2026.04.1

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「仕事と育児の両立」みんなはどうしてる?しんどい理由と続けるコツ・使える制度まで解説

「仕事と育児の両立がしんどい」そう感じながらも、毎日仕事と家庭を行き来している人は多いのではないでしょうか。共働き世帯が全体の7割超を占める今、両立への悩みは一部の家庭だけの問題ではありません。なぜしんどいのか、どうすれば続けられるのか。調査データをもとにひも解きます。

仕事と育児の両立に悩む人が急増?共働き世帯の実情

共働き世帯と専業主婦世帯の数を比べると、その差は歴然。総務省の労働力調査(2025年平均)によると、共働き世帯数が1,333万世帯なのに対し、専業主婦世帯は476万世帯。約74%が共働き世帯との結果になりました。つまり、4世帯のうち約3世帯は、夫婦ともに仕事を持つ時代です。

こうした社会背景のなか、育児との両立に悩む声も後を絶ちません。

Job総研が実施した「2022年 女性のワークライフ実態調査」では、「子育てと仕事の両立について不安がある」と回答した人が78.5%にのぼりました。8割近くが何らかの不安を抱えており、多くのはたらく家庭にとってリアルな課題となっていることがわかります。

参照:統計局ホームページ/労働力調査

仕事と育児の両立が「しんどい」と感じる3つの理由

仕事と育児の両立がしんどいと感じるのには、いくつかの共通した理由があります。ここでは、代表的な3つの理由を解説します。

家事・育児の負担が偏りやすいから

共働きであっても、家事や育児の負担は一方に集中しやすい実態があります。

Job総研の「2025年 共働き意識調査」によると、男性が多く家事育児を担うことに対し「違和感がある」派は69.4%にのぼる一方、女性が多く担うことを「仕方ない」と受け止める人は56.6%と過半数を占めました。

また、「共働きで家事や育児は女性が多く担う」という考えへの印象では、「理想的でないが実際に多い」が39.1%でトップ。「おかしいとはわかっていても、現実はそうなっている」という複雑な本音が見えてきます。

子どもが小さい時期はとくに育児の時間が増えやすく、どちらかへの負担の偏りが両立の難しさに直結します。

子どもの体調不良など、突発的な対応が必要になるから

保育園や幼稚園に子どもを預けていても、急な発熱や体調不良で呼び出しが来ることは珍しくありません。

「お迎えをお願いします」という連絡が入れば、予定していた業務は即時中断。仕方がないことと理解してはいても、そのたびに職場への申し訳なさや仕事への影響を心配する気持ちが積み重なっていきます。

子どもの病気は季節によって集中しやすく、入園後しばらくは体調を崩す頻度も高くなりがち。突発的な対応が続くと、「今日は大丈夫だろうか」という漠然とした不安が日常的になり、精神的に消耗してしまうことも。

予測できないことへの対処が繰り返されること自体が、両立のしんどさのひとつといえます。

時間の余裕がなくなり心身の負担が大きくなるから

仕事・送迎・食事の準備・入浴・寝かしつけ……。子どもがいる共働き家庭の1日は、タスクが朝から晩まで途切れなく続きます。

それぞれは決して大きな作業ではなくても、積み重なると物理的に自分の時間はほとんど持てません。ゆっくり休む時間も、趣味の時間も後回しになり、気づけば疲れとストレスが蓄積された状態に。

「やらなければ」という義務感だけで動いていると、どんなに頑張っても充実感を得にくくなります。仕事でも家庭でも常に全力を求められる状況が続けば、「しんどい」と感じてしまうのも無理はありません。

両立がしんどいと感じる背景には、こうした「余白のなさ」も深く関わっているのです。

それでも仕事と育児を両立するのはなぜ?

