2025.08.12
共働き家庭で家事は妻ばかりって実際どうなの?「無能の武器化」が生む夫婦の溝
「同じようにはたらいているのに、なぜ家事は妻ばかりが担うのか」そんな不満を抱く女性は少なくありません。この背景には、慣習的な男女の役割分担に加え、夫の「無能の武器化」という問題も。この記事では、夫婦それぞれの本音と家事分担の偏りが生まれる根本原因、そして現実的な解決策について分かりやすく解説します。
共働き家庭の家事負担|アンバランスな実態
共働き世帯が全体の約7割を占める現代日本において、家事分担の実態は驚くほど不平等です。
総務省の「社会生活基本調査」から、2021年における「6歳未満の子どもを持つ共働き世帯」の1日当たりの家事関連時間を見てみると、妻が6時間33分、夫は1時間55分で、約3倍もの開きがありました。
一方、「6歳未満の子どもを持つ専業主婦世帯」を見ると、1日当たりの家事関連時間は妻が9時間24分、夫が1時間47分となっています。共働き世帯と比べ、妻の家事関連時間は約3時間増加しているのに対し、夫の家事関連時間にほぼ変化はありません。
これは、妻が仕事をしていてもしていなくても、夫の家事参加割合に変化がないこと——つまり、妻がはたらいていても、家事の分担はほとんど行われないことを意味します。
仕事から帰宅し、限られた時間のなかで家事・育児にてんてこ舞いする視線の先に、一人のんびりとくつろぐ夫がいたとしたら、妻が「どうして自分ばかり」と感じてしまうのも無理はないといえそうです。
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共働きなのに家事負担は妻ばかり|妻の本音
同じようにはたらいているのに、なぜ家事は自分ばかりが担うのか。多くの妻たちが抱える不満や複雑な心境には、共通するパターンがあります。普段は言えない妻の本音を見ていきましょう。
「どうしてわたしばかり…」
勤務時間や給与が夫と同等、あるいは妻の方が多い場合によく見られる本音です。
はっきりと不公平感を抱き、夫に対しても直接不満を伝えているケースが多いのが特徴で、根底には「わたしだって疲れているのに、なぜ家に帰ってからもはたらき続けなければならないの」という怒りがあります。
夫に家事分担を求めても「忙しい」「やり方がわからない」と言われてしまい、結局自分が全てを背負わざるを得ないことも。
共働きという対等な立場にもかかわらず、家庭内では一方的に負担を強いられる状況に、強いストレスを感じています。
「なんだかんだ、しかたがない」
現状に不満を抱きながらも、自分を納得させようとする心理状態です。
「夫の方が稼いでいるから」「夫の仕事の方が大変そうだから」と自分に言い聞かせ、不公平な状況を受け入れようとしています。
しかし、この「仕方がない」という気持ちは、実は大きなストレスの温床。表面的には納得しているように見えても、心の奥底では「本当にこれでいいのか」という疑問を抱き続けているのが実情です。
とくに子育てが重なると、その負担は更に増大するため、いつ爆発するとも限りません。この状況が長期間続くことで、心身の不調を引き起こすケースも。
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「夫がいないほうがマシかも」
協力し合うべき夫がいるにも関わらず協力が得られないことに対する悲しさや怒りが、あきらめに変わったときに陥りやすい心理状態です。
この場合、家ではなにもせず、むしろ家事負担を増やす夫の存在がストレスの原因に。場合によっては、「いないほうがラクかも……」と、夫との暮らしそのものに疑問を抱くことにもなりかねません。
とくに妻に一定の収入があり、そのうえでワンオペが続くケースでは、「わたし一人でやっていけるな」と離婚へ舵を切るケースも。
夫婦という制度の中で一方的に負担を強いられるより、一人で自由に生きる方が楽だと感じるのは、ある意味で自然なことといえるでしょう。
共働きなのに家事負担は妻ばかり|夫の本音
妻にばかり家事負担を負わせる状況に、夫側も複雑な思いを抱えています。ここでは、言語化されない夫の本音を解説します。
「申し訳ないと思っている」
