2025.08.29
気になる冬のボーナス中央値「55万円」は高い?低い?収入アップのヒントも
「今回のボーナス、みんなと比べてどうなんだろう…?」そんな風に気になったことはありませんか?
ニュースで聞く「平均支給額」は参考になるものの、なんとなく実感とズレを感じる人も多いはず。
この記事では、そのズレを解消するために知っておきたい「中央値」について分かりやすく解説。Job総研の「冬ボーナス実態調査」と厚生労働省の「毎月勤労統計調査」をもとに、あなたのボーナスのリアルな水準を確認してみましょう。
ボーナスの「中央値」とは?平均値では分からない本当の水準
まず、「中央値って何?」という疑問から解決するために、中央値と平均値の違いを見ていきましょう。
平均値は、全員のボーナス額を足して人数で割った数値。一方で中央値は、全員をボーナスの支給額順に並べたときの「真ん中の人」の金額です。
例えば、5人の人がそれぞれ次のような金額のボーナスを支給されたとします。
- Aさん:30万円
- Bさん:45万円
- Cさん:50万円
- Dさん:55万円
- Eさん:200万円
この場合、平均値は76万円(合計380万円÷5人)なので、5人中4人が平均以下に。一方、中央値は真ん中のCさんの50万円なので、より実態に近い結果が得られます。
「平均支給額は76万円」と聞くと「みんな結構もらってるんだな」と感じますが、実際は一部の高額支給者が数字を押し上げているだけというケースが少なくありません。
中央値を知るメリットは、多くの人が実感する「リアルな水準」が分かること。自分のボーナスが「人より多いのか少ないのか」を判断するときは、中央値との比較が重要です。
【Job総研調査から見る】冬ボーナス|中央値55万円の実態
それでは実際の調査結果を見てみましょう。Job総研が全国の社会人614人を対象に実施した「2023年冬ボーナス実態調査」の内容を解説します。
全体の中央値は55万円|自分のボーナスの実質水準をチェックしよう
Job総研 2023年冬ボーナス調査結果

注目すべきは、平均66.5万円に対して中央値が55万円と、両者のあいだに11.5万円もの差があること。
平均支給額は66.5万円でも、多くの人にとっての「普通のボーナス」は55万円前後が実態であることがわかります。
では、中央値55万円を基準に、あなたのボーナスがどの位置にあるかチェックしてみましょう。
- 55万円以上の場合|Job総研調査では中央値が55万円なので、これ以上のボーナスをもらっている人は調査対象の上位50%に入っています。
- 50万円〜55万円の場合|Job総研調査の最頻値は50万円でした。最頻値とは「もっとも多くの人がもらっている金額」なので、この範囲は「標準的な」ボーナス額と言えます。
- 50万円未満の場合|Job総研調査では標準を下回っている数字ですが、業界によってはこれが普通という場合も。後ほど解説する業界別データと合わせて判断することが大切です。
平均66.5万円との差11.5万円は決して小さくありません。「平均的なボーナスがほしい」と思っている人は、この11.5万円の差も意識してキャリア戦略を考える必要がありそうです。
男女別中央値:男性70万円 vs 女性35.5万円の格差
ボーナスの支給額を見るにあたり、無視できないのが男女間の格差です。

男女の中央値の差は34.5万円でした。これは決して小さくない格差です。
この格差の背景には、管理職比率の違いや業界選択の違い、妊娠・出産に伴うキャリアの断絶など、さまざまな要因が潜んでいます。
1985年に男女雇用機会均等法が制定されてから早40年、ビジネスシーンにおける男女間の格差はいまだ大きいことがよくわかる結果となりました。
【毎月勤労統計調査から見る】業種別ボーナス平均額ランキング
次に、厚生労働省の「毎月勤労統計調査(令和7年2月速報)」から、業界別のボーナス支給額を見てみましょう。
毎月勤労統計調査では中央値は公表されていませんが、業種別の傾向を詳しく知ることができます。自分の業界の支給水準を確認するのに最適です。
業界別・賞与平均支給額ランキング
| 順位 | 産業名 | 賞与額(円) |
|---|---|---|
| 1位 | 電気・ガス業 | 943,474 |
| 2位 | 情報通信業 | 707,303 |
| 3位 | 金融業・保険業 | 641,032 |
| 4位 | 鉱業・採石業等 | 612,066 |
| 5位 | 教育・学習支援業 | 589,333 |
| 6位 | 学術研究等 | 588,937 |
| 7位 | 製造業 | 558,186 |
| 8位 | 不動産・物品賃貸業 | 551,281 |
| 9位 | 建設業 | 540,595 |
| 10位 | 複合サービス事業 | 455,496 |
| 11位 | 運輸業・郵便業 | 398,540 |
| 12位 | 卸売業・小売業 | 373,565 |
| 13位 | 医療・福祉 | 308,846 |
| 14位 | 生活関連サービス等 | 184,277 |
| 15位 | 飲食サービス業等 | 83,199 |
| 全産業計 | 413,277 | |
1位の電気・ガス業と15位の飲食サービス業等では、支給額に約11倍の差があります。業界選択がボーナス額に与える影響の大きさが分かります。
興味深いのは、Job総研調査の全体平均66.5万円に対して、毎月勤労統計調査の全産業計は413,277円と、約25.2万円の差があること。
これは調査対象や集計方法の違いによるものですが、いずれにしても「業界による差」が非常に大きいということは間違いありません。
ちなみに、毎月勤労統計調査では、事業所規模30人以上の事業所に絞った場合、平均支給額の全産業計は478,373円となり、65,000円ほど水準が上がります。この事実は、規模の大きい企業ほどより多くのボーナスが支給されていることを端的に表しています。
中央値と業種別平均、どう活用すべき?
