2025.08.29
あなたの相談相手はAI?人間?便利さを得る代わりに失うものは何か
迷ったとき、あなたは誰に相談しますか?
職場での業務上の判断、キャリアの選択、あるいは家庭や人間関係の悩み…あなたの相談相手は人間でしょうか、それともAIでしょうか。
近年、相談相手にAIを選ぶ人が急増しています。AIは24時間待機し、膨大な情報から迅速に回答を返してくれるため、忙しい社会人にとって非常に頼れる存在です。
AI vs 人間…今の時代、相談相手はAI派が75%
JobQ Town ココだけの本音で行ったアンケートでは、「AIの方が相談しやすい」と答えた人が75%、「人間の方が相談しやすい」と答えた人が25%でした。
なぜここまでAI派が増えたのか、そして人間を相談相手に選ぶ派が感じる価値は何なのか。社会人のリアルな声から、その理由を探ります。

AIに相談するのは「楽だから」
AIを選ぶ理由はシンプルです。速く、気軽で、安全、つまり色々な意味で「楽だから」。
人間に相談すると、相手の反応や評価を気にしたり、情報が漏れるリスクを考えたりすることへの不安がつきまといます。特に職場での愚痴や人間関係の悩みは、誰に伝わるか分からないため慎重にならざるを得ません。
「人間関係の愚痴まじりの相談を人にすると、誰に漏れるか分からないので危険。AI相手なら気楽に本音をこぼせる」
この意見にうなずく人は多いでしょう。AIなら誰にも聞かれない安心感だけでなく、自分の気持ちに寄り添ってくれ、さらに感情の整理もできます。
さらに、AIは膨大な情報を持ち、業務に関する質問にも迅速に対応してくれます。返答が”今すぐ”に得られるため、壁打ちや仮説の整理なども効率的に行えます。人間に10回相談すると1時間かかることが、AIなら数秒で完了するため、圧倒的な「楽さ」があります。
AIに相談するのは30代が最多
調査結果によると、AIを相談相手に選ぶのは30代が最多でした。
30代といえば、まさに「デジタルとアナログのはざま」を生きてきた世代。子どもの頃は携帯電話はまだ普及しておらず、学生時代にスマホやインターネットが一気に広がっていきました。両方の世界を経験してきたからこそ、新しい技術にも抵抗感が少なく、便利なものは柔軟に取り入れやすいのです。
そして30代は、仕事でもプライベートでも“決断”の連続にさらされる時期。職場では中堅として成果やスピードを求められ、家では結婚や育児といった大きなライフイベントが押し寄せてきます。そんな状況で求められるのは「効率よく」「迷わず」決められること。AIの即答性や情報処理能力は、まさに彼らのニーズにフィットしています。
「とにかく時間が足りない」「正解を早く知りたい」。そう思う瞬間に、AIは一番頼りやすい相手になる。30代がAI相談をもっとも多く活用しているのは、決して偶然ではなく、時代背景と人生のステージがぴたりと重なっているからなのです。

社会人が感じるAIへの相談メリット
なぜ人間よりも相談しやすいのか、実際の社会人の声を元にAIへの相談価値を確認していきます。社会人が感じるAIへの相談メリットは以下3点です。それぞれ、社会人の実際のコメントから確認します。
1.気軽に本音を打ち明けられる安心感
- 人間関係の愚痴まじりの相談を人相手にすると、誰に漏れるか分からないので危険。AI相手なら気楽に本音をぼやける。
- AIの場合、質問のタイミングや質問によってどう相手に受け取られるかなどを考慮しなくともよい
- また質問内容等を整理しておらずともよい等がメリット。
- 相談する内容にもよるとは思うが、例えば昨今の政治についての批判や家族のことで思い悩んでいることなど、なかなか他人に話すことに抵抗がある内容が誰しもあると思います。
- 明確な答えが欲しいわけではなく、ただ吐き出したいだけみたいな内容の話題はAIにぶつけるのが良いと思います。
- 仕事の中での意思決定の相談はこちらの時間に合わせて話せるAIが助かります。人に相談すると義理立てしたりその場の流れで決まってしまいそうな事がAI相手だと客観的な情報を集めて自分で決められるので自分には合っています。
2.知識量と処理速度
- ChatGPT o3が東大理科三類に合格するレベルと聞いて、もうそれに相談すれば完璧な答えが返ってくると思ってる
