2025.10.30
誰かがやってくれているから成り立っていること…自分はその誰かの頑張りに気付けているだろうか
仕事をしていると、日々の業務が誰かの“やってくれていること”で成り立っていることに、ふと気づく瞬間があります。
たとえば、プロジェクトが滞りなく進むのは、期限を守るために残業してくれる人がいるからです。
チームが円滑に回るのは、誰かが調整やフォローをしてくれるからです。
トラブルが最小限で収まるのは、問題を引き受けてくれる人がいるからです。
私はこうした光景を日々の仕事の中で見ていて、正直なところ「自分は本当に、そうした誰かの頑張りに気づけているだろうか」と思うことがあります。
自分自身も同じ職場ではたらく一員として、他の人の努力を見逃していないか、自分の行動が評価の偏りを生んでいないかを常に意識するようにしています。
人事評価に不満を抱く人は7割
私たちJob総研が実施した「2025年 人事評価の実態調査」では、7割が評価に不満を抱いており、転職を検討していることがわかっています。

さらに、「Job weeQ」を通して実施した調査では、社会人の約6割が「人事評価の結果と自己評価にギャップを感じる」と回答しました。

そして、4割は「評価結果や年収・昇進への反映に納得していない」と答えています。

| 回答者コメント ・評価が決まった後にフィードバックという形で⾯談があるため、納得感が低い ・結局、⼈が⼈を評価するので感情と結果にギャップが⽣まれて納得しないことがあると感じる ・⼈事評価の結果に対して処遇にほとんど差がつかず、納得感に乏しいものだった ・定性評価(協調性・主体性など)がフワっとしていて納得しづらい |
努力が正当に評価されないという実感は、多くのはたらく人が抱える“構造的なモヤモヤ”を示しており、私自身もその一端を日々感じています。
頑張っているのに報われない現実
「自分より仕事をしていない人と同じ評価だった」
調査で最も共感を集めた声であり、社会人の9割がこの不満に共感しています。

| 回答者コメント ・それほどやっていない⼈が⾃分と同じ評価をもらっているのを聞くと、納得がいかない ・上司の機嫌取りが上⼿な⼈は、仕事ができなくても良い評価をもらっているのが納得できない ・仕事をしない同期と同じ年収なのが納得いかない時がある |
業務量や責任の重さは人それぞれですが、評価はチーム全体で平均化されることがあり、個々の努力が見えにくくなります。
結果として、「頑張っても意味がない」と感じる瞬間が増え、モチベーションが下がったり、離職のきっかけになったりすることも少なくありません。
私自身、評価の結果に一喜一憂する瞬間がありますが、そのとき必ず思い出すのは、同僚やチームの誰かが陰で支えてくれている事実です。
「役職に就いているから、その職能を担っているから仕方ない」
こう言ってしまうことも簡単です。
ですが、その人の 努力に気づき、それを伝える機会を見失わないように意識を向けることが、職場における心理的安全性にもつながるのではないかと考えています。
「いつも誰かがやってくれているから、今の仕事が回っている」──この当たり前に気づくことを大切にする
職場では、数字や成果だけでは測れない努力がたくさんあります。
部下の育成、チーム内の調整、トラブルの火消し──
誰かがやらなければ、組織は回らない重要な仕事です。
飲み会のセッティング、備品の整理…役職や職能が関係しない、日々の小さな仕事もあるでしょう。
私は日々の業務で、自分自身も組織の一員としてこの“見えない努力”に気づけるようにと意識するようにしています。
「自分はその誰かの頑張りに気づけているだろうか。」その思いを胸に、感謝の言葉をかけたり、努力を認め合ったりすることを心がけています。
こうした行動は、評価制度の有無にかかわらず、職場の信頼関係を育む一歩になると思っているからです。
見えない努力に目を向けることは、組織全体の健全さやはたらく人の納得感を高めるだけでなく、私自身の視点や心持ちも変えてくれます。
私たち一人ひとりが気づき、感謝することで、職場全体の雰囲気も少しずつ変わっていくのだと思います。
公平性と透明性の重要性
評価への不満の背景には、「何をどう評価しているのかが見えない」という不透明さがあります。
旧来型の年功序列やチーム一律評価では、個人の貢献が埋もれてしまい、上司や組織への信頼感が揺らぐことも少なくありません。
一方で、公平性や透明性を意識した評価制度を導入する企業も増えてきています。
「誰がどれだけ頑張っているのか」を可視化する取り組みや、AIなどのデータ活用による客観的な評価も広がっています。
ただし、AI評価に対しては「人の努力や苦労までは見えない」との不安も多く、客観性だけでなく納得感の担保が不可欠であると、Job総研の調査まとめにて言及しています。
私自身も、この課題は自分の視点を磨くことで少しでも解消できると感じています。
自分の努力を伝える力も評価の一部
評価を受けるために、自分から動く人も増えています。
2025年のJob総研の調査では、社会人の約6割が「評価のためにアピールをしている」と回答しました。

自分の成果を上司に伝えるため、業務内容を言語化したり、定期的に報告したりと、
努力そのものだけでは評価に直結しないため、伝え方も重要になっているのかもしれません。
しかし、「見せ方ばかりが評価される」と疲弊する人もいる調査結果もあるため、 評価制度と個々の伝える力、両方のバランスが必要だと感じます。
見えない努力を評価する社会へ
人事評価に完全な正解はないと考えられます。
しかし、努力が報われないままでは、はたらく人のモチベーションは長く続かないのも事実です。
評価を上からの判断だけに頼らず、組織全体で気づき合う文化を作ることが重要です。
努力を見つけ、言葉にする人が増えれば、それは制度を変える力にもなります。
人事評価で大切なのは、評価する/される側双方の”納得感”です。
その納得感を生むためにも、AIによる客観的な評価と、上司による”人間だからこそできる判断”をいかに適切に組み合わせるか、そのバランス設計が今後の人事制度に求められる視点だと考えられる調査結果となりました。
日々の小さな行動から始める
最後に、読者の皆さんに考えていただきたいのは、日々の仕事の中で“誰かの頑張りに気づく視点”を持てるかということです。
- メールひとつでも、チームメンバーのサポートに感謝の言葉を添える
- 会議で成果を出しているだけでなく、裏で支えてくれている人を認める
- 自分の仕事を振り返るとき、誰かの助けなしでは達成できなかったことに目を向ける
こうした小さな行動が、評価制度に頼らずとも職場の信頼や納得感を高め、はたらく人のモチベーションを守ります。
私自身も、日々の仕事で気づき、感謝の言葉を伝えることを心がけています。
私たちJob総研としても、今後は「誰がどれだけ頑張っているか」を正しく評価し、見える化する仕組みの必要性について考え続けていきたいと思っています。
はたらく人の努力をきちんと認め、互いに感謝し合える社会を作ること。
それが”はたらくことの価値”を少しでも高めてくれるのではないかと感じているからです。









