2025.10.31

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会社の飲み会、もう行かなくていい?調査結果が示す「令和の価値観」

会社の飲み会に「行きたくない」と感じることはありませんか?令和の時代、働き方の多様化とともに飲み会への価値観も大きく変化しています。この記事では、Job総研の調査結果をもとに、みんなが抱える本音や断り方のコツ、参加する場合の楽しみ方まで徹底分析。会社の飲み会との向き合い方を一緒に考えていきましょう。

会社の飲み会、みんなはどう感じてる?

働き方の多様化が進む令和の時代、会社の飲み会に対する意識も変わってきました。

Job総研が実施した「2024年 忘年会意識調査」によると、今年職場で忘年会が開催される割合は73.6%に達し、コロナ禍を経て再開傾向にあることがわかります。

一方で参加意欲に注目すると、参加したいと答えた人は54.1%と過半数を占めるものの、残りの約半数は参加に消極的との結果に。

職場の飲み会は再開されてはいますが、「行く人」と「行かない人」の温度差は以前より大きくなっています。全員参加が当たり前だった時代から、個人の選択が尊重される時代へと変化しているといえるでしょう。

かつて「当たり前」だった会社の飲み会|そのメリット・デメリット

昭和から平成にかけて、会社の飲み会は職場における重要なコミュニケーションの場として機能してきました。ここでは、そんな会社の飲み会が持つメリットとデメリットを振り返ってみましょう。

会社の飲み会の「メリット」

会社の飲み会の最大のメリットは、仕事を離れた場で同僚や上司と親しくなれること。

業務中には話しにくい軽い雑談や趣味の話題などを通じて親近感が生まれ、職場の雰囲気が和らぎます。風通しのよい職場づくりへの貢献度も決して低くありません。

普段から気軽に話せる関係性があると、業務上のコミュニケーションもスムーズに。情報伝達が的確になり、ちょっとした確認や相談もしやすくなるため、結果的に生産性の向上にもつながります。

悩みや不安を気軽に相談できる関係性を育むことで、メンタル面の問題も早期に解消しやすくなるメリットも。

会社の飲み会の「デメリット」

一方で、会社の飲み会には無視できないデメリットも存在します。

本来は業務外のはずなのに、参加・不参加が人事評価に影響するのではないかと感じる人は少なくありません。行きたくなくても断りにくい空気があり、実質的に強制参加のように感じることも。

多かれ少なかれ職場の上下関係が持ち込まれるため、心から楽しめないという声も多く聞かれます。プライベートな時間が犠牲になることや、会費が自腹の場合は金銭的な負担も大きな問題です。

飲み会に対する温度差は人それぞれ。同僚の知りたくなかった一面が見えてしまい、翌日から気まずくなるケースも珍しくありません。良くも悪くも人間関係が深くなる場なのです。

飲み会「行きたくない」と感じるのはなぜ?

会社の飲み会に「行きたくない」と感じるのは、決してわがままではありません。むしろ、多くの社会人が同じ気持ちを抱えています。ここでは、参加をためらう具体的な理由を見ていきましょう。

時間・費用・気遣い|負担が大きいから

会社の飲み会に参加したくない理由として、多くの人が挙げるのが「負担の大きさ」です。Job総研の「2023年 忘年会意識調査」によると、参加したくない理由の上位3つは「気を使うのが疲れる」が36.7%、「特に必要性を感じない」が33.8%、「経済的な負担が気になる」が33.2%という結果に。

忙しい日々の中で、貴重なプライベート時間を飲み会に割くのは大きな負担です。さらに、物価高が続く昨今、会費の自己負担は家計への影響も小さくありません。

そして何より、上司や先輩に気を配りながら過ごす数時間は、心身ともに疲れるもの。このような複合的な負担が、参加意欲を削いでいるのです。

自由参加でもただよう「断れない空気」

「自由参加」と言われても、実際には断りにくいと感じている人は多いはず。

Job総研が実施した「職場の暗黙ルール」調査では、納得いかない暗黙ルールが「ある派」が88.0%に達しました。中でも「上司の言うことが正しい」「新人が○○をして当たり前」といった回答が上位に挙がっています。