- 業務に関する相談なら、余程個社事情に踏み込んだ複雑な文脈や意思決定要素がない限りはAIが手っ取り早いです。数秒で回答くれるので、壁打ちの回数こなして仮説を強化していくような用途に向いてます。人相手に10回壁打ちしたら1時間のMTGかメール/slackで1日はかかりそう・・・。
- 人間より知識が豊富。客観的な回答をしてくれそう。また、どんな質問をしても快く聞いてくれる。
3.時間や場所に縛られない
- 相手の時間を奪わないで済む。時間や場所相手の機嫌など考慮せずに相談できるから
便利すぎるAI相談、その裏で起きる問題
現代において、AIになんでも相談したくなる気持ちはわかります。時に人間が感じる「独り」という感覚にAIが寄り添ってくれたとき、どこか安堵を覚える人も多いはずです。
しかし、実際に感情を持たない便利なAIには危険性があります。最大の懸念は「誤った情報を正しいかのように提示する」点です。自然な会話を目指すあまり、自信を持って誤答することも珍しくありません。
また、AIは基本的に使用者を肯定するようにプログラミングされていると言われています。そのため、知らず知らずのうちにあなた自身を肯定する回答ばかりになりがちです。
客観的な意見や反対意見に接する機会が減少し、「AIが言っていたから」という理由で周囲の意見を受け付けなくなる可能性も0ではありません。
AIに頼りすぎれば、あなた自身の考えや意見が出にくくなり、価値観が凝り固まる可能性もあります。「結局人間はAIには負けない」という意見も聞きますが、人間がAIに勝てたとしても、気づいた時に「あなた」がAIに支配されているかもしれません。自分、つまり人間としてのバランス感覚を見失わぬように利用する意識が必要でしょう。
AI時代だからこそ『人に話す』価値が残る
人間に相談する派は25%
AIの進化を認めつつも、「やはり人間がいい」と考える人は4人に1人。
彼らにとって、相談相手に求めるのは効率性よりも感情のやり取りや経験に基づく助言です。
AIがいくら知識を持っていても、人間ならではの感情の機微や状況理解には及びません。
1. 共感力とニュアンスの理解
「共感を得たいなら人間」という声は根強くありますが、AIによる”共感”と、人間だからこそできる”共感”は違います。表情や声色から深刻さや不安を察して、適切な反応を返してくれるのは人間の特徴です。
実際に相談相手に人間を選ぶ社会人の声を見てみます。
- 例にもある通りやはり共感を得たいなら人間だね
- AIはネットの事例を蓄積して回答してくるのでほぼあっていますが、話し手の表情や声のトーンまでは見てくれないので、相談内容の深刻さ等のニュアンスをつかめないです。
2.経験からくる助言
AIは事例やデータを参照できますが、あくまで間接的な知識です。実際に経験してきた人のアドバイスには、説得力や温度感があります。例え、有用な情報を持ってきてくれたとしても、数あるデータの中から持ってきた、あなたに適す可能性のある答えにすぎません。
キャリアの岐路や職場での微妙な人間関係の悩みなど、データだけでは解決できない課題に対しては、人間の経験談が大きな支えとなるでしょう。
- 相談しやすいのはAIでしょうけど、本当に求めている答えを出すのは人間でしょうね。
- AIに相談するにしても引き出したい回答を得るのに、質問(プロンプト)を熟知していないと正確な回答が返ってきません。
- 深刻な相談でなければAIでもアイデア出しなどに使えますが、その他ではやはり人間だと思います。今までの経験値から回答をもらえるので。
- AIの方が相談しやすくはあるけど、GPT-4oとかは自然な会話にしようとするあまり、間違った情報を正しいものであるかのように知ったかぶって答えてくるのはやめてほしい。
3.長期的な信頼関係の価値
AIにはできない、人間同士ならではのコミュニケーションとして「信頼関係」があります。AIのことも信頼できる、との意見もあるかもしれませんが、AIはこちらからの信頼なだけで、AI側からあなたへの信頼があるかは確かめることができません。
人間に相談することで生まれる信頼関係や安心感は、単なる情報交換を超えた価値を持ちます。時には長期的なキャリア形成や精神的な安定に寄与することもあります。
人間に相談するのは50代が最多
調査では、人に相談する派がもっとも多かったのは50代でした。この世代は長い社会人生活の中で、何よりも「人と人との信頼関係の力」を実感してきた世代です。
