2026.06.3

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副業禁止の理由とは?副業のリスクや注意点を解説

勤めている会社で副業が禁止されているのか、どのような副業であれば認められるのかルールがわからず、副業を始められていない方も多いのではないでしょうか。今回は、会社が副業を禁止する理由や副業を行う際の注意点、会社に認められやすい仕事について解説します。

会社が副業を禁止する理由とは?

国が副業・兼業を推進する流れを受け、副業を認める会社は増えています。実際に、Job総研「2023年 副業・兼業の実態調査vol.2」では、副業が会社で許されていると回答した人が68.5%にのぼりました

一方で、副業を認めている会社の中でも「条件付き」で認めているケースが半数以上を占め、また、依然として31.5%の企業は副業を禁止しています

多くの会社が副業解禁へと舵を切りつつも、なぜ「条件」をつけたり、あるいは「禁止」を維持したりするのでしょうか。副業を検討する社会人が知っておくべき、会社が副業を禁止する4つの理由を解説します。

本業への支障

会社が副業を制限する最大の理由は、「本業がおろそかになること」を防ぐためです。

私たちの体力や集中力には限界があります。仕事終わりや休日にまで別の作業を詰め込むと、心身を休める時間が削られ、どうしても疲れが溜まってしまうもの。その結果、本業で思わぬミスをしたり、遅刻が増えたりしては本末転倒です。

社員が社外でどれだけ働いているか、会社側がすべて把握するのは簡単ではありません。だからこそ、社員の健康を守り、仕事の質を落とさないためのルールとして、副業を禁止しているケースが多いのです。

情報漏洩のリスク

会社が副業を警戒する大きな理由に、「大切な情報の流出」があります。

どんな会社にも、その企業だけの技術や顧客リスト、動いているプロジェクトといった秘密の情報があるもの。たとえ本人に悪気がなくても、副業先でつい本業の知識を使ってしまったり、うっかり内容を話してしまったりするリスクはゼロではありません。

今の時代、たった一度の情報漏洩が企業の信頼をガタ落ちさせてしまいます。最悪の場合、倒産や損害賠償にまで発展するケースも珍しくありません。会社側が副業に慎重になるのは、こうした取り返しのつかないトラブルから組織と社員を守るためでもあります。

競業避止

副業を認めている会社であっても、「競合他社ではたらくこと」だけは禁止しているケースは多くあります。これを専門用語で「競業避止(きょうぎょうひし)」と呼びます。

理由はシンプ、自社のノウハウや顧客ルートを競合に知られると、会社の利益が脅かされてしまうからです。本業で身につけた特別なスキルや人脈を、そのままライバル社のために使われては会社もたまったものではありません。

「バレないだろう」と安易に同業種で副業を始めると、大きなトラブルに発展する恐れがあります。副業を探す際は、自社と利益がぶつからないか、事前にしっかり確認しておくことが大切です。

労働時間の管理上の問題

会社には、社員が心身ともに健康で働けるように気を配る「安全配慮義務」という責任があります。実は、副業を認めにくい背景には、この「労働時間の管理」がとても複雑になるという事情があります。

現在の法律では、本業と副業の労働時間を合計して計算するのがルールです。もし合計して1日の法定労働時間を超えれば、残業代が発生したり、会社が「はたらかせすぎ」として責任を問われたりする可能性があります。

しかし、社員が外で何時間はたらいているかを会社が完璧に把握するのは、実務的にかなり大変です。この管理の難しさや、知らないうちに社員がはたらきすぎてしまうリスクを避けるために、副業にストップをかけている企業も少なくありません。

副業禁止の就業規則に法的な拘束力はある?

