2025.10.1
キャリアチェンジは自分にもできる?|気になる実態と年代別の戦略をチェックしよう
「キャリアチェンジって何歳まで可能なの?」「今の仕事に満足していないけれど、未経験の分野に挑戦するのは不安……」そんな悩みを抱えているビジネスパーソンは少なくありません。この記事では、キャリアチェンジの基本から年代別のアプローチ、成功のポイントまで、Job総研の最新の調査データとともに詳しく解説します。
「キャリアチェンジ」とは?
キャリアチェンジという言葉をよく耳にするものの、その具体的な意味や転職との違いを明確に理解している人は意外と少ないもの。まずは、キャリアチェンジの基本的な定義と、今注目されている理由について確認していきましょう。
キャリアチェンジの定義|転職・キャリアアップとはどう違う?
「キャリアチェンジ」について、「転職」や「キャリアアップ」との違いが分からないという人も多いのではないでしょうか。それぞれの意味を以下にわかりやすくまとめました。
- キャリアチェンジ:これまでとは異なる業界や職種への転職
- 転職:同じ業界・職種での会社移籍
- キャリアアップ:現在の延長線上での昇進や昇格
転職やキャリアアップがこれまでのキャリアが前提としているのに対し、キャリアチェンジは既存の経験を一度リセットし、新たな分野で再スタートを切る決断。そのため、通常の転職よりも慎重な準備と覚悟が必要になります。
キャリアチェンジの代表的なパターン
キャリアチェンジには大きく分けて3つのパターンが存在します。
1. 業界チェンジ:同じ職種でも業界を変えるパターン。たとえば、製造業の営業職から不動産業界の営業職への転職がこれにあたります。職種のスキルは活かしつつ、業界特有の知識や慣習を新たに学ぶ必要があります。
2. 職種チェンジ:同じ業界内で職種を変えるパターン。IT業界の営業職からIT業界のエンジニアへの転職などが該当します。業界知識は活かせますが、全く新しいスキルセットの習得が必要に。
3. 業界・職種の両方チェンジ:もっとも変化の大きいパターンで、接客業から人事職、製造業からWebデザイナーなど、業界も職種も完全に変える転職。難易度は高いものの、これまでとは全く異なる環境で新たな可能性を見つけることができます。
キャリアチェンジが注目されるのはなぜ?

近年、キャリアチェンジが注目される背景には、はたらき方や雇用環境の大きな変化があります。
終身雇用制度の変化により、一つの会社に長期間勤続することがあたりまえではなくなりました。
また、少子高齢化にともなう人手不足で、若手を中心に就職は売り手市場傾向。「合わないなら早めに見切りをつける」という考え方も一般的なものになりつつあります。
実際にJob総研が実施した「2025年 社会人のキャリア観調査」では、現在と新卒当時の理想のギャップを感じるかという質問に対し、「感じる派」が76.2%と過半数を占める結果に。この数字は、潜在的なキャリアチェンジ願望を抱えるビジネスパーソンの多さを物語っています。
さらに、テクノロジーの進歩により既存の職種が変化したり、新しい職種が生まれたりしていることも、キャリアチェンジが注目される理由の一つ。
このような環境の変化の中で、自分らしいはたらき方を求めてキャリアの方向転換を検討する人が増えているのです。
参照:Job総研『2025年 社会人のキャリア観調査』を実施しました – Job総研プラス
データで見る「キャリアチェンジの現状」
では、実際にキャリアチェンジを考えている人はどのくらいいるのでしょうか。Job総研の最新調査データから、はたらく人のキャリアに対する本音と転職への思いを探っていきます。
キャリアに満足していても転職を考える理由


Job総研の「2023年 転職とリスキリングの意識調査」によると、自身のキャリアに「納得している派」と回答した人は63.0%でした。一方で、転職意欲については53.9%の人が「ある派」と回答しています。
この数字が示すのは、現在のキャリアに一定の満足感を持ちながらも、半数以上の人が転職を検討しているという矛盾した状況。つまり、「今の仕事は悪くないけれど、もっと良い環境や条件があるなら転職したい」という潜在的なニーズが存在することがわかります。
現状に大きな不満がなかったとしても、常にさらなるステップアップを考えるのが現代のビジネスパーソンのスタンダードなのかもしれません。
参照:Job総研 「2023年 転職とリスキリングの意識調査」 | JobQ[ジョブキュー]
転職を考えるきっかけと重視する条件