50代になると、マネジメントや部下の育成といった「人に寄り添う役割」を担うことが増えます。その中で培った経験から、相談ごとは効率よりも「共感」や「信頼」を重視する傾向が強いのです。数字やデータだけではなく、「あの時、自分も同じ経験をしたよ」と言ってくれる一言のほうが、よほど心強い。そんな実感を持っている人が少なくありません。

また、人生やキャリアの節目に立ったときに求められるのも、やはり「人の温度感」です。「理解してもらいたい」「同じ苦労をわかち合いたい」という気持ちは、どれだけAIが進化しても機械には埋められない部分でしょう。
さらに背景として、この世代の多くは社会人生活の大半を「AIのない時代」に過ごしてきました。相談といえば対面での会話や電話が当たり前で、AIに本音を話すことに抵抗を覚える人もまだまだ多いのです。
つまり50代にとって相談とは、効率化ではなく「人との関係性そのもの」。だからこそ、AI全盛の時代にあってもなお「やっぱり人に話したい」という選択が根強く残っているのです。
AI相談が増えるとどうなる?見えない副作用とは
AI相談が社会に浸透すれば、意思決定はどんどん効率化されます。迷う時間は減り、ストレスは軽くなり、浮いた時間を別のことに使える。これは大きなメリットです。
ですが、その裏でじわじわと失われていくものがあるかもしれません。
まず心配されるのは、職場での「雑談や立ち話の価値」です。ほんのちょっとした相談や愚痴から、新しいアイデアが生まれたり、同僚同士の距離が縮まったりすることってありますよね。AIに直接聞けば早いけれど、その分、偶発的なやり取りは減ってしまう。効率と引き換えに、職場の空気や文化が薄くなるリスクがあります。
次に見過ごせないのが、若手の育成機会です。本来なら「先輩に聞く」「上司に相談する」というプロセスの中で、経験やノウハウが受け継がれてきました。でも、AIに頼ることが当たり前になれば、人から学ぶ機会が減り、世代間のギャップやコミュニケーション不足が広がるかもしれません。
そしてもう一つは「思考の幅」の問題です。AIは便利ですが、どうしても過去のデータや傾向に基づいた答えになりやすい。気づかないうちに「AIがそう言うなら…」と考えるのをやめてしまう危険があります。それは、自分なりの価値観や独自の発想が育ちにくくなることを意味します。
つまり、AI相談の普及は効率化と引き換えに、「人間関係」「学び」「多様な思考」といった大事な要素を削ぎ落としてしまう可能性があるのです。だからこそ今こそ問われるのは、便利さに流されず、どこまでAIに任せ、どこから人に頼るのか。その線引きをどうするか、一人ひとりが考えることなのです。
相談相手は「AIか人間か」という問題ではない
今回の調査から見えてきたのは、「AIか人間か、どっちを選ぶべきか」という単純な二択の時代ではない、ということです。むしろ大事なのは、相談の内容や目的に応じて柔軟に切り替えること。
たとえば、仕事の方向性を決めるために情報を整理したいとき。こういう場面ではAIのスピードと客観性が圧倒的に便利です。大量の資料や過去の事例を一気にかき集めて、短時間で選択肢を出してくれるのは人間には難しいでしょう。しかも、会議前のちょっとした時間や移動中でもすぐ使える。効率重視のシーンでは、AIが頼れる相棒になります。
一方で、人間関係のもつれやキャリアの岐路に立ったとき。ここはやっぱり人に相談する方が安心です。相手が自分の背景や気持ちを理解しながら話を聞いてくれることで、ただ情報を整理するだけでなく、心まで整理されていく。これはAIにはまだ真似できない部分でしょう。
つまり、「AIに相談するのは悪い」「人間だけが正しい」という話ではありません。大事なのは、「今この相談で自分が本当に求めているものは何か」を見極めること。冷静な判断材料が欲しいのか、それとも共感や励ましが欲しいのか。目的が明確になれば、おのずと最適な相談相手は見えてきます。
これから社会人に求められるのは、AIと人間をうまく使い分ける感覚です。AIの効率性を武器にしつつ、人とのつながりから生まれる深みや安心感も大切にする。そのバランスを持てるかどうかが、日々の意思決定や人間関係をより豊かにしていくカギになるはずです。
実は…
今回はAIがトピックということで、実はAIと自分の文章を織り交ぜて書いてみました。
AIの文章が混ざっていることに、人間は気づくのでしょうか。(おそらく私は気づきません)









