2025.11.28
「仕事が割に合わない」はキャリアアップのサイン?“市場価値”の視点で原因と対処法を見直そう
「仕事が割に合わない」と感じている人は少なくありません。この背景には、報酬だけではない複合的な要素が絡んでいます。この記事では、Job総研の調査データをもとに「割に合わない」という感情の正体を解き明かし、キャリアを見直すヒントをお伝えします。
「仕事が割に合わない」と感じるのはなぜ?

多くのビジネスパーソンが、一度は「この仕事、割に合わないな」と感じた経験を持っています。
Job総研が実施した「給与に関するリアル」の調査では、社会人の85.0%が給与に関する不満や不安を持った経験があると回答しました。
この「割に合わない」という感情の背景には、報酬の低さだけでなく、評価・成長・人間関係といった複合的な要素が関係しています。
給与面での不満はもちろんですが、「どれだけ頑張っても認められない」「スキルが身につかない」といった目に見えにくい要素も割に合わなさを感じる大きな原因。
自分がなぜそう感じてしまうのか、まずはその正体を整理してみることが大切です。
「仕事が割に合わない」と感じるのはどんなとき?
「割に合わない」と感じる瞬間は人それぞれですが、多くの場合、いくつかの共通したパターンがあります。ここでは、特に多くのビジネスパーソンが直面しやすい4つのパターンを見ていきましょう。
給料や待遇が労力に見合わないとき
——これだけ頑張っているのに報われない。
——責任ばかり増えて給与は変わらない。
こうした状況は、割に合わないと感じるもっとも典型的なパターンです。
仕事量や精神的負荷、拘束時間などに対して報酬が釣り合わないと、人は”損をしている”という感覚を覚えがち。特に成果や努力が数値化しづらい職種では、評価が給与に反映されにくいぶん「どれだけやっても変わらない」という不満が募ってしまいます。
さらに、物価高騰が続く中、実質賃金が追いつかない状況も”割に合わなさ”を加速させる大きな要因。給与面での不公平感は、はたらく意欲そのものを削いでしまいます。
成果が正当に評価されないとき
自分の努力や成果が上司や組織に正しく伝わらず、評価されていないと感じるとき、人は「この仕事は割に合わない」と思いやすくなります。
Job総研の「2023年 人事評価の実態調査」によると、評価によってモチベーションが低下した経験がある人は78.7%。その原因としてもっとも多かったのが「成果と報酬が見合っていない」でした。
どれだけ成果を出しても認められない環境では、頑張る理由を見失ってしまうのも無理はありません。
特に、評価基準が不透明だったり、上司の好みや人間関係で評価が左右されたりする職場では、この不満が強まります。
「自分の頑張りは一体何のためなのか」という虚しさが、割に合わなさの感情を深めてしまうのです。
成長の実感を得られないとき
報酬だけでなく、成長やスキルアップの欠如も「割に合わない」と感じる大きな理由のひとつ。
単調な業務の繰り返しや、新しいスキルを身につける機会がない環境では、自分の市場価値が高まっている実感を得られません。将来のキャリアを見据えている人であるほどに「このままでは転職もできない」という焦りや不安を抱きやすくなることに……。
成長実感の欠如は、目の前の仕事へのモチベーションを下げるだけでなく、長期的なキャリア形成への不安にもつながるもの。
若手社員であれば「スキルが身につかないまま年齢だけを重ねてしまう」、ベテラン社員であれば「新しい挑戦の機会を失っている」という焦燥感が募るのです。
責任だけが増えるのに権限が伴わないとき
「仕事は増えるのに、決裁権は持たされない」こうした状況は、特に中間管理職層に多く見られるパターン。責任だけを押し付けられ、実際の意思決定権は上層部が握っているため、板挟みの状態で疲弊してしまいます。
責任に見合った権限や裁量がなければ、仕事を効率的に進めることも難しく、ストレスばかりが増えていく一方。部下からの要望に応えたくても上司の承認が必要で、結果的に「何もできない管理職」として板挟みになってしまいます。
組織内の構造的な問題が背景にあるため、個人の努力だけでは解決しづらいのもこのパターンの特徴です。
「割に合わない」仕事を続ける3つのリスク
