2026.03.10

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これってセクハラ?職場で問題になりやすい発言一覧と判断の目安

「あの発言、やっぱりセクハラだよね……最低」「あれくらいでセクハラなんて。ただの冗談なのに……」。職場でそんなモヤモヤを抱えた経験はありませんか?この記事では、問題になりやすいセクハラ発言の具体例をシーン別に解説。判断の目安や対処法もあわせて紹介します。

その一言、大丈夫?セクハラ発言が問題になる理由

セクハラ発言が問題になる最大の理由は、加害者と被害者の認識のズレにあります。

セクハラの判断基準は、「発言者の意図」ではなく「受け手の感じ方」。たとえ褒めたつもり、冗談のつもり、場を和ませたつもりだったとしても、相手が不快に感じればセクハラと判断される可能性があります。

Job総研が2025年に実施した『2025年 ハラスメント実態調査 〜加害編〜』を見ると、「自身の言動でハラスメントに当たると思い当たるものがある」と回答した人は42.7%にのぼりました。

約4割の人が、自分の発言リスクをどこかで感じているという現実。あわせて、男性は51.6%、女性では22.6%と、特に男性に高い傾向が見られるのも無視できません。 

よくあるセクハラ発言一覧【シーン別にチェック】

「これってセクハラになるの?」と迷いやすい発言は、意外と身近なところに潜んでいます。ここでは、職場で実際に問題になりやすい発言をシーン別に整理しました。

見た目や年齢に関する発言

容姿・体型・服装・年齢に触れる発言は、「褒めた」「気にかけた」つもりであっても問題になりやすいのが実情です。

受け手の側に「外見で評価されている」「体型を見られている」という感覚が生じれば、発言者の意図は関係なくセクハラと判断される可能性が大。「褒め言葉のつもりだった」「悪意はなかった」という言い訳は、免責の理由にはなりません。

例文①「今日の服、すごく似合ってるね。そういうぴったりしたの、好きなんだ?」

服装を褒めているように見えて、体型への視線を感じさせる一言。一見褒め言葉のようですが、受け手に不快感や警戒心を生じさせやすい発言です。

例文②「もう〇歳なのに、全然老けないね。肌きれいだし、若く見える。得だよね」

年齢と外見をセットにした発言は、相手に「年齢で評価されている」という違和感を与えます。とくに女性に向けられることが多く、繰り返されることでストレスになりやすいものです。

例文③「最近ちょっと太った?いや、悪い意味じゃなくて、ふっくらして見えるなと思って」

フォローの言葉があっても、体型への言及は相手の自己評価に直結しやすいもの。職場での体型コメントは、たとえ軽い気持ちであっても不適切とされるケースがほとんどです。

恋愛・結婚・プライベートに踏み込む発言

交際状況・結婚・出産といったテーマは、業務上の必要性がまったくない、純粋にプライベートな領域です。

「なんで彼氏いないの?」「子どもはまだ?」といった発言は、相手の人生選択に踏み込む行為。職場という関係性上、相手が否定しにくい状況にあることが多く、「聞いただけ」では済まされないケースが少なくありません。

例文①「彼氏いるの?いないの?え、なんで?そんなにかわいいのに、もったいない」

交際状況を聞くこと自体、相手にとってはプライバシーへの侵害となります。「もったいない」という評価が加わることで、外見と恋愛状況を結びつける不快感も生じやすい発言です。

例文②「もう結婚しないの?女性って、やっぱりある程度の年齢までに決めた方がいいよ」

結婚を急かすような発言は、個人の人生選択への干渉であるとともに、「女性はこうあるべき」という性別役割の押しつけにもなります。職場での立場を利用して言われると、より強い圧迫感を与えます。

例文③「子どもはまだ作らないの?若いうちの方がいいよ。体のこと考えたら」

出産・妊娠に関する発言は、本人の身体や家庭計画に踏み込む内容であり、業務上の必要性がまったくない発言として問題視されます。マタハラとも重なる問題行為とされています。

「男だから」「女だから」と決めつける発言

性別と能力・役割を結びつける発言は、根拠のない決めつけであるうえ、言われた側の意欲や自己評価を傷つけやすいものです。

こうした言葉は特定の性別を不当に低く評価することになり、職場環境の悪化にもつながります。また「男らしさ」を強要する発言も、男性に対するセクハラの一形態として問題視されています。

