2025.08.28

ため息ハラスメントとは?解決に向けた具体策をわかりやすく解説

職場の同僚や上長がつく大きなため息に、ひとりで悩んでいませんか。ため息でストレスを感じている場合、ハラスメントを受けている可能性があります。

この記事では、なぜため息がハラスメントになるのかと、自分を守るための対処法を解説しています。

ため息はハラスメントになる?

上長や同僚からため息が聞こえてくるたびに、不安になったり仕事への集中力を削がれたりする人も多いかもしれません。ため息による不快感は、気にしすぎではなく、相手に威圧感を与えるハラスメントの一種になり得ます。

ここでは、ため息はハラスメントになり得ることや、ため息以外の不機嫌ハラスメント(フキハラ)について解説します。

ため息は不機嫌ハラスメントの一種

職場で特定の人に向けて繰り返されるため息は、意図的か無意識かに関わらず、不機嫌ハラスメント(フキハラ)と呼ばれる行為に該当する可能性があります。

不機嫌ハラスメントとは、自分の不機嫌な感情を態度で示し、相手や周囲に精神的な苦痛や圧力を与える行為の総称です。言葉や暴力を伴わない精神的な嫌がらせである、モラルハラスメント(モラハラ)の一種として位置づけられています。

Job総研の「2025年 ハラスメント実態調査 〜被害・職場対策編〜」によると、職場で受けるハラスメントの約3割がモラルハラスメントという結果が得られています。

ため息によって労働者の就業環境が著しく害される場合、パワーハラスメントを防止するための措置を義務付けている労働施策総合推進法にも反する可能性があるでしょう。

出典:e-Gov法定検索|労働施策総合推進法

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ため息以外の不機嫌ハラスメント(フキハラ)の具体例

不機嫌ハラスメントは、ため息という行為だけに限りません。ため息以外の不機嫌ハラスメントになり得る行為は、以下のとおりです。

  • 特定の人に対して不機嫌になる
  • 無視をする
  • 舌打ちをする
  • 無言の圧力をかける

Job総研の「2025年 ハラスメント実態調査 〜被害・職場対策編〜」によると、15.4%の人が意図的な無視を受けていることがわかっており、不機嫌ハラスメントの被害は少なくありません。不機嫌ハラスメントは被害者だけでなく、周囲の同僚にも緊張感とストレスを与え、職場全体のコミュニケーションを停滞させます。

もし上長や同僚にハラスメント行為が見られるのであれば、見過ごしてはならない問題行為であると認識することが重要です。

職場でため息ハラスメントが発生する理由

なぜ上長や同僚がため息という形で不機嫌さを表してしまうのかを、背景にある心理を3つの側面から解説します。

  • ストレスや体調不良で感情的になっている
  • 自己評価が低い
  • 周囲の人に構ってほしい

相手の心理状態を知ることは、冷静な対処法を考えるための助けになります。

ストレスや体調不良で感情的になっている

ため息は、必ずしも個人への悪意から発せられているとは限りません。背景には、相手自身が抱える深刻なストレスや体調不良が隠れている可能性があります。

過度な仕事のプレッシャーや睡眠不足などによって精神的な余裕がなくなると、感情をうまくコントロールできなくなり、不機嫌さが態度に出てしまいがちです。特にため息は、ストレスや疲労がたまると、無意識のうちに表れることもあります。

意図的に攻撃しているのではなく、本人も気づかぬうちに溜まった疲労やストレスが、ため息という形で漏れ出している状態といえるでしょう。

自己評価が低い

自己評価の低さは、日常的にネガティブな感情を引き起こしやすく、無意識のうちにため息として現れることがあります。

たとえば、専門的な質問をされたり自分の知らない情報を報告されたりした際に、即座に的確な判断ができない不安から、返答の代わりにため息をついてしまうケースです。

このような場合のため息は、自分の権威を守るための時間稼ぎや、相手を威圧して話を終わらせようとする防衛的な行為である可能性があります。

自身に顕在する内面的な恐怖が、ため息という形で表出することも珍しくありません。ため息が自己評価の低さから来る可能性を知っておくと、個人的な攻撃と受け止めずに済むでしょう。