「割に合わない」と感じながらも、なんとなくはたらき続けてしまう。そんな状況を放置した結果、さまざまなリスクに直面する人は少なくありません。ここでは、特に注意したい3つのリスクを見ていきましょう。
モチベーションの低下が慢性化する

「割に合わない」という感情を抱えたままはたらき続けると、モチベーションの低下が慢性化していきます。
Job総研の調査では、評価によってモチベーションが下がった経験がある人が78.7%に上っており、成果と報酬が結びつかない職場では意欲が持続しにくい構造が浮き彫りに。
最初は「もう少し頑張ってみよう」と思えていても、報われない状況が続けば次第に諦めの気持ちが強まり、「どうせ頑張っても変わらない」という無気力状態に陥りやすくなります。
こうした状態が長引くと、仕事の質やパフォーマンスにも悪影響が及び、さらに評価が下がるという悪循環に。早めに対処することが重要です。
“不本意な転職”をしてしまいがち
限界まで我慢して転職に踏み切ると、冷静な判断ができずに条件面で妥協してしまうケースが少なくありません。「とにかく今の環境から逃げ出したい」という思いが先行してしまい、年収や仕事内容、職場環境などをしっかり吟味する余裕がなくなるからです。
さらに問題なのは、「何に不満を抱いているのか」を整理しないまま転職すると、同じ原因を次の職場にも持ち越してしまうこと。転職先でも「また割に合わない」と感じてしまい、転職を繰り返す悪循環に陥る可能性も。
将来後悔しないためには、勢いではなく、自分が何に不満を持っているのかを見極めることが大切です。
心身の健康に悪影響が起きやすい
「割に合わない」と感じながらはたらき続けると、慢性的なストレスや疲労を招きやすく、集中力や意欲も低下してしまいがち。精神的な負荷が積み重なれば、身体症状やメンタル不調を引き起こすこともあるため、早めの対処が重要です。
頭痛や不眠、食欲不振といった身体的なサインが出始めたら、心が限界に近づいている証拠。また、仕事のことを考えるだけで憂鬱になったり、休日も気持ちが晴れなかったりする場合も要注意。実際に健康を損なってからでは回復に時間がかかってしまいます。
「割に合わない」という感情を軽視せず、自分の心身の状態に目を向けることが大切です。
「割に合わない」と感じたらどうする?3つのヒント
「割に合わない」と感じたとき、すぐに「辞めるか続けるか」という二択で考える必要はありません。まずは自分の感情や状況を整理し、冷静に判断するための視点を持つことが大切。ここでは、次のアクションのための3つのヒントをご紹介します。
自分の「割に合う」の基準をクリアにする
「割に合わない」という感情は、人によって基準が大きく異なるもの。ある人にとっては金銭的な報酬が最優先である一方、別の人にとってはやりがいや人間関係、成長機会のほうが重要かもしれません。
まずは自分にとって「何が満たされていれば割に合うのか」を明確にすることが第一歩。給与・はたらきがい・職場環境・スキルアップ・ワークライフバランスなど、自分が仕事に求める要素を書き出してみましょう。
その中で優先順位をつけることで、今の職場で何が不足しているのか、逆に何は満たされているのかが見えてきます。自分の価値基準を整理することで、感情的な判断を避けられます。
「割に合わない」と感じる理由を見極める
漠然と「割に合わない」と感じている状態では、具体的な対策が打てません。まずは不満の正体を分解し、改善できる範囲を見極めることが第一歩。
給与面の不満なのか、評価制度の問題なのか、人間関係なのか、成長機会の欠如なのか……要素ごとに整理してみましょう。その上で、「自分の努力で改善できること」と「組織や環境に依存すること」を分けて考えます。
上司とのコミュニケーション不足が原因なら改善の余地がありますが、企業の評価制度そのものに問題がある場合は個人の力では変えられません。このように、問題を具体化することで取るべき行動が明確になります。
周囲と比較しすぎない
SNSや同僚の成功体験を見て、「自分だけが取り残されている」と感じることはありませんか?他人と比較しすぎると、本来は満足していたはずの状況でも不満に感じてしまいます。
中でもSNSは、他人の成功や充実した一面ばかりが目立ちやすく、実態とは異なる印象を受けてしまいがち。
