2026.06.2
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「定時で帰る人にムカつく」のはなぜ?イライラの正体と、すり減らないためのはたらき方
周りの社員が必死に残業している中、定時になった瞬間「お先に失礼します」と帰っていく同僚の姿。ついイライラしてしまい、「自分の心が狭いのだろうか……」と自己嫌悪に陥った経験はありませんか?今回は、Job総研の調査データを中心に、定時で帰る人にまつわるリアルな本音と、その背景にある組織の歪みに迫ります。
「定時で帰る人にムカつく…」職場で募るモヤモヤの本音
定時で帰る人に対し、「ムカつく」という感情を抱く人は案外多いもの。まずは、定時で帰る人に対するモヤモヤの正体から解き明かしていきましょう。
「みんな残業しているのに…」空気を読まない振る舞いにイライラ
部署の多くが残業をするなか、職場の空気を気にする様子もなく定時で退社していく同僚に対し、反射的に苛立ちを覚えるのはよくある話です。
繁忙期であればなおのこと、組織の和を乱し、自分一人の都合を優先させているように感じられてしまうのも無理はありません。
「なぜあの人だけが周囲に合わせず、平気な顔をして帰れるのか」という不満は、真面目な人ほど募りやすいもの。「もっと空気を読むべきでは」という思いが、モヤモヤを生み出します。
真面目に残業している自分がバカバカしい
自分が膨大なタスクに追われていると、定時でサッと帰る同僚の存在が引き金となり、心の中に強い不公平感が芽生えがち。
「自分は会社やチームのためにこれほど時間と労力を削って貢献しているのに、なぜあの人は何のペナルティも受けずにプライベートを楽しめるのか」という虚しさが一気に押し寄せます。
場合によっては、真面目に責任を果たしようと頑張っている自分の努力そのものが、ひどく損な役割のように思えてしまうことも。
このやり切れない感情が蓄積していくと、やがてモヤモヤが怒りへと形を変え、自分の犠牲が無視される環境への不満も募ります。
なぜイライラする?「定時退社」が反感を買ってしまう3つの心理
定時で帰る同僚に覚える苛立ちは、決して単なる個人のわがままや嫉妬ではありません。その感情の背景には、日本の職場環境特有の構造や、人間が組織ではたらく上で無意識に抱く心理的なメカニズムが深く関係しています。
ここでは、相手に対してモヤモヤしてしまう代表的な3つの心理的背景を紐解きます。
日本の職場に根強く残る「同調圧力」と「残業美学」
日本の多くの職場には、「周囲と同じ行動をとるべきだ」という目に見えない同調圧力が今なお存在します。
また、遅くまで残ってハードにはたらく人ほど会社への忠誠心が高く、熱心に仕事へ向き合っていると見なす、古い「残業美学」も根深く残っているのが現状。
このような環境では、周囲の目を気にせず定時で退社する行為自体が、組織の輪を乱す身勝手な行動のように誤解されてしまいがち。
真面目にはたらく人ほどこの価値観に縛られやすいため、ルールを守って帰る相手に対して無意識のうちにストレスを溜め込んでしまうのです。
業務負担の偏りから生まれる「不公平感」
特定の社員が毎日定時で帰れる一方で、別の社員が膨大なタスクに追われて残業せざるを得ない状況であれば、そこには明らかな業務量の偏りが発生しています。
自分ばかりが過度な負担を背負わされていると感じれば、組織に対する強い不公平感を抱くのは当然のこと。このケースにおけるイライラの根本は、不適切な仕事の配分に対する不満です。
しかしこの不満は、その原因を作っている組織の仕組みではなく、目の前で身軽に帰っていく同僚に向いてしまいがち。そのため、個人間の衝突に発展しやすくなり、職場の人間関係に深い溝を生み出します。
自分も本当は早く帰りたいという「羨ましさ」の裏返し
「定時退社する人がムカつく」という強い拒絶感の裏側に、「自分も本当は早く帰ってプライベートを充実させたい」という、抑え込まれた本音が隠れているケースは少なくありません。
自分が会社のルールや周囲の目を気にして必死に我慢しているぶん、他人が平然とやってのける姿を目にすると、羨ましさが攻撃的な感情へと変換されてしまうのです。
人によっては、自分のはたらき方を否定されているかのように感じられて大きなストレスに。自分のはたらき方に疑問を抱くきっかけとなることも。
「定時で帰る人」の2つのタイプ
定時退社をする人に対する評価は、その人の日頃のはたらき方や周囲への向き合い方によって180度異なります。ここでは、対極にある2つのタイプについて、それぞれの具体的な特徴を解説します。
仕事が効率的でタスク管理が完璧な「優秀な人」
業務時間内にすべてのタスクを終わらせるスキルが高く、高い生産性を発揮して成果を出しているタイプです。
このタイプの人は、1日のゴールから逆算して計画的にスケジュールを組み立てており、無駄な業務や突発的な時間のロスを徹底的に排除しています。自分の果たすべき責任や役割を時間内に完璧に全うしているため、定時で退社することについて後ろめたさは基本的にありません。
組織全体の生産性を高めるという意味でも、本来であればお手本として推奨されるべき理想のはたらき方を体現する人です。
周囲に仕事を押し付けて帰る「無配慮な人」
自分の担当業務が終わっていないにもかかわらず放り出したり、周囲のメンバーがトラブルや繁忙期で明らかに困っている状況を完全に無視して帰ったりするタイプです。
このタイプの人は、定時退社という権利の主張の裏で、チームワークへの配慮や社会人としての責任感に乏しい傾向があります。しわ寄せは周囲の同僚に及ぶため、残業組が「無責任だ」とはげしい憤りを感じてしまいがち。
組織の環境というよりは、個人の仕事に対する姿勢やモラルに原因があるケースです。
【データで見る】「本当は早く帰りたい」ビジネスパーソンのリアルな実態
定時で帰る人にモヤモヤする背景には、ビジネスパーソンが抱える「帰りたくても帰れない」というジレンマが関係しています。ここでは、Job総研の調査をもとに、ビジネスパーソンのリアルな本音を整理していきます。
7割以上の社会人が「定時で上がりたい」と意識している

