2026.07.3
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小学生の夏休み、共働き家庭はどう乗り切る?立ちはだかる「壁」の正体と対策
夏休みが近づくと、頭を悩ませる共働き家庭は少なくありません。学童の預かり時間、お弁当作り、留守番中の安全。毎年同じ悩みに直面する背景にあるのが、「小1の壁」「小4の壁」と呼ばれる構造的な課題。この記事では、実際の調査データをもとに、共働き家庭の実態と役立つヒントをお届けします。
小学生の夏休みが近づくと共働き家庭が憂鬱になる理由
夏休みは子どもにとって楽しい長期休暇。でも共働き家庭にとっては、多くの悩みが集中する時期でもあります。
学校がなくなれば給食もなくなり、毎日の昼食準備という新たな負担が発生。学童保育を利用する場合でも、保育園時代より預かり時間が短くなったり、開所時間が親の出勤時間に間に合わなかったりと、時間調整に追われる家庭が少なくありません。
さらに宿題や自由研究の進捗管理、留守番中の安全確保まで課題は山積み。
次章からは、こうした悩みの背景にある「壁」の正体から預け先の選択肢、はたらき方の工夫、家庭でのルール作りまで、夏休みを迎える共働き家庭が知っておきたい情報を順に整理していきます。
共働き家庭を悩ませる「小1の壁」「小4の壁」の正体
共働き家庭の前に立ちはだかる2つの壁は、俗に「小1の壁」「小4の壁」と呼ばれます。まずは、それぞれどんな壁なのかを具体的に見ていきましょう。
「小1の壁」とは?|保育園との違いで生じるギャップ
「小1の壁」とは、子どもの小学校入学を機に、仕事と育児の両立が急に難しくなる現象を指す言葉です。
主な原因は、保育園時代との仕組みの違い。登校時間が保育園の預かり開始時間より遅く、親の出勤後に子どもが家を出るケースもあります。また、保育園時代は給食があったけれども、学童ではお弁当を準備しなければならなくなることも。
下校時間も早く、保育園にはなかった夏休みなどの長期休暇が新たに発生します。学校行事や面談で平日の休みが必要になる場面も増え、急な発熱で呼び出されることも珍しくありません。
実際、こども家庭庁がおこなった調査では、学校がある日の朝の主な居場所として「自宅(こどもが一人で過ごす時間があり、不安がある)」と答えた保護者は28.3%にのぼります。小1(小学校入学)は、家庭の時間管理を一から見直す節目なのです。
参照:こども家庭庁 令和6年度子ども・子育て支援調査研究事業 小学校の長期休業中におけるこどもの居場所に関する調査研究報告書 ~朝の居場所に係るデータ抜粋~
「小4の壁」とは?|高学年になっても子どもだけでは過ごしにくい現実
「小4の壁」は、学童保育を卒業する子どもが増える一方で、まだ親のサポートが必要な現実から生まれる言葉です。
学童の対象学年は制度上小学6年生まで広がっていますが、登録児童数を見ると、小1の45.6万人に対して小4はわずか19.9万人。この理由は、子どもが学童を嫌がる、習い事が増えるなど、一つではありません。
一方で、利用したくてもできなかった待機児童数を学年別に見ると、小4が5,589人と全体の34.2%を占め、学年別で最多。低学年の児童が優先されることもあり、自治体によっては実質小3までしか利用できないケースが珍しくありません。
学童は利用できない可能性があるものの、1人で過ごさせるのは不安が残る。結果として小4のタイミングで保護者の負担が増えがちになるのです。
参照:こども家庭庁|令和7年 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況
学童に入れなかったら?保護者の本音とリアルな過ごし方
学童保育を希望しても、利用できない家庭は少なくありません。では実際に「入れなかった」家庭は、夏休みをどう過ごしているのでしょうか。こども家庭庁が2025年7月に実施した「放課後のこどもの過ごし方に関する保護者アンケート」から、リアルな実態とホンネを解説します。
参照:こども家庭庁|放課後のこどもの過ごし方に関する保護者アンケート
学童に入れなかった子の半数近くが「自宅で留守番」
学童に入れなかった子どもの過ごし方を見ると、最も多いのは「自宅で留守番」で48.1%。次いで塾・習い事が16.3%、祖父母宅等の親類宅が8.9%という結果でした。
放課後子供教室の利用は7.6%、児童館の利用は5.9%にとどまり、いわゆる民間学童の利用も4.1%と少数派。料金や送迎の負担を考えると、誰もが気軽に選べる選択肢ではないことがうかがえます。
結果として、学童に入れなかった家庭のおよそ半数が「子どもだけで自宅で過ごす」形に落ち着いているのが実情。預け先が見つからないまま夏休みを迎える家庭は、想像以上に多いのかもしれません。
「はたらき方を変えた」保護者は約6割。具体的にどう変わった?
