女性上司への印象はポジティブ？ネガティブ？本音と偏見を考える

女性上司への印象を正直に答えることについて、どこか後ろめたさを感じる人は少なくありません。

男性上司とは違う、女性上司という存在。今回は、そんな女性上司を取り巻く複雑な「リアル」をデータをもとに徹底解説します！

【ココだけの本音】女性上司への印象はポジティブ？ネガティブ？

「女性上司」と聞いて、あなたはどんな印象を抱きますか？

ポジティブ？それともネガティブ？

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「ココだけの本音」とは？ 今まで言いにくかった「ぶっちゃけ」が集まる、はたらくホンネ掲示板。家族にも、上司にも言えない。でも誰かに聞いてほしい。その声、”ココだけ”で共有してみませんか。 あなたの本音を、以下のアンケートから投票・コメントで共有してください！ →【投票はコチラ】

女性上司への印象、素直に答えられる？

「女性上司についてどう思いますか？」——この質問にあなたは即答できますか？

「ポジティブなイメージもあるけれど、正直なところ……」「性別で判断するのは良くないとわかっているけれど……」そんな葛藤を抱えるビジネスパーソンは少なくありません。

建前では「性別は関係ない」と言いつつも、心のどこかでモヤモヤした気持ちを抱えている。そんな自分に対して戸惑いを感じてしまう人も。

本音を言いづらいテーマだからこそ、まずは「実際のところ、自分はどう感じているのか」と自分自身に問いかけてみることが大切。自分自身の率直な気持ちに向き合ってみませんか。

9割が「管理職＝男性」のイメージ？女性上司を取り巻く現実

女性活躍推進法が施行されて約10年。女性上司に対するイメージはどう変化しているのでしょうか。まずは、Job総研の調査データと政府統計をもとに、女性上司を取り巻く現実を見ていきましょう。

【Job総研調査】92.6％が「管理職は男性のイメージ」と回答

Job総研が実施した「2024年 価値観変化の実態調査」によると、社会人616人のうち実に92.6％が「管理職は男性のイメージ」と回答しました。「女性のイメージ」との回答は、わずか7.4％に留まっています。

この調査は、転職やキャリアに関する価値観を幅広く尋ねたものですが、「転職は当たり前」（79.9％）、「出世は実力主義」（70.0％）といった令和的な価値観が浸透する一方で、管理職のイメージについては依然として性別による固定観念が強く残っていることが浮き彫りに。

令和の時代に入り、はたらき方の多様性や個人の実力が重視されるようになった今でも、「リーダー＝男性」というイメージは簡単には変わらないのが現実です。

【政府統計】管理職のなかで女性が占める割合は13.1％

厚生労働省が発表した「令和6年度雇用均等基本調査」によると、課長相当職以上の管理職に占める女性の割合はわずか13.1％。つまり、管理職の約9割は依然として男性が占めています。

前回調査（令和5年度12.7％）と比べると0.4ポイントの上昇が見られますが、改善のペースは極めて緩やか。このペースで進んだ場合、男女が半々になるまでには数十年単位の時間がかかることに。

さらに注目したいのが、役職が上がるほど女性比率が下がっていく事実。係長相当職では21.1％と比較的高い一方で、課長相当職は12.3％、部長相当職になるとわずか8.7％まで落ち込みます。

「管理職のピラミッドを登るほど、女性が減っていく」——この構造が、日本の職場の現実を物語っています。

女性上司に対する「よくある偏見」とは

女性上司に対しては、さまざまなイメージや先入観が存在するもの。ネガティブなものもあればポジティブなものもありますが、どちらも「女性だから」という性別に基づくステレオタイプである点では同じです。

ここでは、実際に語られることの多い偏見について、ネガティブ・ポジティブ両面から紹介します。

感情的？細かい？ネガティブな偏見

女性上司に対するネガティブな偏見として、主に挙げられるのが次のようなものです。

• 感情的になりやすい
• 細かいことにこだわる
• ヒステリック

これらは女性特有の性質として語られがちですが、実際には個人の性格や環境によるところが大。性別で一括りにできるものではありません。

こうした偏見がはびこる背景にあるのが、性別による「二重基準」の存在。

たとえば、管理職という立場で求められる「厳しさ」や「細やかな指摘」が、男性上司の場合は「仕事熱心」と評価される一方で、女性上司の場合は「感情的」「神経質」と受け取られてしまうというのは珍しい話ではありません。