「しんどい」と感じながらも、多くの人が仕事と育児の両立を選び続けています。その背景にあるのは、両立することで得られるさまざまなメリット。大変さと向き合いながらも続ける理由を、3つの視点から解説します。

世帯収入が安定するから

共働きによる最も直接的なメリットとして、まず挙げられるのが「世帯収入の安定」。

子どもの教育費や習い事、住宅ローン、老後の備えなど、人生の各ステージで必要になるお金は決して小さくありません。その点、収入源が2つあることで、どちらか一方の収入が減った局面でも家計への影響は最小限に。

経済的な余裕は精神的な安定にも直結します。将来の見通しが立てやすくなることで、仕事と育児の忙しさのなかにも「続けてよかった」と感じられる瞬間が生まれることも。

子どもに「やりたいことをやらせてあげられる」という安心感も、両立を続ける力になります。

キャリアを継続できるから

育児を理由に仕事を離れると、キャリアの空白が再就職やキャリアアップの障壁になってしまいがち。仕事を続けることで、スキルや経験を積み重ねながら社会人としての市場価値を維持し続けられます。

とくに専門性の高い職種や、長年培ってきた人脈・ノウハウが重要な職場では、離職によるダメージも大きくなりやすいのが実情。

一方、大変な時期を乗り越えながらはたらき続けた経験は、育児が落ち着いたあとのキャリアの幅にも好影響をもたらします。「今は踏ん張りどき」と意識しながら両立を続けることが、長期的なキャリア形成につながります。

社会とのつながりを保てるから

育児期は、子どもや家庭のことに集中するあまり、社会から切り離されたような感覚に陥りやすい時期でもあります。

この時期に仕事を続けることは、社会とつながり続けるうえで大きな助けになります。

また、「今日、仕事でこんなことがあった」「うまくいった」という小さな経験の積み重ねが、自信や充実感につながることも。

育児だけに集中する生活とは異なる刺激は、気持ちのリフレッシュや視野の広がりに欠かせません。仕事と育児、どちらも自分の生活の一部として持ち続けることで、長期的な心の安定を得ることができるのです。

どう考える?父親の仕事と育児の両立

「仕事と育児の両立」は、母親だけの課題ではありません。父親がどう関わるかによって、家庭全体の負担のバランスは大きく変わります。パートナーに何を期待するのか、どう分担するのか。Job総研の調査データをもとに考えます。

約7割の女性が「パートナーには家庭優先を希望」

Job総研の「2022年 女性のワークライフ実態調査」では、全国の20〜50代女性158人を対象に、パートナーに求める仕事と家庭の優先度を尋ねました。

結果を見ると、「家庭を優先してほしい」と「どちらかといえば家庭を優先してほしい」を合わせた「家庭優先希望派」が69.8%。約7割の女性が「パートナーには仕事よりも家庭を優先してほしい」と考えていることが明らかに

この結果は、仕事と育児の両立がしんどいと感じる背景とも重なります。

自分自身が仕事と家庭の間で綱渡りのような毎日を送っているからこそ、パートナーにはもう少し家庭側に比重を置いてほしい、という本音が表れているのかもしれません。

収入差で家事育児分担を変えるのはアリ?

前述の「2025年 共働き意識調査」では、「収入差で共働き生活の家事育児分担を変えること」への賛否も聞いています。

賛成派は全体の60.2%と過半数を占めましたが、男女別では男性が64.9%、女性が51.6%と、10ポイント以上の差が生じました。

賛成派の最多理由は「稼ぐ方が仕事に集中した方がいい」(47.7%)。一方、反対派の最多理由は「責任は収入に関係なく共有すべき」(49.4%)でした。

収入の多い方が仕事に集中し、少ない方が家庭を支えるという分担は一見合理的に映りますが、それが「収入の少ない方が家事育児をやって当然」という固定化につながりかねないという懸念も見え隠れしています。

男性の育児参加が家庭と仕事に与える影響

父親が育児に積極的に関わることで、家庭内の変化はさまざまな面に及びます。

まず、これまで一方に集中していた家事・育児の負担が分散されることで、パートナーの心身に余裕が生まれやすくなります。余裕ができれば仕事への集中度も高まり、キャリアの継続にもプラスにはたらくでしょう。