例文①「女性って細かいところ気づかないよね。こういう事務作業、やっぱり男の方が向いてる」

性別と能力を結びつける発言は、根拠のない決めつけです。当事者の意欲や自己評価を傷つけやすく、特定の性別を不当に低く評価することにもなります。

例文②「お茶出しはやっぱり女性がやった方が場が和むよね。そういうの、自然と上手いし」

役職や担当に関係なく、性別を理由にサポート業務を期待・要求する発言は、職場での性差別につながる典型例です。本人が断りにくい立場であればあるほど、問題は深刻になります。

例文③「男のくせに、そんなことで落ち込むの?もっとしっかりしてよ」

男性に向けられる「男だから」という発言もセクハラの一形態です。感情表現や弱さを性別で否定することは、精神的な圧力となり、職場環境の悪化につながります。

下ネタや性的な冗談・噂話

性的な話題や冗談は、「みんなで笑えるネタ」として扱われやすいぶん、不快に感じていても声を上げにくい雰囲気を生み出しがち。場の雰囲気に合わせて笑っていた相手が、実は強い不快感を抱えていたというケースは珍しくありません。

直接的な言葉を使わなくても、性的な含みを持たせた発言はセクハラと判断される場合があります。

例文①「昨日の飲み会のあの話、最高だったよな。○○さんも聞いてた?」(性的な内容の話題を本人の同意なく共有する)

本人が場の雰囲気に合わせて笑っていたとしても、不快感を感じていることは少なくありません。性的な冗談を「みんなで笑えるネタ」として扱う文化は、ハラスメントの温床になりやすい傾向にあります。

例文②「○○さんと△△さん、絶対できてるよ。見てたらわかる」

特定の個人の性的な関係性を臆測・言いふらす行為は、根拠の有無にかかわらず当事者の尊厳を傷つけます。職場での噂話であっても、性的な内容が含まれる場合はセクハラとして扱われます。

例文③「○○さんって、そういう経験ありそうだよね」(性的なニュアンスを込めた発言)

直接的な言葉を使わなくても、性的な含みを持たせた発言は受け手に強い不快感を与えます。「冗談のつもり」「深い意味はない」という言い訳は通じません。発言者の意図ではなく、受け手の感じ方が判断基準になります。

断られた後もしつこく続く誘い・発言

一度の誘いそのものより、断られた後の言動が問題になるケースは多くあります。

断りの意思を「遠慮」「照れ」と解釈して誘いを繰り返す行為は、相手の「ノー」を正面から受け取っていない状態。断る側が「申し訳ない」「関係が悪化するかも」と感じるような状況に追い込むこと自体が、ハラスメントとなります。

例文①(食事に誘って断られた翌日)「昨日は遠慮したんでしょ?今度こそ付き合ってよ。そんなに嫌じゃないでしょ」

断りの意思を「遠慮」や「照れ」と解釈してしまうことで、相手の意思を無視した誘いが続きやすくなります。「ノー」を正面から受け止めないこと自体が、問題の核心です。

例文②(何度か断った後)「○○さんって、なんでそんなによそよそしいの。俺、何かした?もしかして嫌い?」

断ったことへの「責任」を相手に感じさせるような発言は、心理的なプレッシャーを与えます。断る側が「申し訳ない」「関係が悪化するかも」と感じるような状況に追い込むこと自体がハラスメントです。

例文③「LINEの既読スルーやめてよ。職場で無視されてる気がするんだけど」

業務外のプライベートな連絡手段への返信を、職場の態度と結びつけて迫る行為は、返答を強制しているに等しいものです。断った相手への継続的な接触が、精神的な苦痛を与えるケースです。

呼び方や距離感に違和感が出やすいケース

言葉を使わない言動もセクハラになり得ます。相手の了承なく距離を縮める呼び方や、業務上の動作を装ったさりげない身体接触は、受け手に強い不快感や恐怖感を残すことがあります。

「たまたま近かっただけ」「自然な動作だった」という主張は、繰り返し行われた場合には認められにくくなります。

例文①「○○ちゃんって呼んでいい?なんか、苗字で呼ぶと他人行儀な気がして」

相手の了承なく「ちゃん」付けや下の名前で呼ぶことは、一方的に距離を縮める行為です。上司・先輩など断りにくい関係性では、不快であっても受け入れざるを得ない状況になりやすいものです。

