2026.08.10
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物価高すぎて生活できないのは自分だけ?調査で見る実態と今日からできる対策
「物価高すぎて生活できない」と感じる人が増えています。スーパーのレジで金額に驚き、光熱費の請求書にため息をつく……。物価高に関連するこうした実感は、単なる思い込みではなくデータにも裏付けられた事実です。この記事では、物価高の実態についてデータをもとに解説。今日から始められる具体的な対策を紹介します。
「物価高すぎて生活できない」と感じるのはなぜ?
「物価高すぎて生活できない」という感覚は、気のせいではありません。実際に何が値上がりし、賃金はどう動いているのか。まずは、総務省と厚生労働省の公的統計をもとに、家計と賃金の両面から現状を客観的に整理します。
食費?光熱費?実際に値上がりしているもの
総務省の家計調査報告によると、2026年5月分の消費支出は1世帯当たり320,345円で、物価変動を除いた実質ベースでは前年同月比0.4%の減少でした。
内訳を実際の支払額(名目)で見ると、食料は2.4%の増加。特に外食は8.9%、調理食品は3.4%上昇しています。一方、光熱・水道は7.6%の減少となり、電気代も7.7%下がりました。
これは負担が軽くなったというよりも、電気代の補助策などの影響が大きく出た可能性が否定できません。体感としては、食費や外食費の値上がりの方が強く残ります。
なお、勤労者世帯の実収入は534,893円で、名目2.4%増・実質0.7%増と、収入自体は増えています。
消費者物価指数で見る「じわじわ値上がり」の正体
総務省の消費者物価指数によると、2026年5月分の総合指数は前年同月比1.5%の上昇でした。生鮮食品を除く総合指数は1.4%の上昇、生鮮食品とエネルギーを除く総合指数は1.8%の上昇となっています。
見逃せないのが、天候による変動を受けやすい生鮮食品や、政策の影響を受けやすいエネルギーを除いた数値の方が高いという事実。これは、季節や政策による一時的な要因を除いても、幅広い品目でじわじわと値上がりが続いていることを示しています。
特売や一時的な値下げがあっても、全体としては上昇基調が続いているというのが実態です。
「賃金は上がっているのに…」生活が楽にならない理由
厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、2025年の現金給与総額は355,941円で前年比2.3%増でした。ただし、物価上昇分を差し引いた実質賃金指数は、総合CPI(消費者物価指数)換算で0.8%減、持家の帰属家賃を除く総合CPI換算では1.3%減です。
給与の額面が増えても、物価上昇が上回れば実質的な価値は目減りします。これが「賃金は上がっているのに生活が楽にならない」と感じる正体です。
一方、2026年4月分の結果確報では、実質賃金指数は総合CPI換算で2.2%増、持家除く総合CPI換算で2.0%増とプラスに転じています。長く続いた苦しさに、改善の兆しも見えてきました。
数字で見る「生活が苦しい」リアルな実感
「物価高すぎて生活できない」と感じているのは、自分だけではありません。実際にどれくらいの人が同じ悩みを抱えているのか。Job総研が実施した意識調査から、景気の実感や将来への不安の中身を、具体的な数字で確認していきます。
7割以上が「景気の悪さ」を実感

Job総研が、「2024年 日本経済の意識調査〜賃金・物価編〜」のなかで「現在の景気への印象」について尋ねたところ、「景気の悪さを実感派」は74.2%でした。
理由の内訳を見ると、1位は「娯楽などに気軽にお金を使えない(66.0%)」、2位は「自身の節約志向が強まっている(46.9%)」、3位は「外国人観光客の増加(28.2%)」となっています。
趣味や外食といった小さな楽しみへの我慢、そして自分自身の節約志向の高まり。7割超という数字の背景には、この二重の負担があります。
加えて、インバウンド需要による価格上昇を実感している人も3割近くに。物価高の要因はひとつではなく、複数の要素が重なっていることがうかがえます。
賃上げ実感なし56.8%、9割が抱える景気への不安
同調査のなかで、賃上げの実感について尋ねたところ、「実感がない派」は56.8%という結果に。女性は67.0%、男性は51.4%と、女性の方が実感の乏しさをより強く感じている実態が明らかになりました。

さらに「現在の景気不安」については、91.2%が「不安がある派」と回答しました。