ここまで、Job総研の調査から「中央値」を、毎月勤労統計調査から業種別平均を見てきました。この二つの情報は、それぞれどう活用すればいいのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
全体での立ち位置は「中央値55万円」で
業界関係なく、労働者全体でのおおまかな立ち位置が知りたいときは、中央値との比較がおすすめ。
平均値からはわからないリアルな「標準」を知ることで、自分の立ち位置を客観的に判断できます。
全体での立ち位置を把握することは、今後のキャリアを考えるヒントとしても効果的。「転職を考えるべきか」「現職で満足すべきか」を考える際の判断材料にもなります。
たとえば、全体の中央値55万円を大幅に下回っている場合、業界を変えた転職が選択肢になるかもしれません。
業界内での立ち位置は「業種別平均」で
業種別平均は、同業他社内における自社のボーナス支給水準を知るために有効です。
業界内での立ち位置がわかることで、「現職での昇進・昇給を目指すべきか」「同業他社への転職を考えるべきか」といった、より具体的な戦略を立てることが可能に。
業界平均を上回っているのなら現職でのキャリアアップ、下回っているなら同業他社への転職、大幅に下回っているなら異業界への転職といった、複数の選択肢が見えてくるはずです。
あなたの本当の「市場価値」は?「収入アップの可能性」を可視化
ここまで、中央値や業種別平均から、ボーナス水準を客観的に見てきました。
これらの数字から「自分のこれまでの経験やスキルに基づいた市場価値」知りたいと思うようになった人もいるのではないでしょうか。本当に受け取るべき適正年収を把握することが、次のキャリア戦略を立てるための重要な一歩になります。
dodaの年収査定診断では、あなたの経歴から以下の4つの視点で市場価値を可視化できます。
- あなたの適正年収: 市場におけるあなたのリアルな価値
- 今後30年間の年収推移: 将来の収入の可能性を予測
- 転職してよかった!キャリアの可能性: 成功事例からヒントを得る
- あなたの適正年収から求人を探す: 診断結果に基づき具体的な求人へアクセス
「もっとボーナスを増やしたい!」おすすめ収入アップ術
自分のボーナスの立ち位置がわかったところで、「もっとボーナスを増やしたい」と思ったらどうすればよいのでしょうか。ここでは、ボーナスを増やすために検討したい現実的で効果的な方法を紹介します。
現職での昇給・昇進で中央値超えを目指す
転職にはリスクが伴うもの。ボーナスを増やすにあたり、「まずは現職での可能性を考えたい」という人は多いのではないでしょうか。
現職でスムーズな昇給・昇進をかなえるために効果的な方法を次にまとめました。
- 直属の上司に昇進の条件や時期を相談する
- 必要なスキルや資格があれば積極的に取得する
- 社内の人事制度を詳しく調べ、評価ポイントを把握する
- 他部署との連携を通じ、社内での存在感をアップする
なお、「評価されるべき成果を挙げているにもかかわらず、思うような結果が得られない」という場合、実績を効果的にアピールできていない可能性があります。心当たりがあるようならば、次のようなアクションも検討してみましょう。
- 定期的な上司との1on1などで成果を数値で報告する
- 社内提案制度があれば積極的に活用する
- チームの成果だけでなく、個人の貢献も明確に伝える
特に、業界平均を下回っているものの業界自体のボーナス水準が悪くない場合は、現職での昇進が最も効率的な収入アップ方法です。
転職で高ボーナス業界を狙う
現職での改善が難しい場合や、より大幅な収入アップを目指したい場合は、転職も有力な選択肢。産業別のボーナス支給額を参考に、今後のキャリアを考えるのがおすすめです。
以下、先述の「毎月勤労統計調査(令和7年2月速報)」で支給額上位だった3産業について、転職を検討する際に必要なスキルや資格をまとめました。