多くの夫が、妻に家事負担が偏っていることを理解し、申し訳ないという気持ちを抱いています。本来であれば平等に家事を分担すべきだと頭では分かっているものの、実際の行動に移せないジレンマを感じているのです。
「仕事が忙しすぎて時間がない」「家事のやり方が全然わからない」「やっても文句を言われる」など理由はさまざまですが、結果的に妻任せになってしまうことに。
このケースでは、パートナーとしての役割を果たせていないことに対し、夫自身も強いストレスを感じています。罪悪感を抱えきれず、不当にイライラをアピールしたり、卑屈になったりすることも。
「正直、いまの形がラク」
現状が不公平であることは理解しているものの、実際には現状維持の方が楽だと感じている夫も少なくありません。家事を覚える手間や、妻と調整する面倒さを考えると、つい現状に甘んじてしまうのです。
このケースの夫は、「妻の方が上手にできるから」「僕がやると結局やり直しになる」といった理由をつけて、積極的に家事に参加しない状況を正当化しがち。
この態度が妻の不満をさらに高め、より事態を深刻化させてしまいます。短期的には楽でも、長期的に見れば夫婦関係にとって非常にリスクの高い選択です。
「適材適所だと思う」
「家事は女性の方が得意」「それぞれに得意なことを多く受け持つのが効率的」という考え方です。一見合理的に聞こえますが、古い性別役割意識に基づいているケースが多く見られます。
この考え方の背景には、過去に家事を手伝った際に妻からダメ出しされた経験があることも。「せっかくやったのに文句を言われた」という不満から、「やはり妻の方が得意なのだ」と結論づけてしまうのです。
しかし実際のところ、大半は経験不足や練習不足。継続的に取り組めば改善される問題です。
なかには、適材適所を言い訳に責任回避をしているケースも見られ、夫婦間の溝を深める要因となっています。
共働きなのに家事負担は妻ばかりになるのはなぜ?
家事分担の偏りには、社会構造的な要因から個人レベルの問題まで、複数の原因が複雑に絡み合っています。根本的な解決のためには、これらの要因を正しく理解することが重要です。
「男は仕事・女は家庭」という価値観があるから
日本社会に根深く残る伝統的な性別役割意識が、現代の共働き家庭にも大きな影響を与えています。
この問題が複雑なのは、価値観が社会全体に浸透していることに加え、男女それぞれが無意識のうちに内面化していること。これにより男性は「仕事で成果を上げることが自分の役割」と考え、女性は「家庭を円滑に運営することが自分の責任」と感じてしまう傾向があります。
社会の構造が変わり、共働きが主流となってもなお、この根深い価値観が家事分担の偏りを生み出しているのが現実。職場環境や社会の期待値も、こうした価値観を強化する要因となっています。
男性が家計を担うことが多いから
女性の妊娠・出産を前提とした日本の賃金・昇進システムにより、多くの家庭で男性がメインの稼ぎ手となる構造があります。この経済的な現実が、家事分担の偏りを「効率的」だと感じさせる要因に。
「夫の方が稼いでいるから、家事は妻が担うのが合理的」という考え方が生まれやすく、結果として不平等な分担が固定化されがちです。
妻が家事を一手に引き受けることで、妻のキャリア形成が阻害され、更なる収入格差を生むという悪循環も。この構造的な問題は、個人の努力だけでは解決が困難な社会全体の課題です。
夫が「無能の武器化」をしているから
「無能の武器化」とは、本来の実力以上にできないように振る舞い、責任や負担を他者に押し付ける行動のことです。家事においてもこの現象が多く見られ、結果として妻の負担増加につながっています。
具体的には、悪気がなかったとしても料理で失敗を繰り返す、掃除を適当に済ませる、幼い子どもから目を離す、買い物を頼まれても値段を気にせず高い商品を買ってくる、といった行動が挙げられます。
こうした状況では、妻は「自分がやった方が早い」「自分がやるしかない」と感じ、結局すべての家事を担うことに。
この「無能の武器化」は意識的・無意識的を問わず行われており、夫婦関係に深刻な亀裂を生む要因となっています。
家庭の問題?それともキャリアの問題?
