2025.08.15

職場いじめの乗り越え方とは?相談先から転職まで具体的な解決策を紹介

職場でいじめに直面したとき、どう対処すればよいのでしょうか。すぐに状況を変えるのは難しいかもしれませんが、正しい知識と手順を知ることで、少しずつ前に進んでいくはずです。この記事では、職場いじめの現状や相談先、具体的な対処法について紹介します。

職場いじめの解決は難しい?

職場いじめは、はたらいている人にとっては深刻な問題です。職場いじめに立ち向かうためにも、まずは職場いじめの現状について知ることから始めてみましょう。

6割以上が解決していない

Job総研が2023年に実施した職場いじめの実態調査によると、職場いじめの被害を受けた人のうち、実に6割以上が「解決していない」という状況にあることがわかりました。

「解決した」と回答しているのは26.3%、「解決に向けて動いている」が11.9%となっています。

深刻なのは、「職場イジメをきっかけに転職をした」と回答した割合が28.6%にものぼっていることです。

またJobQ総研の同調査では、職場いじめの相談・目撃・噂を聞いた経験があると回答した人のうち、52.2%が「何もできなかった・何もしなかった」と回答しています。

調査結果からも、職場いじめの解決は容易でないことがうかがえます。

だからこそ、適切な対処法を知っておく必要があります。一人で抱え込まず、さまざまな選択肢があることを理解していきましょう。

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上司・人事への相談で職場内解決を目指す方法

職場いじめに遭遇してしまったとき、解決方法はいくつかあります。その中でも、行動しやすいのが「上司・人事に相談する」ことです。

適切な準備と手順を踏んで相談すれば、改善が期待できる可能性は高いでしょう。

ここでは、どのように行動に移すべきかを解説します。

相談前に準備しておくべき証拠と記録

相談をうまく進めるためには、しっかりとした準備が欠かせません。つらい状況で気持ちが不安定になっているときこそ、冷静に事実を整理しておくことが大切になります。

最も重要なのは、いじめの内容を詳しく記録しておくことです。いつ、どこで、誰から、どんなことをされたのかを細かくメモに残しましょう。日付や時間もできるだけ正確に書いておくことがポイントです。

証拠として役立つものは次のようなものです。

  • メールやチャットでのやり取りをスクリーンショットで保存
  • 音声や動画での記録(録音・録画が法的に問題ない場合)
  • 同僚など第三者が見ていた場合の証言
  • 体調に影響が出た場合の診断書

記録するときは、自分の感情ではなく起きた事実だけを書くように心がけましょう。また、いじめのせいで仕事に影響が出ている場合も、しっかりと記録しておきます。体調を崩して休んだ日数や、仕事の効率が低下した事実なども、被害を裏付ける重要な証拠となります。

上司への効果的な相談手順とポイント

相談の際は、あらかじめ上司にアポイントを取り、落ち着いて話せる環境を整えてもらいましょう。「ご相談したいことがあります」と伝え、静かな環境と十分な時間を確保してもらうことが大切です。

相談時のポイントは以下の通りです。

  • 準備しておいた記録や証拠を整理し、必要に応じて提示する
  • 感情的にならず、冷静に事実を伝える
  • どのような改善を望んでいるか、具体的な意図を示す
  • 相談内容の秘密保持について、確認・依頼する

話を進める際は、まず現状をできるだけ客観的に説明しましょう。あわせて、それによって自身の業務や精神面にどのような影響が生じているかを伝えます。その上で、職場環境の改善を求めていることを明確に伝えることが大切です。

人事・社内相談窓口の活用法と期待できる改善策

多くの企業では、ハラスメント相談窓口や人事部において、相談対応の体制が整備されています。これらの制度を有効に活用することで、個人で抱え込まず、組織としての対応が期待できます。

相談の前に、各相談先でどのようなサポートが得られるのか、法的なアドバイスや対策も提供してもらえるかなど確認しておくとよいでしょう。企業によって対応方法や支援内容が異なるため、事前の情報収集が重要です。

人事部や相談窓口では、以下のような対応が期待できます。

  • 加害者への注意喚起や指導
  • 被害者と加害者の部署異動や配置転換
  • 職場環境の改善に向けた施策の実施
  • 再発防止のための研修実施
  • 被害者への心理的サポート

