2026.09.14
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「居心地はいいけど給料が低い」は転職すべき?後悔しない判断基準を解説
職場の人間関係が良く、残業も少ない。今の職場に大きな不満はないけれど「給料の低さ」だけがずっと気になっている――そんな悩みを抱えていませんか?
快適な環境を手放すのは怖く、「恵まれているのに転職を考えるのは贅沢なのでは」と自分を責めてしまいがちです。しかし、将来への不安を抱えたまま現状維持を続けることにもリスクが存在します。
本記事では、Job総研の調査データをもとに、居心地はいいが給料が低い職場ではたらき続けるリスクや、転職すべきか判断するためのチェック項目を解説します。
居心地は良いが給料が低い…悩むのは贅沢ではない
「職場の雰囲気はいいけれど、給料が低くて将来が心配」という不安は、決してあなただけの悩みではありません。データを見ても、多くの社会人が同じような葛藤を抱えていることがわかります。
【Job総研データ】職場環境満足度と給料不満の相関
Job総研『2022年 キャリアに関する意識調査』によると、現職の仕事が「充実している」と回答した人は73.8%となっており、多くの方が現在の環境に一定の満足感を得ていることが伺えます。

一方で、仕事に関する具体的な悩みを聞いたところ、「年収・収入」と回答した人が32.8%で全年代において最多となりました。特に30代は37.2%と、他年代と比ベて高い水準です。
人間関係や業務内容に対する充実感や居心地の良さを感じつつも、将来の生活基盤となる「給料」に対してモヤモヤを抱えている現状が、データからもはっきりと読み取れます。
快適だけど給料が低い環境に潜む3つのリスク
近年、過度な残業やハラスメントはないものの、成長機会がなく給料も上がらない「ゆるブラック」という言葉が注目されています。
実際、Job総研『2023年 働く環境の実態調査』によると、職場がゆるすぎて転職をした経験のある人は48.9%と半数近くを占めています。

一見すると魅力的な「快適でゆるい環境」ですが、給料が低いままはたらき続けることには主に3つのリスクが潜んでいます。
ライフイベントに対応できないリスク
20代後半から30代にかけては、結婚や出産、住宅購入、親の介護など、人生における重大なライフイベントが集中する時期となります。
単身での生活においては「毎月の給与で生活できている」状態であっても、数年後に必要となる数十万から数千万円規模の資金を蓄えることは困難です。
結果として、希望するタイミングでの挙式や住み替え、子供の教育資金の確保といった選択肢を断念せざるを得なくなる危険性があります。居心地の良さを優先して低水準の給与を受け入れ続けることは、将来の人生設計を大きく制約する要因となります。
市場価値があがらず、停滞するリスク
負荷が少なく居心地が良い職場は、見方を変えると「新しい挑戦やスキルアップの機会が少ない環境」でもあります。
Job総研『2023年 働く環境の実態調査』においても、「業務量が少なすぎて成長スピードに不安を感じた」「誰でもできる仕事内容でスキルが身につかず、給料も上がらない」といった声が多く寄せられています。

難易度の高い業務経験が積めないと、他社で通用する実績やスキルが身に付かず、転職市場における価値が停滞してしまいます。
環境変化に対応できないリスク
どれだけ今の職場が快適であっても、将来にわたってその環境が保証されるわけではありません。業績悪化による給与カット、経営方針の変更、親しい同僚の退職や上司の交代などによって、居心地の良さは一瞬で崩れる可能性があります。
社外で通用するスキルや十分な蓄えがない状態だと、突発的な環境の変化に対処できなくなってしまうでしょう。
転職を考える前に確認したいチェック項目
リスクがあるからといって、焦って転職を決める必要はありません。まずは以下の5つのチェック項目で、自分の現状を冷静に整理してみましょう。
今の給与水準でライフステージの変化に対応できるか