不安の具体的な内容としては、「物価の上昇に賃金が追いつかない(73.8%)」が最多で、「年金だけでは老後の生活費が足りない(62.1%)」、「税負担による家計負担の増加(59.2%)」と続きます。
9割超という数字の背景には、賃金・年金・税負担という、暮らしに欠かせない要因の積み重ねがあります。
物価高は「休日の過ごし方」まで変えている
物価高の影響は、平日の買い物だけにとどまりません。休日の過ごし方や、収入と休みに対する考え方にもじわじわと変化が及んでいます。ここでは、Job総研の調査から、休日をめぐる意識の変化を具体的な数字とともに見ていきます。
8割超が休日の過ごし方に物価高の影響を受けている

Job総研のアンケート調査「2025年 休み方実態調査〜物価高編〜」によると、「物価高が休日の過ごし方に影響しているか」との設問について、「影響している派」は84.1%でした。
具体的な変化としては、「外食や外出の頻度を下げた(48.4%)」、「家で過ごす時間が増えた(47.2%)」、「旅行回数や遠出を控えた(43.1%)」と続きます。
さらに、休日の支出を負担に感じるかという問いには、73.6%が「負担に感じる派」と回答。仕事から離れてリフレッシュしたい休日の行動にまで、コストの意識が及んでいるのが実態です。
「休みより収入」を選ぶ人が半数超
同調査のなかで、「収入」と「休み」のどちらを優先したいか尋ねると、57.6%が「収入派」との結果に。
半数以上の人が「休みを削ってでも稼ぎたい」と考えていることが明らかになりました。
さらに、収入を増やすための休日出勤や副業について尋ねたところ、「したいと思う派」は60.8%に上りました。具体的な希望する手段としては、「副業」66.9%が最多で、「残業」51.9%、「休日出勤」25.4%と続きます。
休日出勤や副業で収入を増やそうとする発想は、もはや特別なものではなくなっているのが実情です。
休みを大切にしたい気持ちと、生活のために稼ぎたい気持ち。このせめぎ合いの中で、多くの人が後者へ傾き始めている様子がうかがえます。
まずは「支出の見直し」から
物価高が続く今、「生活ができない」と感じたら、まず取り組みたいのが支出の見直しです。とはいえ、やみくもに我慢するだけでは長続きしません。ここでは、家計の把握から固定費・変動費の見直しまで、無理なく続けられる具体的な工夫を紹介していきます。
家計を「見える化」する
支出を見直す第一歩は、現状を正しく把握すること。収入と支出、貯蓄額をざっくりとでも書き出してみると、何にいくら使っているのかが自然と明らかに。
家計簿アプリを使えば、口座やクレジットカードと連携し、自動的に支出の記録が可能。何かと忙しい日々でも手間をかけずに続けられます。
大切なのは、細かく完璧に記録することではなく、大まかな全体像をつかむこと。固定費と変動費の比率、毎月なんとなく使っているお金の存在に気づくだけでも、次に何を見直すべきかが自然と見えてくるはず。
まずは、1カ月分の家計簿をつけてみるところから始めてみましょう。
効果が長続きする「固定費」から手をつける
節約というと、食費を削るイメージが強いかもしれません。しかし、最初に見直したいのは固定費です。
スマホの通信費、保険料、サブスクリプションサービスなどの固定費は、一度契約を変えるだけで効果が翌月以降も続くのが魅力。
たとえば、大手キャリアから格安SIMに乗り換えれば、月々数千円の節約に。加入したまま使っていない保険やサブスクを解約するだけでも、年間で数万円の差が生まれます。
家賃の見直しや、電気・ガスの契約プランの変更も、固定費削減の候補。変動費のように毎回意識する必要がなく、それでいて長期的な効果が期待できるのが、固定費の見直しです。
「変動費」はガマンより「仕組み化」で減らす
食費や日用品費などの変動費は、我慢で削ろうとすると長続きしません。
おすすめは、ガマンではなく「仕組み」で減らす発想。具体的には、まとめ買いをして無駄な買い物を減らす、外食を自炊に置き換える、ふるさと納税を活用して実質的な負担を軽くするなど。習慣そのものを変えるアプローチです。
また、ポイント還元率の高いキャッシュレス決済に支払いを統一する、買い物リストを作ってから店に行く、といった小さな工夫も積み重なれば大きな差に。
無理な節約は反動でリバウンドしやすいため、まずは続けやすい仕組みづくりを優先していきましょう。
「節約だけでは限界がある…」転職という選択肢
支出を見直しても、埋め合わせには限界があります。物価上昇のペースが速い今、削るだけでなく、収入を増やすという視点も欠かせません。ここでは、無理なく始められる最初の一歩を紹介していきます。