こうした職場の雰囲気は、飲み会の参加・不参加にも影響します。「行かないと角が立つのでは」「なぜ来ないのか説明を求められるのでは」といった不安から、本当は行きたくないのに参加せざるを得ないと感じる人も。

自由参加とは名ばかりで、実質的には断れない空気が職場に漂っているのです。

「行きたくない」はわがままじゃない!断る自由と伝え方

会社の飲み会に「行きたくない」と感じるのは、決してわがままではありません。不参加という選択は、自分の気持ちを大切にするための正当な判断です。ここでは、角が立たない伝え方や抜け方を具体的に見ていきましょう。

角が立たない「断り方のコツ」

飲み会を断る際は、伝え方の順序が重要です。

まず「お誘いありがとうございます」と感謝の気持ちを示しましょう。次に「今回は参加を見送らせてください」と要点を伝えます。そして「家庭の事情がありまして」など簡潔な理由を添え、最後に「次回はぜひ参加させていただきます」と代替提案で締めくくる。この流れを意識するだけで、印象は大きく変わります。

また、一次会だけ参加する方法も有効。「明日早いので、一次会で失礼します」と事前に伝えておけば、途中で帰りやすくなります。

お開きのタイミングで「お先に失礼します。楽しい時間をありがとうございました」と笑顔で挨拶すれば、好印象を残したまま退出できるでしょう。

大切なのは誠実さと一貫性|次も「同じ基準で断る」

飲み会の参加・不参加を判断する際、その場しのぎで対応を変えるのは避けたいところ。今回は断ったのに次回は参加する、ある人の誘いは断るのに別の人の誘いには応じる。こうした一貫性のない態度は、かえって信頼を損ねる原因になります。

人間関係に波風を立たせないためには、毎回同じ基準で判断し、それを誠実に伝え続けることが大切です。

「金曜日の飲み会には参加できません」「二次会以降は参加しません」など、自分の中で明確なルールを持ち、それを一貫して守りましょう。

コミュニケーションの基本は、相手への敬意と自分への誠実さ。揺るがない基準を持つことが、長期的な信頼関係を築く鍵となるのです。

「参加しない自由」を行使する

どうしても参加したくない場合は、断固として断る選択肢もあります。会社の飲み会への参加は、あくまでも自由意志に基づくもの。業務命令ではありません。

たとえば、「申し訳ありませんが、参加できません」と淡々と伝え、それ以上の説明を求められても「個人的な理由です」と繰り返します。

この際、罪悪感を感じる必要はありません。自分の時間をどう使うかを決められるのは、ほかならぬあなた自身だけ。周囲からの圧力に屈して無理に参加すれば、心身の負担が大きくなってしまいます。

自分を守るための「参加しない自由」を、堂々と行使してください。

職場の飲み会|どう振る舞うのが正解?

いざ飲み会に参加すると決めたなら、できるだけ楽しく過ごしたいもの。まわりに気を使いすぎて疲れてしまっては本末転倒です。ここでは、職場の飲み会で無理なく過ごすための振る舞い方を紹介します。

盛り上げるよりも「聞く」

飲み会の場で無理に盛り上げようとする必要はありません。むしろ、相手の話に耳を傾ける「聞き上手」でいることが、良好な関係を築く近道です。

話を聞く際のポイントは、相手の話を遮らず、評価せず、受け止めること。相手が話し終えたら「つまり〇〇ということですね」と要約して返すだけで、「ちゃんと聞いてくれている」という印象を与えられます。