年齢を重ねるごとに固定費や必要となる生活資金は増加していく傾向にあります。今後の人生で想定される主要なライフイベント(結婚、出産、住宅購入、老後資金など)に必要な金額を算出し、現在の収入および貯蓄のペースで賄えるか確認することが重要です。
もし現在の給与水準であっても、昇給見込みや蓄えによってライフステージの変化に耐えられる見通しが立つのであれば、現状の快適な環境を手放してまで転職を決断する必要性は低いと判断できます。
将来的な昇給の限界はいくらか
どれほど個人で成果を出しても、会社の評価制度や収益構造によって給与の支給上限額は限定されます。自社の評価制度を改めて確認し、5〜10年上の先輩や上司の年収推移を把握することが必要です。
自身が将来的に目指す生活水準や達成したい貯蓄額に対して、自社での給与の到達地点が届かないことが明白である場合は、社内での努力で限界を突破することは難しいもの。より報酬水準の高い環境へ移動するタイミングを迎えていると判断できます。
他社でも評価される専門スキルが身につくか
特定の企業でのみ通用する社内ルールや独自システムの操作に詳しくなるだけでは、将来的な労働市場における価値は向上しません。
現在の業務を継続することで、汎用性の高い実務スキルや専門知識が蓄積されているかを客観的に評価する必要があります。
「現在の業務を今後3年間継続した場合、他社のどのような職種で評価されるスキルが残るか」を具体的に言語化し、自社以外でも通用する能力が身につかない環境である場合は、キャリア上のリスクとなります。
今後も成長が期待できるビジネスモデルか
斜陽産業や、DX(デジタル化)に取り残されている企業にいると、個人の努力に関わらず、給与カットやリストラのリスクがあります。
会社の売上推移だけでなく、「競合他社と比較した強み」や「時代の変化(AI化など)に耐えられるビジネスか」を見るようにしましょう。
自分が仕事で絶対に譲れない優先順位は何か
転職活動を進めると、多くの求人に目移りして軸がブレがちになります。給与、ワークライフバランス、人間関係、やりがい、ポジションなど、「他をすべて捨てても、これだけは譲れないもの」を1つだけ決めておきましょう。
優先順位が定まっていれば、転職するべきか、するとしたらどこを選ぶか決める際の羅針盤になります。
「現職留まり」vs「転職」後悔しない選択の判断軸
居心地の良い環境を離れるべきか迷った際は、自身の価値観や将来設計と照らし合わせることが不可欠です。感情的な決断を避け、現職の維持と転職のどちらが長期的な利益につながるかを客観的な基準で判断しましょう。
現職に残るべきケース
現職に残るべきケースとして、以下の3つが挙げられます。
- プライベートの時間(趣味や子育てなど)を最優先したい場合
- 副業や個人事業で不足分の収入を補える見込みがある場合
- 部署異動や昇進により、現職のまま給料を上げられる余地が残っている場合
上記の条件に該当する場合、現在の職場が持つ「負担の少なさ」や「環境の安定性」を活用する方が生活全体の満足度を高められます。
給与面の不満が副業や将来的な社内制度で解決可能で、何より仕事以外の時間を重視するライフスタイルであれば、あえて環境を変えるリスクを負わずに現職を継続する選択が合理的となります。
転職へ動くべきケース
転職へ動くべきケースとして、以下の3つが挙げられます。
- 現在の給料が原因で、生活費や将来の蓄えに強い不安を感じている場合
- 自社の評価制度や給料体系上、大きな昇給が今後期待できない場合
- 今の業務を続けていても、他社で評価されるスキルや実績が得られないと感じる場合
上記の条件に該当する場合、居心地の良さに安住することは将来的な経済リスクや市場価値低下のリスクを増大させます。
自社の給与構造や業務内容そのものに根本原因がある場合、個人の努力で解消することは困難です。将来の生活基盤を守り、適正な評価を得るためには、転職など、環境を変える判断が必要となります。
【調査データ】転職で年収は上がった?はたらき方はどう変わる?