学童に入れなかったことで、保護者自身の生活にも変化が生じています。
アンケートでは、59%の保護者が「生活に変化があった」と回答。内容を見ると、最も多いのは「就労時間を変えた」で52%。パートのシフト調整などが中心です。続いて「就労形態を変えた(正社員からパートタイムなど)」が7%、「転職した」が3%、「仕事を辞めた」も3%でした。※その他が35%
この結果から、シフト調整のような小さな変化だけでなく、転職や離職という大きな決断に至るケースも一定数あることがわかります。子どもの預け先が見つからないという問題が、家計を支えるはたらき方そのものを左右しているのが実情です。
保護者の本音「夏休みだけでも預かってほしい」
同アンケートの自由記述には、保護者の切実な声が多数寄せられています。
夏休みに関連して多く挙がったのが、「夏休みなど長期休みだけでも利用できる場所が欲しい」で、約160件。「夏休みなど長期休みは一人で家にいるのが不安」が約100件、「留守番中の事故や不審者が心配」との声も約90件寄せられました。
年間を通した学童利用までは難しくても、夏休みなどの長期休暇期間だけ柔軟に使える仕組みがあれば、という現実的な思いと同時に、子どもの安全を願う保護者ならではの切実な思いが伺える結果となっています。
夏休みの預け先、どんな選択肢がある?
夏休みの子どもの預け先は、学童保育だけではありません。ここでは、主な預け先の選択肢とそれぞれの特徴を紹介します。
公立学童・民間学童
公立学童は、利用料が比較的安く、地域に根づいている点が安心材料です。一方で対象学年に制限がある地域や、定員に達して利用できないケースも。
民間学童は料金が高めですが、預かり時間が長く、習い事やプログラミング、英語などのプログラムが受けられるようなところも多いのが特徴です。送迎サービスを提供する事業者もあり、忙しい家庭にとっては心強い存在に。
料金と利便性、どちらを優先するかで、選ぶべき学童のタイプは家庭ごとに変わってきます。公立と民間を併用し、曜日によって柔軟に使い分ける家庭も少なくありません。
祖父母・親戚に頼る
短期間であれば、祖父母や親戚に子どもを預けるという選択肢もあります。
住んでいる場所が近ければ日帰りで、遠方であれば数日間の泊まりで頼るケースも見られます。費用がかからず、子どもにとっても普段とは違う環境で過ごす良い機会に。
ただし、祖父母の体力的な負担や生活リズムの違いには配慮が必要。何時に何をするか、食事やおやつのルールなど、事前に具体的な内容まで話し合っておくと、双方にとって無理のない形で頼ることができます。
感謝の気持ちを伝えることも、良い関係を長く続けるための大切なポイントです。
サマーキャンプ・サマースクール・夏期講習
数日から1週間程度の短期プログラムも、夏休みに挑戦しやすい過ごし方の一つです。
野外での自然体験を行うサマーキャンプは、子どもだけで参加することが多く、自立心や協調性を育むきっかけにも。インターナショナルスクールなどが開く語学プログラムも人気で、英語に触れる夏休みを過ごせます。
学習面では、塾の夏期講習やプログラミング教室の短期講座を利用すれば、日中の時間を学びで埋めることが可能。費用はかかりますが、子どもの興味や成長段階に合わせて選べば、預け先と学びの機会を同時に得られます。
人気のプログラムは早期に埋まりやすいため、早めにリサーチを進めるのがおすすめです。
放課後子供教室やファミリー・サポート・センター
学童保育以外にも、地域には知っておきたい行政サービスがあります。
放課後子供教室は、共働き家庭かどうかにかかわらず、すべての児童が利用できる点が学童と異なります。実費以外は原則無料で、夏休み中に開かれることも。
ファミリー・サポート・センターは、地域の協力会員が子どもの預かりや送迎を担う仕組みです。学童に入れなかった子どもの過ごし方のうち、ファミリー・サポート・センターの利用は0.4%にとどまりますが、いざというときの貴重な選択肢の一つです。
お住まいの自治体の制度を、一度確認してみるとよいでしょう。
預け先と並行して考えたい「はたらき方」の工夫
預け先が決まれば一安心。ですが、夏休みを乗り切るカギは、子どもの居場所だけではありません。ほかならぬ保護者自身のはたらき方を見直すことも、負担を減らす有効な手段です。
夫婦・パートナーで休暇を分散させる
夏休み中、子どもを一人にする日数を減らす工夫として、夫婦やパートナー間で休暇のタイミングをずらす方法があります。
一般的に、保護者の休暇はお盆休みなどに集中しがちですが、あえて時期を分散させることで、誰かが必ず家にいる日を作れます。
有給休暇の取得日を交互にする、夏季休暇の期間を半分ずつずらすなど、やり方はさまざま。事前にカレンダーを共有し、家族全員のスケジュールを可視化しておくと調整もスムーズです。
会社によっては、夏季休暇の取得時期を調整できるケースもあるため、早めの相談が肝心。一人で抱え込まず、パートナーと役割を分け合いましょう。
テレワークやフレックスなど、会社の制度を活用する
在宅勤務やフレックスタイムなど、会社の柔軟な制度を活用することも、対応の幅を広げる大切な手段の一つです。
テレワークが可能であれば、子どもの様子を確認しながら仕事を進められます。またフレックスタイム制を使えば、学童のお迎え時間に合わせて勤務時間をずらすことも可能。
近年、時短勤務や時間単位の有給休暇制度を設けている企業も増えてきました。自分の会社にどんな制度があるか、夏休み前に一度確認しておくと、いざというときに慌てずに済みます。
今の職場のはたらきやすさを見直す
夏休み対応に追われる中で、ふと「今のはたらき方はそもそも自分に合っているのか」と考えたことはありませんか?
