2025.10.1

気になる【定年後の仕事】何をする?どう探す?老後に必要な金額は?

「定年後もはたらきたい」という思いの背景には、多くの場合「老後のお金」への不安があります。Job総研の調査では、実に8割以上が定年後の経済的な不安を抱えていることが明らかに。本記事では、実際のデータやリアルなビジネスパーソンの声とともに、定年後の仕事の選択肢や準備のポイントをわかりやすく整理しました。

定年してもはたらきたい?みんなの本音

Job総研が全国の20〜50代の男女606人を対象にはたらく意欲について尋ねたところ、「定年前に辞めたい」が38.6%で最多となりました。次いで「定年以降もはたらきたい」が34.5%、「定年で辞めたい」が26.9%と続きます。

早めに退職を望む人、定年まで続けたい人、さらに先まではたらきたい人──割合は異なるものの、はたらき方に対する意識の多様性がよく分かる結果となりました。

ビジネスパーソンの8割が不安をかかえる「定年後のお金」

定年後の生活を考えたとき、まずお金の心配が頭をよぎるという人は多いもの。ここでは、気になる定年後のお金について深掘りします。

「定年後に経済的な不安を感じている人」は82.3%

Job総研の調査によると、定年後の経済的な不安を抱えている人は実に82.3%にのぼります。内訳を見ると、「とても経済不安がある」32.3%、「経済不安がある」28.7%、「どちらかといえば不安がある」21.3%と、程度の差こそあれ大多数が不安を口にしているのが実情。

この背景には、物価上昇や賃金の伸び悩み、住宅ローンや教育費の負担といった要因が複雑に絡んでいます。

同じくJob総研が実施した「82%が老後資金に不安!?皆さんの不安有無や理由は?」とのアンケートでは、次のようなコメントも寄せられました。

不安しかない!!!住宅費と、子供の学資でスッカラカンだ!!「衣食住」と世代の再生産に負荷が大きすぎる。

定年後の生活に対する不安は、はたらく意欲に大きく影響しているといえそうです。

やっぱり心配…「年金額の不足」

定年後の具体的な経済不安を尋ねる設問では、「年金額の不足」が56.8%と最多に。次いで「現在の生活レベルの維持」が45.7%、「収入源の喪失」42.2%が続きました。

この結果からは、多くの人が「将来の年金収入だけでは生活を支えきれないのではないか」と感じていることがわかります。

先述のアンケートにも、次のような声が寄せられました。

物価は上がるのに給料は上がらないため、将来の年金の額も知れている。物価上昇に見合うよう年金額もスライドされるようになれば不安もなくなるのですが。

年金が十分でないという懸念は、再雇用や副業など、「定年後もはたらく選択」を後押しする大きな要因になります。

「生活水準を維持しながら安心して暮らすことは簡単なことではない」そんな感覚が一般化している実態がうかがえます。

定年後に必要だと思うお金|平均は4,438万円

では、定年後にどれくらいの資金が必要と考えられているのでしょうか。

Job総研の調査では、定年後に必要だと思う資金額の平均は4,437.8万円でした。中央値と最頻値はいずれも3,000万円で、この水準に回答が集中していることがわかります。

一方で、定年後に必要な資金の貯蓄の可不可を尋ねたところ、「蓄えられない派」が43.9%に達する結果に。必要とされる額は高く見積もられる一方で、実際には備えられていない現実とのギャップが明らかに。

こうした状況を踏まえると、本人の意思にかかわらず、定年後も何らかの形ではたらく必要に迫られる人は決して少なくないといえそうです。

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まずは「なぜはたらくか」を決めよう

定年後もはたらくかどうかを考えるとき、第一に考えたいのが「目的」と「条件」です。

たとえば目的の場合、収入の補填を優先するのか、社会とのつながりを保つのか、健康維持や生活のリズムづくりを目的にするのかなど、理由が違えばはたらき方も大きく変わります。

続けて週に何日・何時間はたらくか、通勤距離や体の負担をどこまで許容するか、最低限ほしい収入はいくらかなど、譲れない条件をピックアップ。これにより、勤務形態、職種等がさらに絞られます。

さらに、通院や介護、孫の送迎など家族の予定も整理しておくと、のちのち無理の出てこないはたらき方が可能に。

数字や条件を見える化することで、求人を比較したときにぶれることなく自分に合った選択肢を選べます。

定年後の仕事|4つの選択肢

定年後にはたらく方法は1つではありません。慣れた会社に残って再雇用を選ぶ人もいれば、新しい職場で雇われる人もいます。ここでは代表的な4つのはたらき方を見ていきます。

会社に残ってはたらく(再雇用・短時間など)

再雇用は、同じ会社に残って一定期間はたらける制度です。慣れた環境で続けられることによる安心感や、就業ルールが明確な点が大きなメリット。教育や研修の負担が少ないことも魅力です。

ただし、役割や責任の縮小、賃金水準の見直しが行われるケースも多いため、就業規則や賃金表を確認しておくことが欠かせません。評価の基準や短時間勤務を選んだ場合の扱いについてもチェックしておくと安心です。

事前の人事面談で希望する勤務日数や時間、健康面の配慮を具体的に伝え、条件をすり合わせることが大切です。

別の会社で雇われてはたらく(契約・パート・アルバイトなど)

新しい会社で雇われる方法は、仕事の選択肢を大きく広げます。前職よりも家から近い勤務先を選んだり、短時間でできる仕事を選べるのは大きなメリットです。

一方で、募集時期が年度替わりや繁忙期に集中するなどの傾向があるため、タイミングを逃さない工夫が必要。求人票では「週の所定労働時間」「社会保険の加入条件」「残業の有無」を必ず確認しましょう。

