2026.09.14
共働き夫婦の貯金、平均はいくら?年代別データと「貯まる仕組み」の作り方
共働き世帯は今や夫婦全体の7割超え。それでも「なぜ2人分稼いでいるのに貯まらないのだろう」「まわりはみんな余裕がありそうに見えてしんどい」というモヤモヤは尽きません。そこでこの記事では、さまざまな調査データをもとに、年代別の貯金額の実態から貯まらない原因、実践できる仕組みづくりなど、共働き夫婦の貯金にまつわる気になる情報をまとめて解説します。
共働き世帯の貯金、平均・中央値はどれくらい?
「うちの貯金、もしかして少ない……?」「みんなどれくらい貯めてるんだろう」そんな疑問を抱いたことはありませんか?まずは、共働き世帯の貯金事情を知るヒントとして、社会的背景・年代別の貯金額・毎月の貯蓄状況という3つの角度から解説します。
共働き世帯は今や7割超えに
共働きは、もはや一部の世帯だけのはたらき方ではありません。
総務省統計局「労働力調査」によると、2025年の共働き世帯数は1,333万世帯。専業主婦世帯の476万世帯を大きく上回り、夫婦のいる世帯全体の約7割を占めています。
かつて標準とされていた「夫がはたらき、妻が家庭を守る」というモデルは、すでに少数派。共働きが多数派になったからこそ、他の世帯の貯金額が気になるという人も増えているのが実情です。
年代別の貯金額|「平均」と「中央値」で見え方が変わる

貯金額を考える上で、まず参考になるのが、はたらく社会人「1人あたり」のリアルな貯金実態です。
Job総研が全国の就業する男女を対象におこなったアンケート調査「2022年 貯金実態調査」によると、全体の貯金額は平均1,087.0万円、中央値500万円でした。
貯金額を語るうえで注意したいのが、「平均値」と「中央値」の違い。平均値は一部の高額貯蓄層に引っ張られやすく、実態から離れやすい特徴があります。一方、中央値はデータを金額順に並べたときにちょうど真ん中に来る値で、極端に高い数字の影響を受けにくく、実感に近い数字が出やすいという特徴があります。
年代別の平均は、20代が272.9万円、30代が1,006.7万円、40代が1,106.9万円、50代が1,622.2万円です。
一方、中央値は20代が150万円、30代が600万円、40代が650万円、50代が500万円と、平均値とはかなり差があります。平均値ではなく中央値と照らし合わせるほうが、より実感に近い比較になります。
毎月の貯金額の目安と、実際どれくらいの人が貯金できているか

「毎月きちんと貯金できているか」も気になるポイントです。
同調査によると、「毎月している」が61.9%、「毎月ではないがしている」が27.4%と、合わせて89.3%が何らかの形で貯金を継続中であることがわかりました。
毎月の平均貯金額は8.2万円、年代別では20代6.5万円、30代9.8万円、40代7.8万円、50代7.6万円という結果です。
30代の貯金額がもっとも多い背景としては、子育て前で支出が比較的落ち着いていることや、共働きによる世帯収入の増加が考えられます。
金額の大小だけでなく、継続できているかどうかも、貯蓄の実態を考えるうえで無視できないポイントのひとつです。
共働きなのに「貯まらない」のはなぜ?