在宅勤務や時短勤務が認められない職場で苦労している場合、それははたらき方そのものを見直すタイミングかもしれません。
今すぐ転職を考えていなくても、自分がどんな仕事観を持ち、どんな環境で力を発揮しやすいのかを知っておけば、いざというときも迷わずに行動に移ることができます。
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所要時間は約7分。夏休みという節目を、キャリアを見直す一つの機会にしてみてはいかがでしょうか。
子どもと一緒に考えよう「夏休みのルール」
預け先やはたらき方の調整に加え、もう一つ大切なのが子どもとのルール作りです。夏休みは生活リズムが乱れやすく、留守番中の安全確保も気になるところ。事前に親子で話し合い、具体的なルールを決めておくことで、不安を減らすことができます。
1日のタイムスケジュールを親子で可視化する
夏休みは学校という時間の区切りがなくなるため、生活リズムが乱れてしまいがち。
起床時間や朝食の時間、宿題や学習に取り組む時間、自由に遊んでいい時間など、1日の流れをあらかじめ親子で話し合い、紙やホワイトボードに書き出して可視化しておくと効果的です。
子ども自身が見て確認できる形にすることで、何度も口頭で注意する必要がなくなり、保護者の負担が減る効果も。最初は守れない日があっても、いずれ習慣として定着します。
大切なのは、完璧な計画ではなく、続けられる範囲のスケジュールにすること。子どもと一緒に作ることで、納得感も生まれます。
留守番中の「やっていいこと・ダメなこと」を明確に
留守番中の安全を守るには、何をしてよく、何をしてはいけないのかを具体的に決めておくことが欠かせません。
たとえば、インターホンには出ない、知らない人が来ても鍵を開けない、火やガスは使わないなど、基本的なルールを言葉にして伝えましょう。
外出する場合の範囲や、誰と一緒なら出かけてよいかを事前に決めておくことも大切。さらに、ゲームや動画視聴の時間制限も、夏休み前に話し合っておくと、後々揉めることを防げます。
一度決めたルールは、紙に書いて貼っておくなど、目に見える形で残すのがおすすめ。子どもの年齢に応じて内容を見直すことも忘れずに。
GPSや見守りカメラなど、テクノロジーで安心をプラス
前述の保護者アンケートの自由記述で多く寄せられた「留守番中の事故や不審者が心配」との声。
こうした不安を和らげる具体的な手段として、GPS機能付きの携帯電話や見守りカメラの活用が挙げられます。
子どもの位置情報をリアルタイムで確認できれば、外出先での安心感は大きく変わります。見守りカメラを自宅に設置し、留守番中の様子を外出先からスマートフォンで確認する方法も。
すべてを技術で解決できるわけではありませんが、ルール作りと組み合わせることで、安心の度合いは確実に高まります。導入のコストと安心感、家庭の事情に応じて選びましょう。
事前のリサーチ&対策で、安心・充実の夏休みを
「小1の壁」「小4の壁」は、共働き家庭であれば誰もが一度はぶつかる構造的な課題です。
まずは、学童、祖父母、サマーキャンプ、行政サービスなど、預け先の選択肢の確認を。加えて休暇の分散やテレワークではたらき方も調整し、家庭でのルール作りまで整えれば、親も子も負担はグッと軽減されます。
すべてを自力で完璧にこなす必要はありません。家族や職場、地域のサポートをうまく組み合わせ、無理のない仕組みをつくりましょう。
なお、夏休み対応をきっかけにはたらき方を見直したいと感じたら、自分の価値を客観的に確認してみるのもおすすめ。
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