同じ行動でも性別によって評価が変わってしまう。そんな実態がステレオタイプを生み出す一因になっているのかもしれません。

共感力が高い？丁寧？ポジティブな偏見

女性上司に対するポジティブな偏見としては、以下のようなものが挙げられます。

• 共感力が高い
• コミュニケーションが丁寧
• 細やかな配慮ができる

一見褒め言葉のように聞こえますが、実はこれらもまた性別に基づくステレオタイプ。ネガティブな偏見と同様に、ポジティブな面も性別で一括りにできるものではありません。

個人差を無視して「女性らしいリーダーシップ」を一方的に期待された場合、本人にとって大きなプレッシャーになることも。

「女性だから優しいはず」「女性だから細やかな気配りをしてくれるはず」——そんな期待に応えられないとき、女性上司は「女性らしくない」と批判されるリスクを抱えています。

ポジティブな偏見もまた、個人を性別の枠に閉じ込めてしまう危険性をはらんでいます。

実際に管理職になった女性たちの本音

偏見やイメージだけでは、女性上司の実態は見えてきません。では、実際に管理職になった女性たちはその立場をどう感じているのでしょうか。Job総研の調査をもとに、女性管理職の本音に迫ります。

78%が満足！意外と前向きな管理職経験者

Job総研が実施した「2023年 女性管理職の実態調査」によると、管理職に就いた女性の78.2%が現在の立場に「満足している」と回答しています。さらに、同じく78.2%が管理職を「続けたい」と考えていることも明らかになりました。

この数字は、「女性にとって管理職は大変そう」「責任が重くてつらいのでは」といった外からのイメージとは対照的。実際に経験してみると、仕事の幅が広がったり、やりがいを感じたりするケースが多いことがうかがえます。

もちろん、すべての女性管理職が満足しているわけではありません。職場環境や個人の状況によって、感じ方は異なるからです。

とはいえ、少なくとも「経験した人の約8割が前向きに捉えている」という事実は、女性が抱く管理職就任へのネガティブなイメージをくつがえすよいきっかけになるのではないでしょうか。

64%が「管理職になりたくない」未経験女性の壁

管理職未経験の女性に目を向けると、様相は大きく変わります。同調査では、管理職未経験の女性のうち、実に63.7%が管理職を「希望しない」と回答しました。

経験者の約8割が満足しているにもかかわらず、未経験者の約6割が希望しない——この大きなギャップは何を意味しているのでしょうか。

この背景には、「経験していないからこそ感じる不安」があると予想されます。責任の重さ、ワークライフバランスの崩れ、周囲からのプレッシャーなど、外から見えるネガティブな側面ばかりが先行してしまい、実際のやりがいや達成感が見えにくくなっているのかもしれません。

この未経験者と経験者のギャップを埋めることが、女性管理職を増やすうえでの大きな課題といえそうです。

女性上司に「求められるもの」は男性と違う？

女性上司の現状を踏まえ、しばしば言及されるのが、「男性上司と女性上司とで求められるものの違い」です。

現代の女性上司には、「しっかりリーダーシップを発揮してほしい」という期待がある一方で、「女性ならではの気遣いや配慮があって然るべき」という無言のプレッシャーも存在します。

男性上司であれば許容範囲になる言葉選びや伝え方も、女性上司の場合は「ヒステリック」「生意気」と評価されてしまうというのも珍しい話ではありません。

同じ管理職という立場にありながら、性別によって求められる役割や評価の基準が異なるとしたら、それは本人にとって大きな負担。

こうした「見えないプレッシャー」こそが、女性が管理職を目指しにくい一因なのかもしれません。

「性別」ではなく「個人」として見るために

現代の日本では、データが示す通り「管理職＝男性」というイメージが根強く、強固な偏見も存在しています。

この状況は、女性だけでなく男性にとっても好ましいことではありません。というのも、女性にステレオタイプのイメージを押しつけることは、同時に男性にもステレオタイプのイメージを押しつけることにつながるからです。

大切なのは、まず自分自身がどんな偏見を持っているかを認識すること。正解を押し付けるのではなく、「自分は本当のところ、どう感じているのか」と問いかけてみましょう。

その小さな一歩が、性別ではなく個人を見ること、ひいては女性上司に対する無意識の偏見をなくす大きなきっかけになるはずです。

あなた自身の「本音」を確かめてみませんか？

ここまで、女性上司を取り巻くデータや偏見、そして実際の女性管理職の声を見てきました。では、あなた自身は女性上司についてどんな印象を持っているのでしょうか。

この問いに正解はありません。建前ではなく、あなたが本当に感じていることを確かめてみませんか。

【ココだけの本音】女性上司への印象はポジティブ？ネガティブ？ 家族にも同僚にも言いにくかった、あなたの正直な気持ちを教えてください。 →ココから今すぐ投票・コメント！

参照：Job総研『2024年 価値観変化の実態調査』を実施しました – Job総研プラス
参照：「2023年 女性管理職の実態調査」を実施しました – Job総研プラス
参照：令和6年度雇用均等基本調査｜厚生労働省