2人分の収入があるにもかかわらず、思うように貯まらないと感じる共働き世帯は少なくありません。その背景にはどのようなものがあるのでしょうか。
お互いの家計を把握しきれていない「ブラックボックス化」
共働き世帯では、家賃は夫、食費と光熱費は妻のように、生活費を項目別にきっちり分担するケースが多く見られます。一見公平に見えますが、実はこの方法には大きな落とし穴があります。
このスタイルでは、自分の担当分以外の収支が見えず、お互いの貯金状況がブラックボックス化してしまいがち。相手の口座残高も、毎月の支出内容も知らないまま数年が経ち、いざ将来の話をしたときに「思ったより貯まっていなかった」と気づくケースも珍しくありません。
分担そのものは悪くありませんが、定期的に中身を共有する仕組みがなければ、家計全体の実態は見えないままです。
共働きならではの油断
「2人で稼いでいるから多少の出費は問題ない」という油断も、貯金を妨げる要因のひとつです。
仕事の忙しさを理由にした外食や、家事の負担を減らすための宅配・家事代行サービス、頑張った自分へのご褒美消費……。
ひとつひとつは小さな金額でも、積み重なると大きな出費に。さらに生活費を分担しているケースでは、「自分の担当分以外は相手が管理しているはず」という思い込みが油断に拍車をかけます。
お互いが独身時代のように細かい出費を重ね、結果として誰も貯めていなかった、という展開を迎える可能性も否定できません。
お金の話し合いを避けてしまう夫婦関係
お金の話は、夫婦間でもデリケートな話題です。「せっかくの休日に喧嘩したくない」「相手の収入に口を出すのは気が引ける」といった理由から、話し合いを避けてしまう夫婦は少なくありません。
しかし、目標や計画のないまま時間だけが過ぎると、貯蓄のペースはつかめないまま。子どもの進学や住宅購入など、まとまった資金が必要になるタイミングで初めて危機感を持つケースもあります。
お金の話し合いを避け続けることは、家計改善のチャンスを先延ばしにすることと同じ。ひとつの家庭を守るパートナーとして、腹を割ったコミュニケーションが欠かせません。
ライフイベント別、いくら貯めればいい?
貯金は目標があってこそ続けやすくなります。ここでは、共働き世帯が備えておきたい3つのライフイベントについて、必要な金額の目安を紹介します。
まずは最優先。もしもに備える「生活防衛資金」
投資や長期的な貯蓄を始める前に確保しておきたいのが「生活防衛資金」です。
「生活防衛資金」は、急な病気やケガ、失業といった不測の事態が起きたとき、収入が途絶えても当面の生活を維持できるだけの備えのこと。一般的な目安は、手取り月収の3カ月〜1年分です。
共働き世帯の場合、片方の収入が一時的に途絶えても、もう片方の収入で生活費をまかなえるケースもあるため、単身世帯より少なめの目安で考える家庭もあります。ただし、産休・育休や転職のタイミングなど、2人同時に収入が不安定になる時期もあるため、油断は禁物。
まずはこの資金を優先的に確保したうえで、他の目標に取り組むのが基本です。
子どもの教育資金はどのくらい必要?
子どもの教育資金は、進学ルートによって総額が大きく変わります。
文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」によると、幼稚園から高校まですべて公立に通った場合の学習費総額は6,140,466円。すべて私立の場合は19,688,737円にのぼります。
両者の差は1,300万円を超え、進路選択が家計に与える影響の大きさがわかります。
なお、この金額には大学の学費は含まれていないため、大学進学まで見据えるなら追加の備えが必要。子どもが生まれた時点から教育資金専用の口座を用意し、児童手当なども合わせて計画的に積み立てておくと安心です。
老後資金はいくら必要?
老後資金は、多くの人が漠然とした不安を抱えながらも、具体的な金額をイメージしにくいテーマです。
総務省統計局「家計調査報告(2025年平均)」によると、65歳以上の夫婦のみ無職世帯の実収入は254,395円。ここから税金や社会保険料などを差し引いた「可処分所得(221,544円)」と「消費支出(263,979円)」を比較すると、月あたり42,434円の不足(赤字)という結果でした※。
この赤字が20年続くと仮定した場合、トータルで約1,018万円、30年なら約1,528万円が必要な計算に。
Job総研の「2022年 貯金実態調査」でも、貯金をする理由として「老後への備え」が63.4%で最多という結果が出ています。年金収入だけに頼らず、現役のうちからどれだけ準備できるかが、老後の生活の余裕を左右します。
※ 各数値は公式発表値に基づいています。四捨五入(端数処理)の影響により、引き算の計算結果に1円の誤差が生じています
共働き夫婦が貯金をするには?