副業の可否は会社の就業規則で定められていますが、「そもそも就業規則に副業を禁止する法的な拘束力はあるのか」と疑問に持つ人もいるのではないでしょうか。

結論から言えば、一般的な民間企業において、副業禁止を定めた就業規則そのものに絶対的な法的拘束力(法律としての強制力)はありません。 憲法第22条「職業選択の自由」では「職業選択の自由」が保障されており、原則として就業時間外の時間をどのように使うかは個人の自由だからです。

ただし、公務員に関しては明確に法律(国家公務員法・地方公務員法)で副業が原則禁止されています。営利企業への就職や自ら事業を行うことは厳しく制限されており、違反した場合は免職などの重い処分が下されます。

副業が会社にバレる主な要因

「内緒でやればバレないだろう」と考えるのは禁物です。会社に隠して副業を行ったとしても、思わぬルートから発覚するケースは少なくありません。副業が会社に発覚する主なルートは、大きく分けて以下の2つです。

住民税の決定通知書(特別徴収額の変化)

副業が会社にバレてしまう理由で、最も多いのが「住民税の金額」の変化です。

副業で一定の収入を得ると、その分だけ翌年の住民税が高くなります。毎年5月〜6月ごろ、自治体から会社へ「住民税の決定通知書」という書類が届きます。これを見た人事や経理の担当者が、「この給料に対して、住民税の額がやけに高いな」と違和感を抱くことで、副業の存在に気づく仕組みです。

本業の給料から住民税を天引き(特別徴収)している場合、会社にはその合計額が通知されてしまいます。自分で対策をしない限り、数字のズレから隠し通すのはかなり難しいと言えるでしょう。

本人や知人のSNS投稿、目撃情報

意外と盲点なのが、SNSや身近な場所からの情報漏洩です。

「副業で月〇万円稼いだ!」といった不用意な投稿をしたり、プロフィールの自己紹介に副業の内容を書いていたりしませんか?たとえ匿名のアカウントでも、投稿内容から個人が特定されて会社にバレるケースは少なくありません。

また、副業で働いている姿を同僚や取引先に見られてしまうリスクもあります。

  • 「たぶんバレないだろう」と隠れてアルバイトをする
  • 知人のSNS写真に自分が写り込んでしまう
  • 副業の成果を自慢したくて、つい同僚に話してしまう

こうしたちょっとした油断から噂が広まり、会社へ報告されてしまうパターンも多いもの。一度ネットに上げた情報は消せませんし、人の口に戸は立てられません。SNSの運用には細心の注意が必要です。

副業禁止の会社で副業がバレたらどうなる?

万が一、副業禁止の会社で隠れて行っていたことが発覚した場合、どのようなペナルティがあるのでしょうか。

罰則の内容は各社の就業規則によって異なりますが、一般的には違反の重さに応じて以下のような懲戒処分が下される可能性があります。

処分の種類具体的な内容
戒告・譴責(けんせき)口頭や始末書による厳重注意。
減給一定期間、給与の一部が差し引かれる。
出勤停止労働が禁止され、その期間の給与も支給されない。
懲戒解雇・諭旨退職最も重い処分。いわゆるクビ、あるいは退職勧告。

また、こうした処分がない場合も、社内での信用を失うリスクはゼロではありません。一度失った信頼を取り戻すのは簡単ではなく、その後の昇進ルートから外されたり、重要なプロジェクトに抜擢されなくなったりするなど、キャリアに悪影響を及ぼす可能性もあります。

だからこそ、自分が勤める会社の就業規則をあらかじめ確認し、どのようなリスクを背負うことになるのかを正確に把握しておくことが極めて大切です。

副業禁止の会社でも認められやすい稼ぎ方

副業が原則禁止されている会社であっても、労働の切り売り(アルバイトなど)とは異なり、個人の私的活動や資産運用の範囲として「認められやすい(制限に引っかかりにくい)」稼ぎ方も存在します。

資産運用

副業禁止の会社でも、比較的認められやすいのが株やFX、仮想通貨などの「資産運用」です。

これらは自分の資産を動かして利益を得るもので、どこかに雇われて労働力を提供するわけではありません。そのため、多くの企業では副業禁止のルールには当てはまらないとされています。

ただし、守らなければいけない鉄則があります。それは「仕事中に取引をしないこと」です。

  • 勤務時間にこっそり株価をチェックする
  • 仕事中にスマホで売買を繰り返す

こうした行動は「職務専念義務(仕事に集中するルール)」に違反してしまいます。たとえ資産運用自体がOKでも、本業をおろそかにすれば当然厳しく注意されるでしょう。あくまで仕事が終わった後や休憩時間など、プライベートな時間で計画的に進めるのが基本です。