根本的な悩みとして「この働き方・キャリアのままで本当に良いのか?」と感じている方もいるのではないでしょうか。不満を抱えたまま無理に働き続けることは、家事負担の偏りと同じくらい大きなストレスの原因になっている可能性があります。
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共働きなのに家事負担は妻の状況を改善するには?
不平等な家事分担を改善するためには、具体的で実践的なアプローチが必要です。ここでは、取り組みやすく効果的なアプローチを3つ紹介します。
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夫婦で家事リストを作成し、役割分担を明確にする
共働き夫婦が家事の役割分担を見直すには、生活に必要な家事を全てリストアップし、妻の負担の大きさを可視化することから始めるのがおすすめ。
多くの夫は、家事の全体量や複雑さを正確に把握していません。「名もなき家事」と呼ばれる細かな作業まで含めてリスト化することで、妻が担っている負担の実態を明らかにできます。
リスト作成後は、それぞれの家事にかかる時間や頻度、難易度を夫婦で話し合い、公平な分担を決めていきましょう。
重要なのは、単純に数を半分にするのではなく、それぞれの生活リズムや得意分野を考慮した現実的な分担を設定すること。また、一度決めた分担も定期的に見直し、状況に応じて調整することも必要です。
夫婦のコミュニケーションを密にする
家事分担の問題は、多くの場合コミュニケーション不足が根底にあります。これを改善するためには、お互いが困っていることや相手への感謝の気持ち、改善してほしい点などを率直に話し合える環境を作ることが大切。
たとえば、定期的な夫婦会議の時間を設けることで、小さな不満が大きな問題に発展する前に解決できます。また、相手の努力や変化を認め、感謝の気持ちを言葉で表現することも重要です。
批判的になりがちな話し合いも、建設的な問題解決の場として活用できれば、夫婦関係はより良い方向へ向かいます。コミュニケーションの際は、相手を責めるのではなく、一緒に解決策を見つける姿勢を忘れずに。
外部のサポートを活用する
夫婦の努力だけでは限界がある場合、外部のサポートを積極的に活用することも選択肢のひとつです。家事代行サービスや時短家電、宅配サービスなどを利用すれば、家事負担そのものの軽減も可能。
「外部サービスを使うのは贅沢」という考え方もありますが、円満な夫婦関係の維持やパートナーの心身の健康を考えれば、決して高い投資ではありません。
また、時短アイテムを導入して効率化を図ったり、食材宅配サービスで買い物の負担を減らしたりすることも効果的です。
重要なのは、完璧を求めすぎず、利用できるものは積極的に活用する柔軟な発想を持つこと。外部サポートを活用することで、夫婦が本当に大切にしたい時間を確保できるようになります。
家事分担の「正解」はない|夫婦それぞれのベストバランスを探そう
家事分担に万能な「正解」は存在しません。夫婦の職業、収入、価値観、ライフスタイルによって、最適解は大きく異なります。
大切なのは、お互いが納得できるバランスを見つけ、継続的に調整していくこと。ほかの家庭と比較するのではなく、自分たちの状況に合った分担方法を模索することが、共働きなのに家事負担が妻ばかりに押しつけられている現状を改善する近道です。
完璧な分担を目指すのではなく、お互いの努力を認め合い、感謝の気持ちを持って柔軟に対応していきましょう。二人で協力して家庭を築いていく意識さえあれば、決して難しいことではないはずです。









