2025.08.8
「共働き、正直しんどい…」限界を感じてしまうのはなぜ?乗り越え方も解説
「共働きがしんどい」と感じる瞬間、ありませんか?朝は慌ただしく家を出て、仕事で疲れて家に帰れば家事と育児が待っている。実際、多くのビジネスパーソンが限界を感じながらも、家族のため懸命に日々を過ごしています。この記事では、共働き夫婦の現状を踏まえ、しんどく感じる理由をさまざまな角度から分析。その対処法について解説します。
共働き世帯の現状
現在の日本において、共働き世帯はもはや珍しいものではありません。
「令和6年版厚生労働白書」によると、2021年の「男性雇用者と無業の妻から成る世帯(専業主婦世帯)」の数は458万世帯で、1985年の936万世帯から36年間でほぼ半減しています。
| 男性雇用者と 無業の妻から成る世帯 | 雇用者の共働き世帯 (妻がパート) | 雇用者の共働き世帯 (妻がフルタイム) | |
| 1985年 | 936万 | 228万 | 461万 |
| 2021年 | 458万 | 691万 | 486万 |
「雇用者の共働き世帯(妻がパート)」の世帯数を見ると、2021年は691万世帯でした。1985年には228万世帯だったことを考えると、実に3倍以上増加しています。
一方、「雇用者の共働き世帯(妻がフルタイム)」を見ると、2021年が486万世帯、1985年が461万世帯と、増加傾向にはあるものの、ほかの項目ほどの劇的な変化はありません。
この結果からは、本来であれば専業主婦を選択していたはずの妻の多くが近年パート労働者に移行していること。そしてその背景に、バブル崩壊以降の不景気が大きく影響していることが推察されます。
「夫がはたらき、妻が家庭を守る」という従来の家族モデルから、「夫婦ともにはたらく」スタイルへと大きくシフトしている実態が再確認される結果となりました。
参照:令和6年版厚生労働白書-こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会に-(本文)|厚生労働省
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「共働きがしんどい」と感じる理由【夫婦共通】
共働きの夫婦が「しんどい」と感じてしまうのはなぜなのでしょうか。まずは、夫婦に共通する理由から整理していきましょう。
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多すぎるタスク
共働き夫婦の最大の悩みは、こなすべきタスクの多さです。朝起きてから夜寝るまで、仕事・家事・育児といった複数の役割を同時進行でこなさなければなりません。
子どもがいる家庭ではなおのこと、保育園の送迎、夕食の準備、宿題のチェック、お風呂、寝かしつけなど、時間に追われる毎日が続きます。
さらに、これらのタスクは「待ったなし」のものばかり。仕事で疲れていても、子どもはお腹を空かせているし、洗濯物は溜まっていく。そんな状況が続けば、心身ともに疲弊してしまうのも無理はありません。
とくに40代の共働き夫婦の場合、仕事での責任も重くなる時期と重なりやすく、よりしんどさを感じやすい傾向にあります。
周囲との比較
SNSや職場での何気ない会話から、「あの人はうまくやっているのに、自分は……」と、つい比較してしまった経験はありませんか?