共働き夫婦が貯金をするためには、具体的にどのような点を意識すればよいのでしょうか。ここでは、「見える化」「仕組み化」「稼ぐ力の見直し」の3つの視点から解説します。
「見える化」で貯蓄意識を高める
共働き夫婦が着実に貯金をするための第一歩は、家計の現状を夫婦で共有し、現状を「見える化」すること。代表的な2つの実践方法を紹介します。
夫婦のお金の管理スタイルを決める
夫婦のお金の管理方法には、主に3つのスタイルがあります。
- 共通口座型:収入をすべて共通口座にまとめる方法。家計全体が見えやすく、貯蓄状況を把握しやすい一方、個人の自由な支出がしづらい
- 別財布型:お互いの収入を完全に分け、生活費だけを一定額ずつ出し合う方法。個人の裁量は保ちやすい反面、相手の貯蓄状況が見えにくい
- 項目分担型:家賃は夫、食費は妻、というように支出項目ごとに担当を決める方法。分担が明確な分、担当外の支出が見えなくなりやすい
JobQ Townには「夫婦で毎月75万円ほど共通口座に入れ、使わなかった分が貯金になる」という投稿もありました。
収入差がある場合は、金額ではなく割合で分担を決めると、負担が偏りにくくなります。自分たちに合うスタイルを選ぶことが大切です。
家計簿アプリ・マネー会議で現状を可視化する
管理スタイルを決めたら、あわせて検討したいのが、継続的な可視化の仕組み。
具体例として挙げられるのが、銀行口座やクレジットカードと連携できる家計簿アプリの導入です。これにより、収支の記録を自動化でき、手間をかけずに現状を把握できます。
さらに効果的なのが、月1回程度の「マネー会議」。収支の確認だけでなく、今月の反省点や来月の目標を短時間で共有する場を設けることで、当事者意識を保ちやすくなります。
会議といっても堅苦しく構える必要はありません。食事をしながらの10分程度でも、ブラックボックス化を未然に防げます。
「仕組み化」で今の収入のまま貯める
着実な貯金には、意志力に頼らず貯められる「仕組み」が欠かせません。ここでは、無理なく継続できる3つの具体策を紹介します。
先取り貯金で貯まる流れを自動化する
「余ったら貯金する」という方法は、多くの場合うまくいきません。使った後に残る金額は、月によってばらつきが大きいためです。
確実に貯めるには、給料が振り込まれた直後、一定額を別口座へ自動振込する「先取り貯金」が効果的。生活費用の口座とは別に貯蓄専用の口座を用意し、給料日に自動で一定額が移動する設定にしておけば、意志力に頼らず貯蓄を続けられます。
なお、金額は手取りの1〜2割程度から始めるのが目安。生活に無理のない範囲でスタートし、収入が増えたタイミングで割合を見直していくと、負担なく継続できます。
先取り投資(NISA・iDeCo)もセットで自動化する
先取り貯金の仕組みができたら、その一部を投資に回す「先取り投資」も検討してみましょう。
新NISAのつみたて投資枠やiDeCoは、税制上の優遇を受けながら、毎月一定額を自動で積み立てられる制度。給料日に貯金用口座への振込と同時に積立設定も済ませておけば、貯めると増やすを同時に仕組み化できます。
ただし、注意が必要なのが、どちらも元本保証ではなく、相場の状況によっては評価額が積立額を下回る可能性があること。また、iDeCoは原則60歳まで引き出すことができません。生活防衛資金を確保したうえで、無理のない範囲の金額から始めることが前提です。
運用期間が長くなるほど、複利の効果は期待しやすくなるため、少額からでも早めに始めておくと選択肢が広がります。
固定費・生活コストを共働き視点で見直す
支出を減らすなら、まず固定費から着手するのが効率的。通信費を格安プランに切り替える、使っていないサブスクリプションを解約する、保険の保障内容を見直すといった対策は、一度実行すれば効果が続きます。
共働き世帯であれば、家族カードでポイントをまとめる、通信キャリアの家族割引を活用するといった方法も有効。ふるさと納税も、所得が一定以上ある世帯なら検討する価値があります。