「転職して本当に年収は上がるのか」「今の良好な人間関係やはたらきやすさが失われるのではないか」と不安に思う方も多いでしょう。
Job総研『2025年 転職と年収に関する実態調査』によると、直近の転職で「年収が上がった」と回答した人は62.2%にのぼります。特に20代においては75.6%と非常に高い割合となっています。

また、同調査で「転職で成功したと思う要素」を聞いたところ、「年収が上がる(42.9%)」に続き、「はたらき方の自由度が高まる(34.1%)」「ワークライフバランスが改善する(33.0%)」という結果になりました。
このデータが示す通り、転職によって「給与アップ」と「居心地の良さ・はたらきやすさ」を同時に実現させている人は決して少なくありません。
では、はたらきやすさと給料、どちらにも満足のいく転職を叶えるにはどうしたら良いのでしょうか。ここからは居心地の良さを犠牲にせず、給料アップを叶える方法を考えていきましょう。
居心地の良さを犠牲にせず「給料アップ」を叶える3ステップ
現在の職場で得られている環境の良さを維持しながら、収入面での不満を解消するためには段階的な手順を踏むことが重要です。リスクを最小限に抑えつつ、給与向上を実現するための具体的な進め方を解説します。
STEP 1:現職で給与交渉や異動の相談をする
いきなり退職を検討するのではなく、まずは現職で給料アップの道を探ります。
自分の成果をもとに、上司へ昇給の可能性を尋ねてみたり、より基本給や手当の高い部署への異動希望を出したりするのも手です。「どうせ無理だ」と諦めず、まず現職での解決策を探ってみましょう。
STEP 2:エージェント等に相談し、市場価値を測る
現職での改善が難しい場合は、転職サイトへの登録や転職エージェントへの相談を行います。この段階ではまだ転職を確定する必要はありません。「自分の経験でどのような企業からいくらの年収提示を受けるか」を客観的に把握し、自分の市場価値を測るための情報収集として活用します。
なお、dodaの「年収査定」では、186万人のビッグデータをもとに、「あなたの適正年収」を予測。あなたのこれまでの経験に基づき、以下の情報を手軽に知ることができます。自分の市場価値を把握する一つの手段として、活用してみてはいかがでしょうか。
STEP 3:転職活動を行う
条件に合う企業に応募し、面接を進めます。面接時の逆質問や口コミサイトの分析を活用し、「残業時間」「職場の雰囲気」「評価基準」をしっかり確かめましょう。
転職するかどうかは、内定をもらってからでも遅くありません。内定先の企業から提示された年収や労働条件をもとに、「今の居心地の良い職場に残るか」「新しい環境へ移るか」を比較・判断するのが最も失敗の少ないアプローチです。
まとめ:居心地の良さと給料の高さは二者択一ではない
「職場の雰囲気や人間関係には満足しているけれど、給料が低くて将来が不安」と感じるのは、キャリアを考える上で当然の悩みです。
職場環境の良さははたらく上で大きな魅力ですが、それと引き換えに将来の生活資金や自身のキャリアアップを諦める必要はありません。調査データが示すように、世の中には「給料アップ」と「はたらきやすさ・良好な環境」を両立させている人が数多く存在します。
後悔のない選択をするためには、まず現在の環境に居続けるリスクを正しく把握することです。その上で、現職における昇給幅の限界やはたらく上で譲れない条件を整理し、現職に残るか転職へ動くかの基準を持ちましょう。
どちらを選んだとしても、大切なのは自分自身が納得してキャリアを選択することです。まずはノーリスクでできる「ライフプランの試算」や「自分の市場価値の確認」から、将来の可能性を広げる最初の一歩を踏み出してみませんか?
※参照:Job総研『2022年 キャリアに関する意識調査』、『2023年 働く環境の実態調査』、『2025年 転職と年収に関する実態調査』