キャリアの進み具合、子育ての様子、家事の完成度など、周囲と自分とを比較する要素は無限に存在します。
完璧な人など存在しませんが、懸命に日々を過ごす人ほど「できていない」ことにフォーカスしやすく、できない自分をつい責めてしまいがち。
「みんな共働きで頑張っているのに」「どうして自分はみんなのようにできないのだろう」と、どんどん自分を追い込んでしまうのです。
「共働きがしんどい」と感じる理由【男性編】
共働きで感じるしんどさには、性別ごとの役割に由来するものが複数存在します。ここでは、男性特有の「しんどさ」の正体をひも解いていきます。
「家事も育児もできて当然」の風潮
現代では、男性も家事や育児に積極的に参加することが当然視される風潮があります。
一方で男性の大半は、幼少期から家事を学ぶ機会が多くはありません。いざ共働きが始まると「何をどうすればいいのか分からない」という状況に直面してしまいがち。
また、建前はどうあれ、本音としては「家事や育児は妻に任せたい」と考える男性も。しかし、そんな気持ちを口にすれば「時代遅れ」「協力的でない」と批判されかねません。
このような内心と社会的期待のギャップが、男性にとっての共働きのしんどさを生み出しているのです。
仕事と家庭の両立による「板挟み感」
職場では「仕事第一」を求められ、家庭では「家事・育児第一」を求められる。この板挟み状態も、男性が感じるしんどさの大きな要因です。
残業を断って早く帰れば職場で肩身が狭く、逆に仕事を優先すれば家庭での居場所を失ってしまう。このストレスは決して小さいものではありません。
いまだ「大黒柱」としての役割を求められがちな男性にとって、家庭でも主力を求められる現状は、女性が考える以上に大きな負担となっているのです。
「共働きがしんどい」と感じる理由【女性編】
つづいて、女性特有の「共働きのしんどさ」を見ていきましょう。
家事分担の不公平感
日本では、社会的な慣習として、家事・育児に関わる負担の多くを妻が担っています。
総務省の「社会生活基本調査」から、2021年の「6歳未満の子どもを持つ共働き世帯の1日当たりの家事関連時間」を見てみると、妻が6時間33分、夫は1時間55分でした。
共働きにもかかわらず、家事・育児の負担割合に3倍以上もの差がある状況では、妻が「なぜわたしばかり?」と感じてしまうのも無理はありません。
この問題の難しい点は、男女ともに「言い出せない」「気づかれない」こと。
女性側は「もっと手伝ってほしい」と思いながらも、パートナーを責めているようで言い出すことができません。一方、男性側は自分なりに「手伝っているつもり」のため、女性の負担の大きさに気づくことができません。
特に妻がフルタイムではたらいている場合、この不公平感はより強くなることに……。
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キャリアを追求しにくいジレンマ
日本社会には今なお「妻の役割は夫のサポート」という古い価値観が根強く残っています。
この影響により、女性は自分のキャリアよりも家庭を優先すべきという無言のプレッシャーを感じることが少なくありません。
さらに、妊娠・出産というライフイベントが女性のキャリアに与える影響は甚大。産休・育休による一時的な離職、復職後の時短勤務など、男性と同じようにキャリアを積み重ねることが構造的に困難なのが実情です。
「正社員として頑張りたい」という気持ちと「家庭も大切にしたい」という思いの間で抱えるジレンマが、しんどさを生む大きな原因となっているのです。
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それでも共働きを選ぶのはなぜ?共働きのメリット
しんどさを感じながらも多くの夫婦が共働きを選ぶのには、それなりの理由があります。ここでは、夫婦がお互いにしんどさを抱えながらも共働きを選ぶ、そのメリットを3つ紹介します。
家計にゆとりが生まれるから
しんどい思いを抱えながらも共働きを選ぶメリットとして、まず挙げられるのが、経済的な安定です。
ダブルインカムによって生活の選択肢を広げることで、子どもの教育費や住宅ローン、老後の備えなど、将来への不安を軽減できます。
また、どちらか一方が失業や病気になった場合のリスク分散など、「いざというときの安心感」は何にも代えがたいもの。
経済的な余裕は心の余裕にもつながるため、夫婦関係を良好に保ちやすくなるのも大きなメリット。子どもの人数が多い家庭では、教育費だけでも相当な負担となるため、共働きによる経済的メリットはより大きくなります。
家事・育児の負担を分散できるから