多くの企業では、相談者のプライバシー保護に配慮した対応を行っています。匿名での相談が可能な場合もあるため、まずは制度について詳しく確認してみることをおすすめします。

個人でできる対策

職場いじめの解決には周囲のサポートを得ることも大切ですが、自分自身でもできる対策を取るのも重要です。自分の心と体を守るために、少しでも状況を改善する手段を考えてみましょう。

毅然とした態度で拒絶する

相手の不適切な言動に対しては、「やめてください」とはっきり伝えましょう。あいまいな態度や遠慮は逆効果になることもあるため、きっぱりとした態度を見せることが重要です。

可能であれば、周囲にも周りの人にも聞こえるような声で伝えるのが効果的です。第三者が状況を把握しやすくなり、後に証言を得られる可能性が高まります。また、いじめの抑制効果も期待できます。

もし直接言い返すことが難しい場合でも、態度だけは毅然としていることが大切です。感情的になったり仕返しをしたりするのは、相手を刺激して状況を悪化させる恐れがあります。

転職を検討する

Job総研の調査でも、3割近くの人がいじめの解決策として転職を選んでいます。

転職を考えるときのポイントは以下の通りです。

  • 今の状況がよくなる可能性があるかを冷静に考える
  • 転職市場で自分がどれくらい評価されるかを客観的に見る
  • 転職先でも同じような問題が起きないよう、会社についてしっかり調べる
  • 今の会社にいながら転職活動を進めて、お金の心配を少なくする

転職は人生の大きな決断ですが、いじめによって心と体の健康を害するリスクと比べて、冷静に判断することが大切です。一人で悩まず、信頼できる人に相談しながら決断を進めていきましょう。

法的・公的機関を活用した本格的解決方法

職場での解決が難しい場合や、深刻ないじめが続いている場合は、法律や公的機関の力を借りることも大切です。

「大事にしたくない」とためらう気持ちもあるかもしれませんが、自分の心身を守ることを第一に考えましょう。以下では、法的・公的機関の利用を検討すべきケースや、その際の注意点を解説します。

法的・公的機関を活用した方が良いケース

以下のような状況に当てはまる場合は、労働基準監督署や弁護士、各種相談窓口などへの相談を強くおすすめします。

  • 暴力やセクハラなど、身体的な被害を受けた
  • 公の場で人格を否定される発言を受けるなど、精神的な苦痛を味わった
  • 役職や立場を利用した脅迫的な言動を受けた

これらの行為は単なる職場のトラブルではなく、法的に対処すべき犯罪行為に該当する可能性があります。

また、会社側が適切な対応を取らない場合や、相談したことを理由に不当な扱いを受けた場合も、公的機関への相談を検討しましょう。

法的・公的機関を活用する際の注意点

公的機関を活用する際は、機関によって相談内容や対応が異なることを知っておきましょう。

主な相談先には、以下のような機関があります。

  • 労働基準監督署(労働条件に関する問題)
  • 総合労働相談コーナー(労働全般の悩み)
  • 法テラス(法律トラブル全般の相談)
  • 弁護士(法的手続きを含む対応の検討)

たとえば労働基準監督署では、会社への指導や是正勧告を通じて改善を図る対応が主となるため、即座に大きな変化が生じるとは限りません。暴力や脅迫行為など、法律に違反する被害を受けている場合は、法テラスや弁護士など、法的措置を視野に入れた相談先を選ぶことが重要です。

また、各自治体には地域の相談窓口が設けられている場合があります。日常的な嫌がらせといった身近なトラブルは相談できるケースもあるため、利用を検討してみるとよいでしょう。

それぞれの機関には特徴があり、自分の状況に適した相談先を選ぶことが大切です。必要に応じて複数の機関に相談することで、より多角的なアドバイスを受けることも可能です。

まとめ

職場いじめの問題は確かに解決が困難ですが、決して一人で抱え込む必要はありません。Job総研の調査結果からもわかるように、多くの人が同じ悩みを抱えています。

重要なのは、自分の心と体を守るために、状況に応じた対処法を選ぶことです。まずは職場内での解決を試み、難しい場合は公的機関への相談や転職といった手段も検討してみてください。

一つの方法がうまくいかなくても、さまざまなアプローチを組み合わせながら、自分らしくはたらける環境を見つけていきましょう。あなたが安心してはたらける日は、必ず来るはずです。

出典:Job総研「2023年 職場イジメの実態調査」

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