周囲の人に構ってほしい

ため息を頻繁につく行為は、周囲の人々に対して自分の感情をアピールしている可能性も考えられます。

自分の大変さや不満を言葉ではなく、ため息というわかりやすいサインを使って、周囲からの同情や関心を引き出そうとするコミュニケーションの一環
です。

構ってほしいために発せられるため息は、自分の感情をコントロールし、他者と成熟した関係を築くのが苦手なことの裏返しともいえるでしょう。

意図が透けて見えるため息に過剰に反応すると、相手の行動を助長させてしまうおそれもあるため、冷静な見極めと対応が求められます。

ため息ハラスメントが周囲に与える影響

たかがため息と軽視されがちな行為が、個人のストレス問題に留まらず、チームや会社全体に与える影響について解説します。

  • 仕事の生産性が落ちる
  • 職場の雰囲気が悪化する
  • 離職率が高くなる

ため息に関する悩みが個人的なものではなく、組織全体で向き合うべき重要な問題であることを理解しておきましょう。

仕事の生産性が落ちる

職場でひとりの人間がため息をつき続けることは、チーム全体の仕事の生産性を著しく低下させるおそれがあります。ため息が聞こえるたびに、周囲の人は不安になり、本来の業務とは関係のないところで余計な神経と労力を使うことになります

特に上長がため息をつく人であった場合、部下は質問や報告、相談をためらうようになるでしょう。結果として業務に必要なコミュニケーションが滞り、情報の共有が遅れて業務上のミスや手戻りを引き起こす原因にもなりかねません。

また、常に上長の機嫌をうかがうことが当たり前になると、失敗をおそれて新しいアイデアの提案や挑戦的な業務を避けるようになり、創造性や成長の機会も失われてしまいます。

職場の雰囲気が悪化する

ため息ハラスメントが常態化すると、不機嫌な感情が職場全体に広がり、全体の雰囲気を悪化させてしまいます。特定の誰かが常にイライラした態度を示していると、顔色をうかがうことが当たり前になり、誰もが窮屈な思いをすることになるでしょう。

窮屈な環境では、社員一人ひとりが心理的な安全性を感じられず、自由な発言や活発な意見交換は期待できません。業務上の相談はもちろん、何気ない雑談さえもはばかられるようになり、職場から次第に活気が失われてしまいかねません。

離職率が高くなる

ため息ハラスメントが常態化すると、悪化した職場の雰囲気に耐えかねて、優秀な社員が離職してしまう可能性があります。継続的なストレスは、メンタルヘルス不調を引き起こす直接的な原因となり得るためです。

離職率の高さや職場の悪い評判は、やがて外部にも広まります。その結果、企業の採用活動にも深刻な影響を及ぼして新たな人材を確保することが困難になるという、企業全体にとって大きなマイナスの状況を招きます。

ため息ハラスメントの放置は今いる社員を失うだけでなく、企業の未来を担う人材を得る機会さえも奪う可能性があるため、早急な対策が必要です。

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ため息ハラスメントに悩んだ場合の対処法

ため息ハラスメントによる状況から抜け出すための、具体的な3つの対処法を解説します。

  • 上長や人事部など第三者に相談する
  • 加害者との距離を取る
  • ため息ハラスメントを受けた記録を取る

大切なのは、決してひとりで抱え込まず、自分自身の心とキャリアを守るために行動を起こすことです。Job総研の「2025年 ハラスメント実態調査 〜被害・職場対策編〜」によると、多くの企業でハラスメント防止策が実施されています。

自社で実施されている防止策を考慮したうえで、現在の置かれた状況や心境に合わせて対処してみましょう。

上長や人事部など第三者に相談する

職場でため息ハラスメントを受けていると感じたら、ひとりで抱え込まず、信頼できる第三者へ相談しましょう。ハラスメントは個人の受け取り方の問題ではなく、会社が従業員の安全と健康に配慮し、対処すべき組織の問題です。

勇気を出して相談することで、客観的なアドバイスを得られるだけでなく、問題を見える化でき、会社としての対応を促すきっかけにもなります。相談先としては、加害者とは別部署の信頼できる上長や先輩などが考えられます。

相談する際は、感情的に訴えるだけでなく、記録をもとに事実を整理して話すことが、問題を正確に理解してもらううえで有効です。誰かに話すだけでも、心の重荷を軽くできるでしょう。

