広げるチャンスの場だと思いますか」という設問では、「とてもそう思う」が9.5%、「そう思う」が19.2%、「どちらかといえばそう思う」が31.8%で、合計60.5%が肯定的な回答を示しました。

一方、「全くそう思わない」「そう思わない」「どちらかといえばそう思わない」を合わせると39.5%。意見は分かれるものの、半数以上が「チャンスの場」として捉えているのは意外な結果といえるかもしれません。

ただし、これは「酒席で上司に気に入られることが出世につながる」という昭和的な価値観とは少し違うようです。むしろ、「普段話せない人と話す機会」「自分を知ってもらえる場」として、ネットワーキングの一環と捉えている人が多い様子。

“酒席で印象を残す時代”から、”成果で評価される時代”への移行が進んでいるとはいえ、人間関係の構築が仕事に影響することもまた事実。そのバランスの中で、多くの人が揺れているのかもしれません。

出世・人脈のチャンスなら約6割が参加を選択

「忘年会が出世や人脈を広げるチャンスの場だった場合、参加しますか」という設問では、「大いに参加したい」が9%、「参加したい」が24%、「どちらかといえば参加したい」が25.7%で、合計58.7%が参加意欲を示しました。

自由記述には、複雑な本音が見え隠れします。

「正直出世のための忖度はある」という率直な声がある一方、「出世のチャンスとはあまり思わないですが、お酒が入った時こそ普段言えない事でも話せたり、1人1人の性格や考え方など、仕事だけでは分からない部分が見えたりして、新たに分かる事があったりマイナスだけでなくプラスになる事もあると思う」という前向きな意見も。

こんな声もありました。

単純に区切りとして1年間の感謝を伝え合う場であり、年忘れをしましょう。だけだと思います。人脈の増強、出世のチャンスだったり、モチベーションアップだったり、は副産物でありそれが目的にする様な方は参加しない方が良い。

出世や人脈を意識しつつも、それを第一の目的とすることへの抵抗感。令和の忘年会には、そんな微妙なバランス感覚が求められているのかもしれません。

忘年会をめぐる“これから”|つながり方を、もう一度考える

コロナ禍を経て、忘年会の意味は「行事」から「選択」へと変わりました。フルリモート、ハイブリッド勤務、フル出社。はたらき方の選択肢が増え、効率的に業務を進められている人も多いはず。一方で、気づけば人との繋がりが薄れていた、という実感を持つ人もいるのではないでしょうか。

忘年会への参加意欲が高まっているのは、もしかすると、そうした「距離」を埋めたいという気持ちの表れなのかもしれません。ただし、それは必ずしも「昔ながらの忘年会」を求めているわけではないようです。

大切なのは形式ではなく、一人ひとりが心地よくつながれること。忘年会という枠にとらわれず、対話を重ねながら、職場ごとに最適な”集まり方”を見つけていく。それこそが、令和のはたらき方にふさわしい関係性の築き方なのかもしれません。

答えはひとつではないからこそ、あなた自身の「心地よさ」を大切に、この年末を過ごしてみてはいかがでしょうか。

参照:
Job総研 「2021年 忘年会意識調査」報告資料 – Job総研プラス
2022年 忘年会意識調査を実施しました – Job総研プラス
「2023年 忘年会意識調査」を実施しました – Job総研プラス
『2024年 忘年会意識調査』を実施しました – Job総研プラス

関連記事

はたらくモヤモヤを相談するなら

バナー
 

dodaのおすすめ診断

バナー
バナー
バナー
バナー
バナー

-AD-dodaのサイトに遷移します-