仕事をしている中で感じる「モヤモヤ」。その正体がわからずにとまどっていませんか?この記事では、誰もが抱えやすい「モヤモヤ」に焦点をあて、その正体と解決策をリアルなはたらく人の声とともに解説します。ぜひ自分らしいはたらき方をかなえるためのヒントにしてくださいね。
「これといった不満があるわけではないけれど、なんだか気持ちがスッキリしない……」そんな気持ちを抱える人は少なくありません。まずは、その「モヤモヤ」の正体からひも解いていきましょう。
仕事で感じる「モヤモヤ」の正体として、まず挙げられるのが「理想と現実のギャップ」です。
仕事をするにあたっては、多かれ少なかれ誰もが「理想のスタイル」を持っています。
具体的なスタイルの内容は「ワークライフバランス」「上司との関係」「自己肯定感」など人によって異なりますが、理想と現実とのギャップが大きい場合、満たされない思いが募るのは自然なこと。
解消できないままの不満が、言語化できない「モヤモヤ」となって心に巣くってしまうのです。
自覚の有無にかかわらず、人の心では常に「正常性バイアス」がはたらいています。
「正常性バイアス」とは、「現状に不満や不安がありつつも、変化に対するリスクを恐れて現状を維持しようとする心理」のこと。災害時、「このままでは危険だ」と理解しつつも避難をためらってしまうのは、まさにこの「正常性バイアス」によるものです。
仕事でいうと、職場環境や業務内容・評価・待遇などに納得できていないながらも、安定を手放すリスクをとれず、異動願や退職などの具体的な行動を起こせないといったケースが考えられるでしょう。
行動が必要だと理解しているにもかかわらず現状維持を選んでいる、そんな自分自身に対する苛立ちや葛藤が「モヤモヤ」として認知されているのかもしれませんね。
「モヤモヤ」は不快な感情として認識されるため、つい「モヤモヤ=悪いこと」と考えてしまいがち。
とはいえ、見方を変えてみると、「モヤモヤ」の背景には「理想の自分」「理想のはたらき方」が隠れています。
「モヤモヤ」と丁寧に向き合い、隠された自分の本音を理解することは、自分が大きく成長するための第一歩といっても大げさではないのです。
「こんなことでモヤモヤしてしまう自分は心が狭い…?」そんなふうに感じたことはありませんか?「モヤモヤ」の理由は多種多様で、どれもおかしなものではありません。ここでは、仕事で「モヤモヤ」を感じてしまう主な理由を6つ紹介します。
人間関係がうまくいかず、「モヤモヤ」を抱えたまま仕事に従事する人は決して少なくありません。
Job総研がおこなった「2025年 職場の孤独実態調査」によると、回答者のうち7割近くの人が「職場で孤独を感じた経験がある」と回答しています。
同調査からは、職場で感じる孤独が不安やストレスの原因となること、また、帰属意識やモチベーションの低下の原因にもなることがわかります。
こうした職場に対するネガティブな気持ちは、そのまま言語化できない「モヤモヤ」となってその人を苦しめてしまうのです。
参照:Job総研「2025年 職場の孤独実態調査」を実施 | JobQ[ジョブキュー]
同じくJob総研がおこなった「2025年 ハラスメント実態調査 〜被害・職場対策編〜」を見ると、職場でハラスメントを受けた経験がある人は55.1%と、半数を超える結果となりました。
ハラスメントの種類は「パワーハラスメント(パワハラ)」がもっとも多く、次に「モラルハラスメント(モラハラ)」「セクシュアルハラスメント(セクハラ)」と続きます。
当然ながら、ハラスメントは職場に対する強い不満やストレスの原因になるものです。長期的に解消されず、なおかつ環境も変えられない場合、当事者はもちろんのこと、職場そのものに対する不信感が「モヤモヤ」を生んでしまいます。
参照:Job総研『2025年 ハラスメント実態調査 〜被害・職場対策編〜』を実施しました ‐Job総研
仕事で正当な評価がされていない場合、「モヤモヤ」を感じるのは自然なことです。
ここで、Job総研がおこなった調査結果から、仕事の「モヤモヤ」にまつわる回答をいくつかピックアップして紹介します。
自分のはたらきっぷりや成果に対して妥当な評価がされていない場合、不満を感じるのは当然です。
特に、自分自身の頑張りが評価されないにもかかわらず、「なぜあの人が?」という人が認められている場合、理不尽さからより一層「モヤモヤ」が募ることに……。
会社の社風や体制に納得できないときも、「モヤモヤ」が生まれやすい傾向があります。