加害者との距離を取る

ハラスメント問題の根本的な解決には時間がかかる場合もあります。自分の心と体を守るためにも、加害者と意識的に距離を取ることを意識しましょう。

加害者と接する機会を減らすことで、ストレスの原因を物理的に遠ざけ、精神的な負担を軽減できます。

業務連絡は対面を避けてメールや社内チャットを活用したり、休憩時間をずらして顔を合わせる機会を減らしたりするなどの工夫が考えられます。さらに、必要以上に関わらないようにすることも大切です。

なるべくプライベートな話はせず、冷静に事務的な態度で接することを心がけましょう。可能であれば、上長や人事に相談し、オフィスの座席変更を願い出るのも方法のひとつです。

問題から逃げることではなく、自分を守り、冷静に次の対策を考えるための時間と心の余裕を確保する行動と考えましょう。

ため息ハラスメントを受けた記録を取る

ため息ハラスメントの事実を客観的に証明する記録は、自身を守り、問題を解決に導く強力な武器になります。第三者に相談する際、主観的な訴えだけでは、軽く扱われてしまう可能性があります。

しかし、「いつ」「どこで」「どのような」ハラスメントを受けたかを記録しておくと、ハラスメントの継続性や悪質性を示す客観的な証拠として効果的にはたらくでしょう。

記録する際は、手帳やスマートフォンのメモアプリを活用し、できるだけ毎日具体的に書き留めてください。

関連するメールの保存や、可能であればボイスレコーダーでの録音も有効です。地道に記録をつけることで、円滑に相談を進められるでしょう。

ため息ハラスメントの相談窓口

ため息ハラスメントを受けている場合の主な相談先は以下の3つです。

  • 上長や人事部
  • ハラスメント相談窓口
  • 外部機関

ひとりで抱え込まずに専門家の力を借りることは、問題解決がしやすくなります。それぞれの役割や特徴を知り、状況に合った相談先を見つけてください。

上長や人事部

職場でため息ハラスメントが発生している場合、まずは上長や会社の人事部に相談しましょう。ため息をつく加害者が直属の上長である場合は、さらに上の役職の上長に相談するとよいでしょう。自分と加害者との関係性を客観的に見て、公正な判断を下してくれる可能性があります。

また、人事部は従業員の労働環境を管理する部署であるため、中立的な立場で話を聞き、会社としての対応を検討してくれることが期待できます。

ただし、相談する相手は慎重に選ぶことも重要です。相談相手が加害者と親しい場合や、ハラスメントへの理解が浅い可能性も考慮し、信頼できる人物かを見極めましょう

ハラスメント相談窓口

会社に従業員のためのハラスメント相談窓口が設置されている場合は、積極的に活用しましょう。

ハラスメント窓口は、ハラスメント問題に対応するための専門知識を持った担当者が配置されており、プライバシーが守られた環境で安心して相談できます。

相談する際は、具体的に話すことで、より適切なアドバイスや効果が得られます。事前に用意した記録などを見せながら、行為によって業務にどのような支障が出ているのか、精神的にどれほどの苦痛を感じているのかを客観的に説明しましょう。

具体性を持って説明すると、担当者は問題の深刻度を正確に把握でき、適切な対応を検討しやすくなります。守秘義務は厳守されるため、相談したことが本人の許可なく第三者に伝わることはありません。安心して相談できるのが特徴です。

外部機関

社内の相談だけで状況が改善されない場合は、会社から独立した中立的な外部機関を頼る方法がおすすめです。気軽に相談できる窓口として、全国の労働局に設置されている総合労働相談コーナーがあります。

予約不要・無料で専門の相談員がハラスメントに関するアドバイスや、会社へのはたらきかけの方法を教えてくれます。

会社に対する慰謝料の請求や労働審判など、より踏み込んだ法的な対応を検討する場合は、法テラスなどを通じて弁護士に相談する方法もあります。

また、継続的なハラスメントで精神的にダメージを受けている場合は、無理をせず、専門のカウンセラーへの相談を検討しましょう

まとめ

職場で繰り返されるため息は、不機嫌ハラスメントに該当する可能性があります。ハラスメントを受けている場合は、ひとりで抱え込まず、自分を守るために行動をしましょう。

まずは、具体的な記録を取り、加害者と距離を置くことで心を守りましょう。信頼できる上長や人事部、外部機関への相談も効果的です。正しい知識と対処法により、穏やかな職場環境を取り戻せる可能性があるため、適切な対応を心がけましょう。

出典:Job総研の「2025年 ハラスメント実態調査 〜被害・職場対策編〜」

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