例文②(話しながら肩や背中に手を置く・頭を軽く触る)「ちょっと、そこじゃないよ。ここ見て」

業務上の指示や会話の流れのなかで、さりげなく身体接触を行うケースは多いもの。本人は「自然な動作」のつもりでも、触れられた側には強い不快感や恐怖感が残ることがあります。

例文③(後ろから覗き込むように近づきながら)「これ、どういう意味?ちょっと見せて」

必要以上に近距離で話しかける・身体を密着させるような立ち位置をとる行為は、言葉がなくても相手に圧迫感を与えます。繰り返されることで問題が明確になりやすいケースです。

どこからがアウト?セクハラかどうかの判断ポイント

発言一覧を見ても「これはセーフ?アウト?」と迷うケースは必ずあります。ここでは、セクハラかどうかを判断する際の基本的な考え方を整理します。

「不快に感じたか」が重視される理由

セクハラの判断において、発言者の意図はほとんど考慮されません。男女雇用機会均等法では、「労働者の意に反する性的な言動」がセクハラの定義に含まれており、受け手が不快に感じたかどうかが重要な基準となっています。

人事院は、セクシュアル・ハラスメントに関する解説ページにおいて、不快かどうかの判断基準について次のように示しています。

基本的に受け手が不快に感じるか否かによって判断します。(受け手の感じ方が不明でも、通常人が不快と感じるか否かで判断します。)

引用元:セクシュアル・ハラスメント|人事院

判断にあたっては、完全な主観だけでなく「平均的な労働者が同じ状況に置かれたとき、不快に感じるかどうか」という客観的な視点も加味されます。

受け手の感じ方を軸にしつつ、社会通念としての合理性も踏まえて判断されるものだと理解しておきましょう。

一度でも問題になる場合、繰り返しで判断される場合

セクハラは「何度も繰り返されて初めて問題になる」と思われがちですが、実際には一度の発言でも問題になるケースがあります。

たとえば、身体への直接的な言及や性的な内容を含む発言は、一回でも受け手に強い精神的苦痛を与えるため、即座にアウトと判断されることがあります。

一方、「髪を切ったね」「最近元気そう」のような発言は、一度では問題にならなくても、繰り返されることで「監視されている」「品定めされている」という圧迫感につながり、環境型セクハラとして認定されるケースがあります。

発言の内容・頻度・関係性・職場での立場など、複数の要素を総合的に見て判断されるのです。

判断が分かれやすいグレーゾーンの考え方

「髪切った?」「今日の服いいね」のようなひとことは、セーフかアウトか判断が分かれやすいグレーゾーンです。

こうした発言を判断する際に意識したいのは、「その発言は業務上必要か」「相手が断りやすい関係性か」「継続的に行われていないか」という三つの視点。

業務と無関係な外見への言及・立場的に断れない相手への発言・何度も繰り返されている状況、これらが重なるほどセクハラと認定されるリスクは高まります。

「悪意がなければ大丈夫」ではなく、「相手がどう受け取るか」を基準に考えることが、グレーゾーンを安全に避けるための基本姿勢です。

セクハラ発言には、2つのタイプがある

セクハラ発言は「不快なひとこと」として一括りにされがちですが、構造的に2つのタイプに分類されます。詳しく見ていきましょう。

立場を利用する「対価型セクハラ」

対価型セクハラとは、性的な言動への対応を、職場での評価や待遇と結びつける行為を指します。

「付き合ってくれたら昇進させてあげる」「断るなら今期の評価は期待しないで」といった露骨なものだけでなく、「言うことを聞いてくれないと仕事がやりにくくなるよ」のような遠回しな示唆も対価型に含まれます。

上司・先輩・取引先など、職場での立場や影響力を背景にした発言であることが特徴で、断りにくい関係性が被害をより深刻なものに。

我慢しなければ損をする」という状況に追い込まれることに大きな問題があります。

職場の空気を悪くする「環境型セクハラ」

環境型セクハラとは、性的な言動によって職場の就業環境が不快・不安なものになる状態を指します。

一度の発言では「大げさ」と思われやすい反面、繰り返されることで当事者の働きやすさを確実に損なっていくのが特徴で、前の章で紹介した発言例の多くはこの環境型に分類されます。

下ネタや外見へのコメントが常態化している職場、特定の社員に対するからかいや噂話が日常的に行われている環境は、当事者だけでなく周囲の人にとっても息苦しい空間になります。

「職場全体の雰囲気」として問題が見えにくくなりがちな点にも注意が必要です。

もしセクハラ発言に悩んだら、どうすればいい?