育児に関わることは、父親自身にとっても子どもとの絆を深める貴重な機会。子どもの成長を間近で感じることで、仕事だけでは得られない充実感を味わえることもあります。

さらに、お互いの大変さを実感として理解し合えることで家庭内のコミュニケーションも円滑になりやすく、夫婦関係が安定する可能性も。

仕事と育児の両立を「個人の問題」ではなく「家族全体の課題」として向き合うことが、安定した両立の基盤になります。

仕事と育児を両立するためのコツ

「しんどい」と感じながらも両立を続けるためには、日々の工夫の積み重ねが大切。ここでは、頑張りすぎないための工夫を3つ紹介します。

家事・育児の分担を見直す

夫婦で家事・育児の役割分担を定期的に話し合うことは、両立を続けるうえで非常に重要です。

「なんとなく」「やれる方がやる」という曖昧な状態が続くと、気づかないうちに一方に負担が偏ってしまいがち。

まずは現状を可視化することから始めてみましょう。平日・休日それぞれのタスクを書き出し、「誰が何をやっているか」を夫婦で共有するだけでも、見えていなかった負担の偏りに気づくきっかけになります。

分担を固定しすぎず、仕事の繁忙期や子どもの体調に合わせ、こまめに調整する柔軟さも大切。話し合いの場を定期的に設けることで、お互いの不満が蓄積する前に解消しやすくなります。

家事の効率化や外部サービスを活用する

限られた時間の中で家事の質を保つなら、道具やサービスの力を借りることも効果的な選択肢。

お掃除ロボットや食洗機、乾燥機能付きの洗濯機など、いわゆる「時短家電」は初期投資こそかかりますが、毎日の家事にかける時間を大幅に削減できます。

また、食材宅配サービスを活用すれば、献立の手間や買い物の時間も大幅なカットが可能。家事代行サービスで掃除や料理の一部をアウトソースするという選択肢もあります。

「自分でやらなければ」という思い込みを手放し、使えるサービスや道具を積極的に取り入れてみましょう。完璧にこなすことよりも、無理なく続けられる環境を整えることが優先です。

完璧を目指さない

仕事でも家庭でも「完璧にこなさなければ」という意識は、知らず知らずのうちに大きなプレッシャーになるもの。

日常は理想通りには進みません。料理が手抜きになることも、仕事で思うように成果が出ないことも、あって当然。すべてを完璧にこなし続けることは現実的に難しい、と認めることがまず大切です。

おすすめは、タスクに優先順位をつけ、「今日はここまででOK」と意識的に線を引くこと。「80点で十分」という発想で取り組むことが、疲弊せずに両立を継続する秘訣です。

子どもに笑顔で向き合うためにも、何よりもまず親自身が余裕を持てる状態でいることを考えましょう。

「はたらき方を見直す」選択肢も

「しんどい」が続くなら、今のはたらき方そのものを見直すことも一つの選択肢です。詳しく見ていきましょう。

テレワークや柔軟なはたらき方を活用する

職場にリモートワークやフレックスタイム制、時差出勤などの制度が整備されているのなら、ぜひ活用してみましょう。

柔軟なはたらき方ができれば、育児との両立がぐっとしやすくなります。通勤時間がなくなるだけでも朝の送迎に余裕が生まれ、子どもの急な体調不良にも対応しやすくなるでしょう。

一方で、現在の職場にこうした制度があるにもかかわらず、活用できていないケースも少なくありません。「申請しにくい雰囲気がある」と感じている場合は、まず就業規則や制度の内容を確認し、上司や人事担当者に相談してみるのがおすすめ。

仕事と育児の両立には、はたらく環境を自分の生活リズムに合わせていくことが大切です。

転職を検討する

今のはたらき方が家庭の状況とどうしても噛み合わないと感じているなら、転職という選択肢も一度真剣に検討してみましょう。

育児との両立を優先するなら、「時短勤務は何歳まで使えるか」「子の看護休暇の取得実績はあるか」といった視点を求人選びの軸に加えることが大切。条件面だけでなく、職場の文化や雰囲気が育児中の社員に対して実際にどうなのかも、できる範囲で確認しておきたいところです。