飲み会は自分が活躍する場ではなく、相手を知る場。そう考えれば、気負わずに参加できるのではないでしょうか。

周囲への気配りは「できる範囲で」

Job総研の「2024年 忘年会意識調査」によると、飲み会で周囲の振る舞いが気になった経験がある人は63.2%に上ります。また、職場の飲み会で意識することとして「次の飲み物を聞く」が42.0%、「席順」が33.6%、「上司にお酒を注ぐ」が33.4%という結果に。

気配りができるに越したことはありません。しかしそれがメインになってしまうと、飲み会を楽しむどころか疲れてしまいます。

グラスが空いていることに気づいたら声をかける、話に入れていない人がいたら話を振る。そんなできる範囲での配慮で十分。自分が楽しむ余裕を残しながら、自然な気配りを心がけましょう。

帰るタイミングは自分で決める

飲み会で最も大切なのは、自分のペースを守ること。どんなにまわりが盛り上がっていようとも、無理をして最後までいる必要はありません。

その点、自分が決めたタイミングで帰れば、疲れを最小限に抑えられます。また、飲み過ぎによる失敗のリスクも減ります。

限界まで頑張ってしまうと、「もう二度と参加したくない」という気持ちになってしまうことも。一次会で切り上げる、22時には帰るのように、自分なりのルールを決めておくと気持ちにゆとりが生まれます。

会社の飲み会を楽しむ「考え方のヒント」

どうせ参加するなら、飲み会の時間を少しでも楽しく過ごしたいもの。考え方を少し変えるだけで、飲み会への見方は大きく変わります。ここでは、会社の飲み会をポジティブに捉えるヒントを紹介しましょう。

「仕事がしやすくなるチャンス」ととらえる

Job総研の「2024年 忘年会意識調査」によると、忘年会に参加したい理由として「同僚との親睦を深めたい」が49.2%、「対面で話す機会が欲しい」が47.1%という結果が出ています。この結果からは、多くの人が、飲み会を職場の人間関係を深める場として捉えていることが分かります。

普段は業務上の会話しかしない相手でも、飲み会という場では意外な一面が見えることがあります。趣味の話や家族の話を通じて距離が縮まれば、翌日からの仕事はぐっとやりやすくなるでしょう。

また、他部署の人と話す機会は貴重。顔を売って人脈をつくることで、困ったときに相談できる相手が増えるかもしれません。

飲み会を「職場の人と親睦を深めて業務を円滑にするための場」と考えれば、参加する意味も見えてきます。

「業務の一部」と割り切る

会社の飲み会を「プライベートの延長」と考えると、ネガティブな気持ちが大きくなってしまいがち。発想を変えて、「飲み会も仕事のうち」と割り切ってしまうのもひとつの方法です。

業務時間外ではあるものの、職場の人間関係を円滑にするための活動と考えれば、ある程度は気持ちが楽になります。

完全にオフモードではなく、少しだけ仕事モードを残したまま参加する。そう考えれば、気を使うことも「業務の一環」として受け入れられるでしょう。

キッパリ割り切ることで、必要以上に悩まずに済む効果も。仕事だと思えば、多少の我慢も許容範囲。考え方の転換が、飲み会へのストレスを軽減してくれるかもしれません。

令和の会社の飲み会は「無理せず楽しめる範囲で」

会社の飲み会は、「全員参加が当たり前」だった時代から「選べる関わり方」へとアップデートされつつあり、今はまさに過渡期です。

自分の時間を何に使うかは、結局のところあなた自身が決めること。どうしても行きたくないのなら行かない選択肢もあります。

一方で、参加すると決めたなら、せっかくの機会を楽しんでみるのがおすすめ。大切なのは、自分にとって心地よいバランスを見つけることです。

「無理せず楽しめる範囲で」。それが令和の飲み会スタイルなのです。

参照:
『2024年 忘年会意識調査』を実施しました – Job総研プラス
「2023年 忘年会意識調査」を実施しました – Job総研プラス
Job weeQで「職場の暗黙ルール」のQ&Aを募集しました – Job総研プラス

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