「これってセクハラかも」と感じたとき、どう動けばいいか迷ってしまう人は多いはず。ここでは、セクハラ発言に直面したときの具体的かつ現実的な対応を解説します。

その場で無理をしない対応の考え方

セクハラ発言を受けたとき、その場で毅然と反論したり、「それはセクハラです」と指摘したりすることは、現実的には難しいケースがほとんどです。

相手が上司や先輩であればなおのこと、スムーズに言葉が出てこないのは自然なこと。

たとえその場で完璧な対応ができなかったとしても、自分を責める必要はありません。まずは「その場をやり過ごす」ことを優先し、自分の安全を確保しましょう。

その後、冷静になってから記録を残したり、信頼できる人に話したりすることを考えるのがおすすめ。無理にその場で解決しようとせず、自分を守ることを最初の優先事項にしてください。

あとから困らないために、残しておきたいこと

セクハラ被害を訴える際に最大の壁になりやすいのが、「証拠がない」という問題です。

Job総研が行った『2025年 ハラスメント実態調査 〜被害・職場対策編〜』では、職場でハラスメントを受けた後の対応として「誰にも相談していない」が最多の27.4%にのぼりました。

声を上げられずにいるうちに状況が悪化するケースも多いため、日頃から記録を残しておくことが大切。

具体的には、発言があった日時・場所・内容・その場にいた人をメモしておく、メールやSNSのやり取りはスクリーンショットを保存しておく、可能であれば音声を録音しておくといった方法が有効です。

「まだ相談するほどじゃないかも」と感じる段階から記録を始めることが、いざというときの備えになります。

社内外の相談先という選択肢

一人で抱え込まず、相談できる場所を知っておくことは、いざというときの大きな支えになります。

社内であれば、人事部門や社内のハラスメント相談窓口が相談先の候補。社内での解決が難しい場合には、労働局が設置する「総合労働相談コーナー」や、法務省が設置している「みんなの人権110番」といった外部機関への相談も選択肢になります。

弁護士への相談も有効で、法テラスを通じて費用を抑えた相談も。状況を専門家に聞いてもらうだけで、気持ちが整理されることもあります。

職場の違和感が続くなら、環境を見直すのも一つ

セクハラ発言が繰り返されても、職場の状況がなかなか改善しないケースがあります。そんなときは、「今の環境に留まるべきなのか」を考えてみるタイミング。ここでは、環境を見直すためのヒントを紹介します。

セクハラで転職はアリ?自分に合う働き方を知るヒント

「転職」は大きな決断です。「セクハラ」を理由に転職を考えることについて、ためらいを感じる人も多いのではないでしょうか。

とはいえ、安心できない職場に留まるのは長期的に大きなリスクです。

実際に転職をするかどうかはともかく、自分が求める環境を知っておいて損はありません。今の職場の環境と照らし合わせ、今後のキャリアについて見つめ直してみるのがおすすめです。

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「知らなかった」で後悔しないために

セクハラ発言は、特別な悪意を持った人だけが行うものではありません。「知らなかった」「悪気はなかった」では取り返しのつかない状況になることもある、それがセクハラ問題の現実です。

発言する側は、自分の言葉が誰かを傷つけているかもしれないという想像力を持つこと。そして受ける側は、感じた違和感を「気のせいかも」とスルーせずに記録に残したり誰かに話したりすること。

どちらの立場であったとしても、「知っている」ことが自分と周囲を守る力になるはずです。

参照:Job総研『2025年 ハラスメント実態調査 〜加害編〜』を実施しました – Job総研プラス
参照:Job総研『2025年 ハラスメント実態調査 〜被害・職場対策編〜』を実施しました – Job総研プラス
参照:セクシュアル・ハラスメント|人事院
参照:職場におけるハラスメントの防止のために(セクシュアルハラスメント/妊娠・出産等、育児・介護休業等に関するハラスメント/パワーハラスメント)|厚生労働省
参照:厚生労働省|(事業主向け)職場におけるセクシュアルハラスメント対策に取り組みましょう!
参照:総合労働相談コーナーのご案内|厚生労働省

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