同調査にて、転職を考えるきっかけを聞いたところ、もっとも多かったのが「給与や待遇への不満」で56.7%でした。続いて「仕事にやりがいを感じない」が41.9%。「会社の将来性や経営への不安」が29.2%となりました。
一方、転職先に求める条件については「給与や待遇」が78.3%でトップ。次いで「仕事のやりがい」が52.5%、「ワークライフバランス」が49.8%という結果に。
注目すべきは、転職を考える理由でも転職先の条件でも「給与や待遇」が最上位にランクインしていること。これは、多くの人が現在の収入や労働条件に何らかの不満を抱えており、キャリアチェンジを含む転職を通じてその改善を図りたいと考えていることを物語っています。
また、無視できないのが「やりがい」の注目度の高さ。この結果からは、経済的な向上だけでなく、精神的な満足度も転職の重要な判断基準になっていることがうかがえます。
未経験への挑戦、年収はどうなる?自分の「市場価値」を査定
キャリアチェンジを考える際、一番の不安は「年収が下がるのではないか」ということ。未経験の分野でも、あなたのこれまでの経験は意外な形で評価されるかもしれません。
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体験者が語る|キャリアチェンジの現実
実際にキャリアチェンジを経験した人や検討している人からは、年齢や状況によってさまざまな声が聞かれます。Job総研がおこなった「Q.【Job総研/公式】今後のキャリアに不安はありますか?学び直しは必要?」との問いへ回答から、リアルな本音を紹介します。
今後のキャリアに不安はない。直近で学び直し・キャリアチェンジをした。資格をとって32歳で未経験業界・職種にチャレンジし、前職から給与が2倍になった。 現在の収入・仕事に満足している気持ちもあるが、もっと上を目指したいという気持ちもある。
もう年齢が35歳なのでキャリアチェンジは難しいかなと考えています。 しかしこのまま停滞する気もないので、今の業界・分野で伸ばしていくための学習は続けます。 転職で重視するのは待遇で、現在の待遇には満足しています。
自信があるかと言われるとつらいですが、キャリアにすごく不安があると言うわけではないです。 転職が一般的なものになってきているので、キャリアチェンジもしやすくなったと思います。
同じキャリアチェンジでも、年齢や経験、置かれた状況によって考え方は大きく異なるようです。
みんなの仕事観とキャリア意識
転職やキャリアチェンジを考える背景には、はたらく人々の仕事に対する価値観や意識の変化があります。Job総研の調査から、現代のビジネスパーソンが自分の仕事をどう捉えているのかを確認していきましょう。
8割が過去の仕事を「経験して良かった」と回答

Job総研の調査によると、過去の仕事について「経験して良かった派」と回答した人は79.5%にのぼりました。この高い数値は、多くの人が自分のキャリアに対して肯定的な評価を持っていることを示しています。
では、どのような瞬間に「経験して良かった」と感じるのでしょうか。もっとも多かったのは「感謝されたとき」で57.6%、続いて「成果が評価されたとき」が52.8%、「難しいことをやり遂げたとき」が47.5%という結果に。
これらの数字から読み取れるのは、多くのビジネスパーソンが他者からの評価や達成感を通じて仕事の価値を実感していること。キャリアチェンジを考える際も、新しい分野でこうした充実感を得られるかどうかが重要な判断材料になりそうです。
参照:Job総研『2025年 社会人のキャリア観調査』を実施しました – Job総研プラス
6割が自分の仕事を次世代に残したいと考える