不動産投資

マンションやアパート経営、駐車場の運営なども、副業禁止の会社で認められやすい稼ぎ方の一つです。

大きな理由は、管理会社に実務を任せてしまえば、本業中に労働が発生しない「不労所得」とみなされるからです。また、親から実家や土地を相続したという「やむを得ない事情」でオーナーになる人も多いため、会社側も一律にダメとは言いづらい側面があります。

一般的には「5棟10室未満」といった一定の規模以下であれば、副業にはあたらないと判断する企業が多いようです。

ただし、規模が大きくなりすぎると「事業」として扱われ、申請が必要になる場合もあります。また、資産運用と同じく、仕事中に物件の管理や入居者対応をするのはNGです。まずは自分の会社の就業規則を確認し、ルール内で運用することを心がけましょう。

アフィリエイト

ブログやSNSで商品を紹介して広告収入を得るアフィリエイトも、多くの会社で認められやすい活動です。

記事を書くこと自体は、日記や趣味の延長として捉えられることが多いためです。どこかの企業に雇われて働くわけではないので、本業に支障が出ない範囲であれば、厳しく制限されるケースは少ないでしょう。

不用品販売

不要になった衣類や家具を「メルカリ」や「ヤフオク!」などで売却して得る収入は、生活用動産の処分とみなされるため、副業にも該当しません。

ただし、利益を得る目的で仕入れを行って継続的に転売する行為(せどり・転売ビジネス)は、事業とみなされ副業禁止に抵触する可能性が高くなります。

趣味の作品販売

ハンドメイドのアクセサリー販売やLINEスタンプ作り、撮った写真の販売などは、多くの会社で「趣味の延長」として認められやすい活動です。

これらは自分のアイデアを形にする「表現の自由」に関わるもの。そのため、どこかの会社に雇われて働くアルバイトなどとは違い、厳しく制限されることは少ないでしょう。週末にフリマアプリに出品したり、同人誌を作ったりすることも、基本的には個人の自由な時間での楽しみとみなされます。

ただし、あまりに利益が出すぎると「趣味ではなく仕事」と判断される可能性もあるので注意が必要です。

社会貢献につながる副業

大学での講義や専門誌への執筆、ボランティア活動などは、副業禁止の会社でも「例外的に認められやすい」ケースの代表格です。

むしろ、社員が外部で活躍することは「あの会社には優秀な人がいる」という会社のイメージアップにつながることもあります。もちろん、勝手に進めるのではなく「事前の相談」が欠かせません。

  • 大学やセミナーで講師を務める
  • 専門的な知識を活かして本やコラムを書く
  • NPO法人などで活動し、実費程度の謝礼を受け取る

こうした活動は、会社にとっても「社員のスキルアップ」というメリットがあります。もし社会貢献につながる活動に誘われたら、まずは人事に「こんな活動を通して社会に恩返しがしたい」と正直に伝えてみるのが一番の近道です。

副業を始めるに当たって注意すべきこと

副業を始める場合、以下の4つのポイントを守ることが大切です。

就業規則の「例外規定」を確認する

「原則禁止」と書かれていても、その後に「ただし、事前に会社の許可を得た場合はこの限りではない」といった例外規定が用意されているケースは非常に多いです。どのような手続きを踏めば公式に認められるのか、人事部や上司への相談ルートを必ず確認しましょう

情報漏洩に注意する

副業先で、本業で使用しているパソコンを使ったり、本業のメールアドレスを流用したりすることは絶対に避けてください。また、日常の会話やSNSでの発信も含め、本業の機密情報が少しでも混ざらないよう、公私の境界線を100%分ける意識が必要です。

確定申告が必要な「所得」のボーダーラインを知る

副業によって得られた「所得(売上から必要経費を差し引いた利益)」が年間20万円を超える場合、所得税の確定申告を行う義務が生じます。「少額だから大丈夫」という勝手な判断NGです。心配な場合は税務署などで必ず確認しましょう。