まずは「今の年収が適正か」を客観的に見極めよう
収入を増やすといっても、いきなり転職や副業を始めるのはハードルが高いもの。
そこで実践したいのが、今の年収が自分の能力やスキルに対して適正なのかを客観的に確かめることです。
同じ「この給料では生活できない」と感じる状況でも、今の年収が自分の市場価値に対して適正なのか、それとも低いのかによって、対処法も自然と変わります。まずは現在地を知ることから始めてみましょう。
dodaの「年収査定」では、186万人のビッグデータをもとに、「あなたの適正年収」を予測。あなたのこれまでの経験に基づき、以下の情報を手軽に知ることができます。
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たった数分で、未来の可能性が大きく広がるかもしれません。
「向いているはたらき方」の確認も
収入を増やす手段は、副業だけではありません。今の会社で昇給を目指す道もあれば、転職によって年収水準の異なる環境に移る道もあります。
ただし、闇雲に転職活動を始めても、自分に合わない職場を選んでしまえば長続きしません。のちのち後悔しないためにも、実際に行動を起こす前に自分の強みや向いている働き方を客観的に整理することが大切です。
dodaの「転職タイプ診断」は、60問の質問に答えることで、職場環境・仕事内容・給与・労働条件の4つの視点から満足度をチャート化。どこに不満があり、何を改善したいのかが一目でわかります。
所要時間は約7分。年収アップも含め、キャリアを見直すひとつの機会にしてみてはいかがでしょうか。
本当に生活が苦しいときに頼れる公的支援
節約や副業でも対応しきれないほど生活が厳しい場合には、公的な支援制度を頼ることも選択肢のひとつ。
厚生労働省の「生活困窮者自立支援制度」では、自立相談支援員による家計や仕事の相談、住居確保給付金の支給など、生活の立て直しを支援しています。また「生活福祉資金貸付制度」では、低所得世帯や高齢者世帯などを対象に、生活費や一時的な費用のための低利子・無利子の貸付を行っています。
窓口は、市区町村の社会福祉協議会や自治体の相談窓口です。ひとりで抱え込まず、早めに相談することが、状況の悪化を防ぐ近道。専門家への無料相談を活用するのも、有効な手段です。
物価高に関するよくある疑問【Q&A】
ここまで、物価高の実態や対策を具体的な数字とともに見てきました。最後に、多くの人が抱きやすい疑問について、これまで紹介してきたデータを踏まえながら、あらためて整理します。
Q. 物価高はいつまで続くの?
「いつまで続くのか」は断定できません。消費者物価指数は前年同月比で1%台の上昇が続き、食料など幅広い品目で値上がりが確認されています。
一方、実質賃金は2025年までマイナス基調でしたが、2026年に入りプラスに転じる動きも。物価と賃金のバランスは、為替や企業の賃上げ動向など複数の要因に左右されるため、両方の動きを合わせて見ていく視点が欠かせません。
Q. 節約だけで乗り切れる?給料が上がらないのに物価が上がるのはなぜ?
固定費や変動費の見直しには限界があります。生活の苦しさの程度にもよりますが、節約だけで乗り切るのは現実的ではありません。
なお、給料は上がっているのに物価が上がる理由は、名目賃金と実質賃金の違いにあります。給料の額面が増えても、物価上昇率がそれを上回れば、実際に使えるお金の価値は目減りするのが一般的です。
物価高のいま、できることから始めよう
物価高が続く中で「生活できない」と感じるのは、大げさな感覚ではありません。まずは家計を見える化し、固定費から手をつけること。それでも限界を感じるなら、年収の見直しやはたらき方の選択肢も視野に入れてみましょう。
できることから、ひとつずつ。今日の一歩が、これからの安心につながります。
参照:総務省|報道資料|家計調査報告(二人以上の世帯)2026年(令和8年)5月分
参照:統計局ホームページ/消費者物価指数(CPI) 結果
参考:毎月勤労統計調査 2025(令和7)年分結果確報|厚生労働省
参考:毎月勤労統計調査 2026(令和8)年4月分結果確報|厚生労働省
参照:『2024年 日本経済の意識調査〜賃金・物価編〜』を実施しました – Job総研プラス
参照:Job総研『2025年 休み方実態調査〜物価高編〜』を実施しました – Job総研プラス
参照:生活困窮者自立支援制度 |厚生労働省
参照:生活福祉資金貸付制度 |厚生労働省