同調査で興味深いのは、自分が経験した仕事を「次世代に残したいと思う派」が65.1%だったこと。この数字は、多くの人が自分の仕事に誇りを持ち、その価値を次世代にも伝えたいと考えていることを表しています。
次世代に残したい理由としてもっとも多かったのは「社会に役立つ実感がある」で48.2%。続いて「変化への対応力が身につく」が39.4%、「はたらき方の自由度が高い」が31.4%となりました。これらの理由からは、ビジネスパーソンの多くが自分の仕事を通じて社会貢献や成長を実感していることがうかがえます。
一方で、次世代に残したくない理由のトップは、「AIなどにより将来性が不透明」で36.7%でした。技術の進歩による職業の変化への不安も垣間見える結果に。
年代別|キャリアチェンジの戦略
キャリアチェンジを成功させるためには、年代に応じた戦略を立てることが重要です。20代、30代、40代、それぞれの世代に適したキャリアチェンジ戦略を解説します。
20代のキャリアチェンジ戦略
20代のキャリアチェンジは、ポテンシャル重視の採用が期待できる年代。企業側も即戦力よりも将来性を重視する傾向があり、基本的なビジネスマナーが身についていれば、未経験分野への挑戦も比較的受け入れられやすい傾向にあります。
この年代の最大の強みは、柔軟性と学習能力の高さ。新しい環境や業務に適応する力があり、長期的な成長を見込んで採用する企業も多く存在します。また、失敗してもやり直しがきく年代でもあるため、積極的にチャレンジすることが可能です。
戦略としては、長期的なキャリア形成の視点を持つことが重要。「なんとなく今の仕事が合わない」ではなく、「将来こうなりたいから、この分野に挑戦する」という明確なビジョンを持って臨むことで、面接でも説得力のあるアピールが可能に。
30代のキャリアチェンジ戦略
30代のキャリアチェンジでは、これまでの経験やスキルを活かせる分野を選択することが大切。企業側も即戦力としての活躍を期待する傾向が強くなるため、完全に未経験の分野よりも、何らかの形で過去の経験を活用できる領域を選ぶのが賢明です。
この年代のキャリアチェンジの特徴は、即戦力への期待と未経験分野への挑戦のバランスを取る必要があること。たとえば、営業経験者がマーケティング分野に転職する場合、顧客理解やコミュニケーション能力など、営業で培ったスキルをどう活かせるかを明確に示すことが求められます。
また30代では、マネジメント経験の有無によって戦略が大きく変わります。チームリーダーや主任といった経験がある場合は、その経験を新しい分野でも活かせることがアピールポイントに。
さらに、転職理由を明確にすることも重要。「キャリアアップのため」「より専門性を高めるため」など、前向きで具体的な理由を準備しておく必要があります。
40代以降のキャリアチェンジ戦略
40代以降のキャリアチェンジは、豊富な経験とマネジメントスキルを活かせる分野への転換が基本戦略に。これまで培ってきた専門性や人脈を新しい環境で活用することが重要です。
40代以降の強みは、長年の経験に裏打ちされた判断力と実行力。また、業界の人脈や深い専門知識を持っていることも大きなアドバンテージです。これらを活かせる分野、例えばコンサルタントや専門職への転身などが現実的な選択肢となります。
戦略的アプローチとしては、現実的な制約を踏まえた慎重な計画立案が必要。年収の維持や家族への影響なども考慮しながら、段階的なキャリアチェンジを検討することが大切です。
人脈を活用した情報収集や、必要に応じてスキルアップのための学習にも取り組むことで、成功の確率を高めることができます。
リスキリングでかなえるキャリアチェンジ
キャリアチェンジを成功させるための重要な要素の一つが「学び直し(リスキリング)」です。未経験の分野に挑戦する際、新しいスキルや知識の習得は避けて通れません。ここでは、リスキリングの詳細について解説します。
9割が学び直しに意欲を示す現実