本業に支障が出ないように労働時間の配分を決める

精神論だけで「寝ずに頑張る」「気合で乗り切る」というのは不可能です。時間と体力の限界を理解し、コントロールしなければ、必ず本業と体調の双方にガタがきます。

Job総研の「2025年 副業・兼業の実態調査」でも、副業経験者たちのリアルな声が集まりました。

  • 「副業していた時期があるが、体力的に続かなかったし、本業との両立は物理的に無理だった」(30代男性)
  • 「副業の納期が重なり、睡眠時間が削られた。結果として本業中に強烈な眠気に襲われ、体調を崩してやめてしまった」(20代女性)

副業を継続し、かつ成功させるためには、実生活とのバランスがすべてです。闇雲に案件を詰め込むのではなく、「本業に支障が出ないか」「プライベートの時間を過度に損なわないか」「健康を害さないか」など、副業を始めた後のリアルな働き方のシミュレーションを事前に行うことが不可欠です。

「収入を増やしたい」なら副業以外の選択肢も

もし、あなたが副業を考えている最大の動機が「目先の収入を増やしたいから」であるならば、副業以外の選択肢もあります。

今の会社での昇給・キャリアアップを目指す

副業で月に2〜3万円を稼ぐために、毎月何十時間もの貴重なプライベートの時間を切り売りする生活は、長期的な視点で見ると「投資対効果」が高いとは言えません。

Job総研「2025年 副業・兼業の実態調査」でも、副業で実際に得た月収の平均は5.4万円となっています。さらに最も多い回答は1万円であることから、副業での収入は少額であることがわかります。

副業に費やすはずだった時間やエネルギーを、本業に直結する資格の取得やスキルアップ、社内評価を高めるための成果作りに集中させてみてください。

本業で昇給・昇格したり、賞与(ボーナス)の評価を上げたりする方が、結果として生涯賃金を数千万円規模でアップさせるかもしれません。

「今の会社でどれだけ頑張っても適切な給与がもらえない」と感じる場合は、まずは客観的な視点が必要です。

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自分のスキルを活かせる業界・企業へ転職する

もし年収査定の結果、自分の市場価値に対して今の会社の給与水準が低いと判明した場合や、今後の昇給が見込めない場合は、「隠れて副業をする」のではなく、「自分のスキルを正当に評価し、かつ副業も容認してくれる業界・企業へ転職する」のも一つの手です。

特に20代・30代の若手層であれば、ポテンシャルやこれまでの実績を評価され、転職するだけで年収が数十万円〜百万円以上アップするケースも珍しくありません。一歩を踏み出し、よりはたらきやすく、収入水準の高い環境を探してみてはいかがでしょうか。

資産運用など「副業」に当たらない方法を試す

今の会社に残りつつ収入の柱を増やしたい場合は、労働時間を切り売りする副業ではなく、少額からのつみたてNISAやiDeCoを活用した「資産運用」を試すのも一案でしょう。

また身の回りの不用品を販売するなど、就業規則に反しない方法で副収入を得る方法もあります。

目先の副収入か、一生モノのキャリアか

会社が副業を禁止する理由は、社員の心身の健康を守り、企業の信用や不利益を防ぐためです。

近年、会社が副業を容認する時代へと変わりつつありますが、その大半はルール遵守を前提とした「条件付き」の解禁です。会社の規則を無視して隠れて副業を行うことは、発覚した際に社内での信用を失ったり最悪の場合懲戒処分となったり、得るものに対して失うリスクが大きいと言えます。

収入を増やす方法は副業だけではありません。

もし現在の収入に満足していない場合は、ご自身の市場価値を正しく把握することから始めてみませんか?

そこから、本業でのキャリアアップを目指すべきか、あるいは自分の価値を最大化できる場所(転職)を探すべきか、一生モノのキャリアに繋がる最適な道が見えてくるはずです。

参照:
Job総研「2023年 副業・兼業の実態調査vol.2」
Job総研「2025年 副業・兼業の実態調査」

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