「子育て中だから転職は難しい」と思いがちですが、ライフスタイルを優先した転職を後押しする環境は年々整ってきています。まずは自分の市場価値や今の職場への不満を整理することから始めてみるのがおすすめです。

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仕事と育児の両立を支える制度

仕事と育児の両立をサポートするために、法律によって定められた制度がいくつかあります。「制度があることは知っているけれど、詳しくはわからない」という人も、ここで改めて確認しておきましょう。

育児休業制度

育児休業は、一定の条件を満たす労働者が子どもの1歳の誕生日を迎えるまで取得できる制度です。

保育所に入所できないなどの事情があれば、最長2歳まで延長も可能。2022年には「産後パパ育休(出生時育児休業)」が創設され、父親は子どもの出生後8週間以内に最大4週間、通常の育児休業とは別に休業を取得できるようになりました。

また2025年10月からは、妊娠・出産の申出時など子が3歳になるまでの節目に、事業主が労働者一人ひとりの両立に関する意向を個別に確認することが義務化されています。

育児休業は男女ともに取得できる制度。詳細や取得条件は、厚生労働省の特設サイトや勤務先の人事担当者に確認してみましょう。

短時間勤務制度

企業には、3歳未満の子どもを養育する労働者を対象に、短時間勤務制度を設ける義務があります。

原則として1日の所定労働時間を6時間とする措置が求められており、育児期にはたらく時間を短縮できる制度です。

さらに2025年10月からは、3歳以上小学校就学前の子を持つ労働者に対しても、テレワークや時短勤務、フレックスタイム制などの措置を事業主が複数用意し、労働者がそこから選択できる仕組みが義務化されました。

子どもの成長に合わせて、より長い期間にわたって柔軟なはたらき方が選べる環境が整ってきています。自社にどのような制度があるか、就業規則や人事担当者に確認してみましょう。

子の看護休暇

2025年4月の法改正により、「子の看護休暇」は「子の看護等休暇」へと名称が変わり、内容も大幅に拡充されました。

対象となる子の範囲がこれまでの「小学校就学前」から「小学校3年生修了まで」に拡大され、取得できる理由も広がっています。病気やけがへの対応はもちろん、感染症に伴う学級閉鎖や、入学式・卒園式への参加も取得理由として認められるようになりました。

1日単位だけでなく時間単位での取得もできるため、「午前中だけ病院に連れて行く」といった柔軟な使い方も可能。法律で定められた権利として、必要なときには遠慮なく活用を検討しましょう。

仕事と育児の両立は工夫と環境づくりが大切

「仕事と育児の両立はしんどい」という実感は、多くのはたらく家庭に共通するもの。

とはいえ、家庭内の役割分担の見直しや制度の積極的な活用、はたらき方そのものを変えるといった工夫をすることで日々の負担を減らし、長く続けやすい環境を整えることは十分に可能です。

完璧な両立を目指すのではなく、自分や家族の状況に合ったやり方を少しずつ見つけていくことが、仕事と育児を無理なく両立するための近道。「しんどい」と感じる気持ちにフタをせず、何かひとつ、変えてみるところから始めてみましょう。

参照:統計局ホームページ/労働力調査
参照:2022年 女性のワークライフ実態調査を実施しました – Job総研プラス
参照:Job総研『2025年 共働き意識調査』を実施しました – Job総研プラス
参照:育児休業制度特設サイト|厚生労働省
参照:育児休業|育児休業制度特設サイト|厚生労働省
参照:産後パパ育休|育児休業制度特設サイト|厚生労働省
参照:短時間勤務等の措置|育児休業制度特設サイト|厚生労働省
参照:子の看護等休暇|育児休業制度特設サイト|厚生労働省

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