自分自身の仕事に対するスタンスやモラルが、勤務先のそれと相容れない場合、勤務先のスタンスに合わせることで理不尽な思いをし続けることになります。
それが人としてのモラルにまで関わるものだった場合、メンタルに大きなダメージを負わないとも限りません。
「納得できない気持ち」が「モヤモヤ」を生んだ結果、退職につながるケースも。
「やりたいことができない」というのは、強いストレスの原因になります。
はたらく人の多くが、入社の段階で「〇〇がしたい」「△△に貢献したい」という明確な目標を持っています。
それにもかかわらず、目標からかけ離れた業務を任されたり、貢献を認められなかったりした場合、理想と現実とのギャップに折り合いをつけることができません。
目的意識が明確であればあるほどにストレスの度合いも強くなり、「モヤモヤ」もまた大きくなってしまうのです。
はたらき方の自由度が高まっている現代では、キャリアアップのための転職も一般的なものになりつつあります。社会人としての自分自身の価値を高めるため、数年後の退職を前提に就活をする人も少なくありません。
とはいえ、単純作業の繰り返しや古いやり方を強いられる環境下では、スキルを十分に身につけられず、転職を通じたキャリアアップは難しいのが現実です。
「環境を変える必要があるものの、今より好条件の再就職が難しいことがわかっているだけに辞める決断もできない」そんな状況が、強い「モヤモヤ」の原因となってしまうのです。
「モヤモヤ」を抱えたまま日々を過ごすのは苦しいもの。では、仕事の「モヤモヤ」はどのように解消するのが正解なのでしょうか。ここでは、疲れた心をラクにする4つのアイディアを紹介します。
仕事の「モヤモヤ」を解消したいと思ったら、まず実践したいのが「キャリアプランの見直し」です。
具体的には、キャリアの最終目標を再確認し、そこへたどり着くために必要なことを逆算する形で年代ごとに書き出してみましょう。
この過程を踏むことにより、先が見えないゆえの不安を解消できます。同時に「今やるべきこと」が明快になるため、今後のキャリア形成について必要以上に迷うこともなくなります。
人によっては退職を決断したり、反対に「現状で努力を続けるのがベスト」だと気づいたりする可能性も。
意外に思われるかもしれませんが「プライベートを充実させること」も、仕事の「モヤモヤ」を解消する効果的な方法のひとつです。
それというのも、プライベートでのトラブルや不満が仕事に対するモチベーションの低下を招き、「モヤモヤ」の遠因となっているケースが珍しくないからです。
プライベートが充実している人はバイタリティにあふれ、仕事への意欲も増すのが一般的。
オン・オフのメリハリもつけやすく、「モヤモヤ」を抱えるリスクがグッと軽減されます。
「モヤモヤ」を抱えていると、仕事に対する自信を失ってしまいがちです。本来のパフォーマンスを発揮できず、さらに自信を失ってしまう──そんな悪循環に陥るケースも珍しくありません。
そこでぜひ実践したいのが、自己分析や信頼できる友人の意見をもとに「自分の強みを整理すること」。
自分ができること(得意なこと)・できないこと(苦手なこと)が明確になれば、今後の方向性もおのずとクリアになります。
得意なことを生かすのはもちろんですが、苦手なことを「できない」と割り切って避けるのも、「モヤモヤ」を感じずにはたらくうえで大切なポイントです。
一般的に、コミュニケーションが苦手な人よりも得意な人のほうが、仕事に対して前向きになりやすい傾向があります。
スムーズなコミュニケーションがおこなわれていれば、必要な情報は回ってきますし、必要に応じて適切なサポートも受けられます。多くのチャンスに恵まれやすくなることから、コミュニケーションスキルは最強のビジネススキルといっても大げさではありません。
なお、コミュニケーションスキルは何歳からでも伸ばすことができます。大切なのは、自分から周囲と関わろうとする姿勢。相手への敬意を忘れず、笑顔で接するだけでも周囲に与える印象は大きく変わります。
仕事で「モヤモヤ」を抱えてしまうのはよくあること。必ずしもその人に問題があるわけではないですし、当然ながら他人より劣っているわけでもありません。
とはいえ、「モヤモヤ」した気持ちが生まれるには何らかの理由があります。その理由をひも解いて自分自身と向き合うことは、社会人として成長する大きなきっかけとなるでしょう。
仕事で「モヤモヤ」を感じたら、ただネガティブに受け止めるのではなく、「成長のチャンス」と発想を転換してみるのがおすすめ。きっと、あなたの今後にとって大切なヒントを与えてくれるはずですよ。