大切なのは、他人の基準ではなく自分自身の価値観で判断すること。「去年の自分と比べてどうか」「自分が本当に求めているものは何か」という視点を持つことで、より冷静に状況を見つめられます。
他人の評価や成功に振り回されず、自分のペースでキャリアを築いていく姿勢を大切に。
見直すべきは「年収」だけじゃない!市場価値という視点
「割に合わない」という感情を整理するための有効な手段のひとつが、自分の市場価値を客観的に知ることです。年収だけに注目するのではなく、自分のスキルや経験が市場でどう評価されるのかを把握することで、あなただけの今後のキャリア戦略が見えてきます。
市場価値と報酬のズレを知ろう
「今の年収は適正?」この問いに答えるには、自分の市場価値を知る必要があります。
同じ職種・同じ経験年数でも、企業や業界によって報酬水準はバラバラ。他社の同職種と比べて自分の報酬がどうなのかを客観的に知ることで、「割に合わない」の正体が見えてきます。
市場価値が高いのに報酬が低い場合、それは交渉や環境変更の余地があるサイン。逆に、市場価値と報酬が見合っている場合は、成長機会や評価制度など別の要素に問題がある可能性があります。
年収査定ツールなどを活用して、自分の立ち位置を確認してみましょう。
今すぐ診断!あなたの市場価値は「今の年収」に見合っている?
今の年収が「割に合わない」と感じるなら、まず客観的な市場価値を知ることがキャリア戦略の第一歩です。あなたの経験年数やスキルは、転職市場でいくらの評価を得られるでしょうか?
dodaの年収査定診断では、あなたのこれまでの経験に基づき、以下の情報を手軽に知ることができます。
- あなたの適正年収
- 今後30年間の年収推移(グラフ付き)
- 年収アップを叶えた方の転職事例
- 適正年収から探せる、今の自分に合った求人情報
この診断で、あなたが損をしている可能性のある年収をチェックできます。たった数分で、あなたの「適正年収」を確認し、自信を持って次のキャリアを検討しましょう。
市場価値を”活かす”キャリアの考え方
市場価値を知る目的は、転職だけではありません。社内での役割の拡大や新しいスキルの習得などを考える指針としても有効です。
たとえば、年収査定で「市場では自分と同じ職種・経験年数でこれくらいの年収が一般的」というデータが分かれば、昇給交渉の際に客観的な根拠として使えます。また、自分の市場価値が今の年収より高いと分かれば、スキルアップへの投資やキャリアチェンジを検討する材料にも。
自分の市場価値を知ることは、今いる環境でどう動くべきかを考える上で絶好の判断材料になるのです。
市場価値を”試す”なら|転職という選択肢も
自分の市場価値が今の職場で正当に評価されていないと感じたら、転職によって環境を変えるのもひとつの選択肢。
ここで重要なのは、「逃げ」ではなく「自分の価値を正しく活かせる場を選ぶ」こと。転職市場での評価を知ることは、自分の成長や市場価値を確認する機会にもなります。
転職活動を通じて他社から内定をもらえば、自分のスキルや経験が市場でどう評価されるのかが明確に。また、転職エージェントに相談することで、自分では気づかなかった強みや可能性を発見できることも。
転職は必ずしもゴールではなく、自分のキャリアを見つめ直すきっかけとして捉えることが大切です。
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「割に合わない」気持ちを”よりよいキャリア”のきっかけに
「割に合わない」という感情は、一見ネガティブに思えますが、実はキャリアを見直す大切なサイン。報酬・評価・成長・はたらきがいなど、何を優先したいのかを整理し、自分の市場価値を客観的に把握することで、次の一歩が明確になります。
「割に合わない」気持ちを放置せず、自分自身と丁寧に対話する時間を持ってみましょう。その時間が、よりよいキャリアを築くターニングポイントになるかもしれません。
参照:Job weeQで「給与」のリアルを募集しました – Job総研プラス
参照:「2023年 人事評価の実態調査」を実施しました – Job総研プラス
参照:Job総研「2023年 人事評価の実態調査」 | JobQ[ジョブキュー]