固定費の見直しは一度の手続きで効果が継続するため、日々の我慢なく貯蓄額を底上げできる点が魅力。夫婦で契約内容を確認してみましょう。
「稼ぐ力の見直し」で収入を増やす
節約や仕組み化には、やはり限界があります。家計の状況によっては、支出を減らす発想から視点を切り替え、そもそもの収入を見直す選択肢が現実的であることも。ここでは、3つの具体的なアプローチを紹介します。
まずは自分の市場価値を確認する
貯蓄額を増やす方法は、支出を減らすことだけではありません。
長く同じ会社に勤めていると、自分の市場価値を意識する機会は意外と少ないもの。今の年収が世間相場と比べて適正なのかを客観的に把握することは、昇給交渉や転職など、収入を増やすきっかけになり得ます。
とくに共働き世帯では、夫婦2人分の市場価値を把握しておくことで、世帯全体の収入戦略を考えやすくなります。
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たった数分で、未来の可能性が大きく広がるかもしれません。
副業に挑戦する

収入を増やす選択肢として、副業も視野に入れてみましょう。
Job総研の「2025年 副業・兼業の実態調査」によると、副業経験者に実際の月収を聞いたところ、平均額5.4万円、中央値3.0万円、最頻値1.0万円という結果でした。
大きな金額ではなくても、月数万円の副収入が加われば、貯蓄ペースは着実に変わります。本業に支障が出ない範囲で、まずは小さく始められるものを探してみましょう。
副業で得た収入をそのまま先取り貯金や投資に回せば、生活水準を変えずに資産形成のスピードを上げられます。
キャリアアップの選択肢も
副業や年収査定の先に、転職によるキャリアアップという方法もあります。
「今の会社でこのままはたらき続けるのが最適なのか」「自分に合ったはたらき方は他にもあるのではないか」そんな現状への疑問は、キャリアを見直すひとつのサイン。
夫婦がそれぞれに自分に向いているはたらき方の方向性を客観的に整理することで、世帯収入をさらに増やす選択肢が見えるかもしれません。
dodaの「転職タイプ診断」は、60問の質問に答えることで、職場環境・仕事内容・給与・労働条件の4つの視点から満足度をチャート化。どこに不満があり、何を改善したいのかが一目でわかります。
所要時間は約7分。よりよいはたらき方を見直すひとつの機会にしてみてはいかがでしょうか。
共働きの貯金は「収入」より「仕組み」で決まる
ここまで、共働き世帯の貯金額の実態から、貯まらない原因、目標設定、実践的な貯め方までを見てきました。年代別の平均や中央値はあくまで目安であり、ほかの世帯と比べて一喜一憂する必要はありません。
大切なのは、自分たち夫婦にとって無理のない管理スタイルを選び、意志力に頼らず貯まる仕組みを作ること。見える化で現状を共有し、先取り貯金や投資で仕組み化し、必要に応じて収入そのものも見直す。この3段階を整えて、共働きという強みを活かした貯蓄を目指しましょう。
参照:総務省統計局ホームページ|労働力調査
参照:Job総研「2022年 貯金実態調査」を実施 | JobQ[ジョブキュー]
参照:結果の概要-令和5年度子供の学習費調査:文部科学省
参照:統計局ホームページ/家計調査(家計収支編) 調査結果
参照:2022年 貯金実態調査を実施しました – Job総研プラス
参照:皆様は年収のどの程度を貯金にあてていますか? | JobQ[ジョブキュー]
参照:iDeCo公式サイト|iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)【公式】
参照:NISA特設ウェブサイト:金融庁
参照:Job総研「2025年 副業・兼業の実態調査」を実施 | JobQ[ジョブキュー]