面談ではシフトが固定か変動か、交通費の上限、試用期間の条件なども聞き取ることを忘れずに。自分の生活リズムや体力に合った職場を見極め、無理なく続けられる仕事を選ぶことが長期的な安心につながります。

経験をいかして「請負」ではたらく(顧問やフリーの仕事)

これまでの専門性を武器に、顧問やフリーとして請け負いで仕事をする方法もあります。裁量が大きく時間の融通がきくため、自分のペースで活動できるのが強みです。

しかし契約内容には注意が必要。契約期間、守秘義務、競業避止、報酬の支払い時期といった条件は書面で明確にしておきましょう。また、税金や社会保険の管理は自己責任になるため、確定申告や必要な手続きを理解しておくことも不可欠です。

案件を獲得するには、前職の人脈や専門エージェント、マッチングサイトなど複数のルートを活用するのが現実的。仕事内容の範囲や成果物の形を契約時にしっかり決めることがトラブル防止になります。

小さく商売をはじめる(開業・ネット販売など)

定年後の選択肢として、個人で小さく商売を始める人もいます。ネット販売や地域密着のサービスなど、規模を抑えながら始めればやりがいと自由度を両立しやすい方法です。

開業は、固定費や初期費用を抑えることが成功の条件。小さく始めて検証し、売れ方を見ながら継続か撤退かを判断できるようにしておくことでリスクマネジメントができます。

在庫や設備投資は極力軽くしてスタートすることも、リスク回避の大切なポイント。加えて、家族の合意を得ておくことや、体調変化で事業が揺らがないような備えも必要です。

無理のない範囲で取り組めば、生活の張り合いや新しいやりがいを得るきっかけにも。

定年後の仕事の探し方

定年後にはたらき続けたいと考えても、実際に仕事を見つけるには段取りが必要です。ここでは、効率的で実践しやすい定年後の仕事の探し方を紹介します。

まずは会社の制度を確認

定年後にはたらき続けることを選ぶなら、まずは勤め先に再雇用や短時間勤務の制度があるかどうかを確認しましょう。就業規則や人事部の案内を読み、対象年齢や契約期間、賃金テーブル、評価の基準を把握します。

また、有給休暇や健康診断、安全配慮がどのように扱われるかも大切なポイント。面談では「週あたりの希望時間」「担える役割」「健康面の配慮事項」を具体的に伝え、書面に残すことを意識しましょう。

こうした準備を怠ると、のちのち後悔する原因になりかねません。安心してはたらき続けるためには、制度の詳細を把握した上で自分の希望を明確にすることが大切です。

仕事探しのルートを増やして可能性を広げる

社内に選択肢がなければ、社外に目を向けましょう。公的機関では、ハローワークや自治体のシニア就業支援窓口、シルバー人材センターが代表的。民間では転職エージェントやシニア向け求人サイトがあり、OBや同窓会のネットワーク、元取引先からの紹介も選択肢になります。

さらに、地域の商工会や商工会議所では、地元企業の情報やイベントを通じて人とのつながりを得られることも。応募のタイミングは年度替わりや学期始まり、繁忙期に集中することが多いため、時期を意識するのもポイントです。

複数のルートを活用し、条件に合う仕事に出会う確率を高めましょう

書類づくりは「実績を数字で」

定年後の採用では、「短時間ではたらいても成果を出せる」ことを示すのが効果的。履歴書や職務経歴書には、担当業務の内容を可能な限り数字で表現しましょう。

たとえば、「3年間で50件の契約を担当」「売上を前年比20%改善」「新人教育を年間10名実施」など、再現性のある実績を具体的に記すことで、実績と能力を簡潔に示すことが可能。

書類は1〜2枚にまとめ、冒頭で「週×時間で何を実現できるか」「初月に目指す成果」などを明示すると説得力が高まります。

面談時には、書面を補足する形で「短時間での価値発揮計画」を口頭でも伝えましょう。採用側に安心感を与え、条件交渉を有利に進められる可能性も高まります。

年金を受け取りながらはたらくときの注意点

定年後もはたらく場合、年金と給与の組み合わせによって受け取れる額が変わることがあります。

特に注意したいのが「在職老齢年金」と呼ばれる制度。厚生年金に加入したまま給与を得ると、収入額に応じて老齢厚生年金の一部が支給停止になる仕組みです。

制度の概要だけ聞くと、「はたらくと年金が減って損をするのでは」と感じがちですが、実際にはそうとは限りません。給与と年金を合わせた手取り収入はむしろ増えるケースが多いからです。

また、在職中に支給停止された年金額そのものが消えるわけではなく、退職後に年金額を再計算(再裁定)する際に反映される仕組みがあることも重要なポイント。

大切なのは「一時的に減る部分」だけを切り取らず、合計収入と将来の年金額を含めてトータルで判断することです。

定年後の仕事|選択肢を増やすための準備をしよう

定年を迎えたとき、どんな仕事をどのペースで続けるかは人によって違います。

まだまだ先のことと考える人もいるかもしれませんが、大切なのは、そのときに希望通りの道を選べる状態を用意しておくこと。これには現役のうちからの準備が必須です。

健康管理に気を配り、長くはたらける体を整える。資格や学び直しでスキルを更新し、世の中の変化に対応できるようにする。さらに、人とのつながりを維持しておけば仕事や情報が得やすくなります。

いずれ後悔しないために、いまからできる小さな一歩を重ねておくこと。それが、定年後の安心と自由を支える土台になるはずです。

参照:『2024年 定年に関する意識調査』を実施しました – Job総研プラス
【Job総研/公式】82%が老後資金に不安!?皆さんの不安有無や理由は? | JobQ[ジョブキュー]
在職中の年金(在職老齢年金制度)|日本年金機構

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