Job総研の「2023年 転職とリスキリングの意識調査」によると、転職時の学び直しに対する意欲について「ある派」が89.3%にのぼりました。この圧倒的に高い数値は、多くのビジネスパーソンが新しいスキル習得の必要性を強く感じていることを示しています。
この背景にあるのが、技術の急速な進歩やビジネス環境の変化により、従来のスキルだけでは対応しきれない現状。特にAIやデジタル化の進展によって、新しいスキルが求められている職種は決して少なくありません。
学び直しの具体的な方法としては、オンライン講座の受講、資格取得、セミナー参加、実務経験の積み重ねなど、さまざまな選択肢があります。自分のペースや目標に合わせ、最適な学習方法を選択することが大切です。
参照:Job総研 「2023年 転職とリスキリングの意識調査」 | JobQ[ジョブキュー]
国・自治体の支援制度の活用も
キャリアチェンジを目指す人にとって心強いのが、国や自治体による支援制度の存在です。これらの制度を活用することで、経済的負担を軽減しながらスキルアップを図ることができます。
たとえば経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」では、リスキリングに関連する講座の受講と転職を通じ、最大56万円の補助金が支給されます。講座修了で受講費用の50%相当額(上限40万円)、さらに転職・1年間継続就業で追加20%相当額(上限16万円)が支給される仕組みです。
また、東京都の「キャリアチェンジ再就職支援事業」では、労働者派遣制度を活用したトライアル就労とリスキリングを組み合わせ、最適なキャリアチェンジの実現と正社員としての就職を後押ししています。実際にはたらきながらスキルを身につけられるため、より実践的な学習が可能です。
これらの制度は、キャリアチェンジのハードルを大幅に下げる効果があります。ただし、申請条件や期間が限定されている場合もあるため、事前にしっかりと情報収集を行うことが大切。自分の状況に合った制度を見つけて、積極的に活用していきましょう。
参照:転職をご検討の方 | リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業
【東京都】キャリアチェンジ再就職支援事業
キャリアチェンジの不安への対処法
キャリアチェンジを検討する際、多くの人が抱く不安があります。特に年収の減少や年齢による制約は誰もが気になるポイント。ここでは、キャリアチェンジにまつわる不安への具体的な対処法を紹介します。
年収ダウンリスクへの対策
未経験分野への転職では、年収が下がるリスクは確かに存在します。新しい分野では即戦力として評価されにくいため、一時的に収入が減少することは珍しくありません。
実際にキャリアチェンジをするにあたり、まず考えたいのが長期的なキャリアプランでの収入向上。初年度は年収が下がったとしても、新しい分野でのスキルや経験を積み重ねることで、将来的にはより高い収入を得られる可能性があります。特に成長分野や専門性の高い職種への転換では、将来的に大幅な収入アップが期待できるケースも。
年収ダウンのリスクを最小限に抑えるためには、転職前の準備が欠かせません。目標とする分野で求められるスキルを事前に習得したり、関連する資格を取得したりすることで、未経験でもより良い条件で転職できる可能性が高まります。
年齢制限に対する不安への向き合い方
「キャリアチェンジは何歳まで可能なのか」という疑問は多くの人が抱くもの。確かに年齢が上がるにつれて選択肢は狭まりがちですが、年齢を理由に最初から諦める必要はありません。
重要なのは、年齢よりも「自分が何を提供できるか」ということ。40代、50代であっても、豊富な経験やマネジメント能力、業界人脈など、若手にはない価値を提供できるなら十分に需要はあります。
年齢制限への不安を解消するためには、準備と心構えが何より大切。十分な情報収集と準備を行い、自分の価値を明確に伝えられるようになることで、年齢に関係なくキャリアチェンジの可能性は広がります。
「遅すぎる」という思い込みを捨て、前向きに挑戦する姿勢を持つことがキャリアチェンジ成功への第一歩です。
明日からの仕事がちょっと楽しみになる!おすすめ診断



あなたらしいキャリア選択のために今できること
キャリアチェンジは人生の大きな決断ですが、必ずしも全ての人に必要なものではありません。
社会が大きく変容する中で、ビジネスパーソンの価値観も多様化しています。大切なのは、それぞれが自分らしい選択をすること。他人と比較するのではなく、自分自身の価値観や状況に合った選択をすることです。
キャリアチェンジも、現状維持も、選ぶのはあなた自身。データや他者の経験を参考にしつつ、あなただけの理想のキャリアを築いていきましょう。