専業主婦・主夫の家庭では、どうしても家事・育児の負担が一方に偏りがちです。その点共働き家庭では「お互いにはたらいているのだから」という前提があるため、家事・育児の分担について話し合うきっかけが生まれやすい傾向に。
もちろん、実際の分担が平等になるかは別問題ですが、少なくとも「分担すべき」という意識は共有しやすいでしょう。
また、どちらも仕事の大変さを理解しているため、お互いの状況に配慮した協力体制を築きやすい側面も。新婚時代から同棲期間を経て共働きを続けてきた夫婦ほど、このような協力体制が自然に構築されている傾向があります。
個人としてのやりがいや成長を実感できるから
家庭の外で自分の役割や成果を感じられることは、自己肯定感の向上につながります。とくに子育て中の人にとって、「社会との接点」を持ち続けることは精神的な健康を保つ上で重要な要素です。
仕事を通じて新しいスキルを身につけたり、同僚との交流を楽しんだり、プロジェクトの成功を実感したり。そんなやりがいや成長を日常の中で経験することは、「親」や「配偶者」以外の自分を大切にする上でも欠かせません。
加えて、自分で稼いだお金を自由に使えるという経済的な自立感も、精神的な支えになります。
「共働きがしんどい…」限界を感じたときの対処法
共働きのしんどさが限界に達したら、いったいどのように対処するのが正解なのでしょうか。具体的な対処法を紹介します。
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「やらないこと」を決めよう
共働きのしんどさが限界に達したら、まずは完璧主義を手放し、優先順位を明確にすることから始めましょう。
具体的には、目の前のタスクを「絶対にやらなければならないこと」「できればやりたいこと」「やらなくても大丈夫なこと」に分類し、「今はやらないこと」をクリアにします。
たとえば料理ひとつ取ってみても、毎日手作り料理にこだわる必要はありません。疲れた日は惣菜を活用したり、冷凍食品を使ったりしても十分です。掃除も毎日完璧にする必要はなく、週末にまとめて行う方が効率的な場合もあります。
「やらないこと」を明確に決めることで、限られた時間とエネルギーを本当に大切なことに集中できるようになります。
夫婦で価値観を共有しよう
共働きを続けるためには、夫婦間での「価値観のすり合わせ」が必要不可欠。家事の分担方法、子育ての方針、仕事への取り組み方など、それぞれが大切にしている価値観を言語化し、定期的に話し合うことが求められます。
「なんとなく分かっているだろう」という思い込みは、しばしば大きなすれ違いを生む原因に。
「わたしは料理を負担に感じているから、週に2回は外食にしたい」「今年はキャリアアップのチャンスだから、残業のある日のお迎えは頼みたい」など、具体的な希望を率直に伝え合うことから始めてみましょう。
外部リソースを活用しよう
家事・育児のすべてを夫婦だけで抱え込む必要はありません。家事代行サービス、食材宅配、時短家電など、お金で解決できる部分は積極的に活用しましょう。
また、ファミリーサポートセンターや一時保育、職場の育児支援制度なども、「頼れる選択肢」として把握しておくことが大切です。
「人に頼るのは申し訳ない」と思いがちですが、外部リソースを活用することで生まれた時間を家族との時間に充てられれば、結果的により良い関係を築けるはず。経済的な負担はありますが、心身の健康を保つための必要な投資と考えてみてください。
根本的な解決は働き方?あなたのキャリアタイプを診断してみる
価値観の共有や外部リソースの活用といった対処法を試しても、「しんどさ」が解消しないなら、今の仕事環境や働き方のスタイルそのものが、あなたのキャリアタイプや価値観と合っていないのかも…。
限界を感じている今こそ、あなたにとっての理想的な「共働きの形」を見つけるチャンスです。まずは1分であなたの転職タイプを診断し、心から納得できる次のステップを探してみませんか?
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「しんどさ」を否定しないで!「共働き」の形は千差万別
「共働きがしんどい」と感じるのは、決して悪いことではありません。共働きで頑張る多くの人が経験する、ごく自然な感情です。
子なし夫婦、子ども2人の家庭、40代のベテラン夫婦、新婚カップル——それぞれの状況によって、抱える課題も最適な解決策も異なります。SNS等で見かける「完璧な共働き家庭」と比較して自分を責める必要はありません。
大切なのは、夫婦と家族にとって最適な形を見つけること。共働きの形は千差万別であることを忘れずに、自分たちらしい答えをゆっくり探していきましょう。