| 業界 | 必要スキル例 | 活かせる・推奨資格 | 転職・キャリアのポイント |
|---|---|---|---|
| 電気・ガス業 | ・電気設備・インフラ運営の知識 ・安全管理・現場経験 ・再エネ・AI/IoT基礎知識 ・マネジメント力 | ・電気主任技術者 ・ガス主任技術者 ・エネルギー管理士 ・IoT/IT系資格(プラスであると◎) | ・業界安定性+長期キャリア志向が強み ・資格×経験セットで評価アップ ・再生可能エネルギー等は将来性も |
| 情報通信業 | ・プログラミング ・システム設計 ・プロジェクト管理 ・クラウド/セキュリティ/ネットワーク運用 ・最新技術へのアンテナ | ・基本/応用情報技術者 ・AWS/Google Cloud認定 ・PMP(プロジェクト管理)など | ・「技術変化」への柔軟さ&学習意欲 ・社内外との協働スキルも重要 ・最新技術や資格は武器になる |
| 金融・保険業 | ・金融知識/商品知識 ・営業・提案力 ・リスク管理 ・データ分析・ITリテラシー ・コミュニケーション力 | ・FP(ファイナンシャルプランナー) ・証券外務員 ・簿記 ・金融+IT資格や英語資格も有効 | ・数字&顧客対応の強さが大きな武器 ・昇進や他業界への転職にも資格・スキルが活きる ・DXやデジタル知識はますます重要化 |
転職活動で押さえておきたいポイント
- 業界平均だけでなく、企業ごとのボーナス実績をしっかりチェックしよう
ボーナス額は同じ業界でも企業によって大きく異なることがあります。気になる企業の過去の支給実績や口コミ情報を活用して、リアルな水準を把握しましょう。 - 基本給とボーナスのバランスも大切
ボーナスだけが高くても、基本給が低いと収入が不安定になりがち。給与全体のバランスを考えて、安心してはたらける条件かどうかも見極めたいポイントです。 - 福利厚生やはたらき方、職場の雰囲気もトータルで判断しよう
ボーナス以外にも、休日制度や育児・介護支援、リモートワークの導入状況など、自分のライフスタイルとマッチするかが長くはたらくためのカギになります。 - 面接では、現職での成果を具体的な数値やエピソードで準備しよう
「何をやったか」「どんな結果を出したか」を数字や具体例で示すことで、自分の価値をしっかり伝えられます。前もって成果を整理し、自信を持って話せるように準備すると好印象です。
高ボーナス業界ほど求められるスキルや責任も大きくなります。しっかりと準備をしてからチャレンジするのが成功の秘訣です。
ボーナスの中央値を参考にキャリア戦略を見直そう
この記事のポイントをおさらい
- 平均値より中央値の方が「リアルな水準」が分かる
- 全体の中央値は55万円(男性70万円、女性35.5万円)
- 業界によるボーナス格差は非常に大きい(1位と15位で約11倍の差)
- 全体での立ち位置と業界内での立ち位置、両方を把握することが重要
ボーナスの「中央値」は、実際に多くの人がもらっている金額の目安として重要な指標。一部の高額受給者に引き上げられがちな平均値と比べ、自身の立ち位置をより正しく把握できます。
大切なのは、数字に一喜一憂するのではなく、現状を正しく把握した上で「次にどうするか」を考えること。
現職での成長を目指すか、新しい環境でのチャレンジを選ぶか、どちらが正解ということはありません。あなたの価値観や生活スタイルに合った選択をすることが、結果的に満足度の高いキャリアにつながるはず。ボーナスは大切な指標の一つですが、それがすべてではないことも忘れずに。
まずは自分の立ち位置を参考に、小さな一歩から始めてみませんか?
参照:Job総研「2023年 冬ボーナス実態調査」 | JobQ[ジョブキュー]
参照:毎月勤労統計調査 令和7年2月分結果速報等|厚生労働省