Job総研の「2023年 残業に関する実態調査」によると、全体の7割を超えるビジネスパーソンが定時上がりを意識して仕事をしています。
年代別で見ると、20代が76.6%と最多で、若い世代に定時上がりの意識が強く見られることがわかります。
現実的に可能かどうかはさておき、定時上がりを望む人が多数派であることが改めて示される結果となりました。
実際は6割が定時退社できているのに「自分は残業している」ギャップ

同調査で実際の終業タイミングについて尋ねたところ、「定時に終業派」が60.9%と過半数を占めました。内訳は「必ず定時に終業」16.3%、「定時に終業」25.5%、「どちらかといえば定時に終業」19.1%です。
一見はたらきやすい環境が整えられているように見えますが、だからこそ、残業をしている残り約4割の不満が高まるのもまた事実。
「なぜ自分たちの職場だけがこんなに過酷なのか」「なぜあの人だけが多数派の恩恵に預かれるのか」という不満が生じることで、目の前で当たり前のように定時退社していく人へのイライラが一段と募ることに……。
出社回帰による「残業時間の増加」が心の余裕を奪っている

回答者全体の 796人に、コロナ5類移行前と比べた残業時間の増減を尋ねると、「増えた派」が67.2%と過半数を占めました。
また、コロナ後に出社頻度が増加した507人に同じ質問をしたところ、「増えた派」が78.5%とさらに高い割合に。これは、出社頻度が高い人ほど残業時間が増える傾向にあることを意味します。
リモートワークから出社スタイルへの回帰が進む中で、多くの人が物理的な残業時間の増加に直面しているのが実情です。
JobQユーザーに聞く「定時退社」をめぐる職場のリアルな本音
Job総研は、JobQ Townのユーザーを対象に「残業していない人よりも、残業している人の方が評価されるのは、当然だと思いますか?」とのアンケート調査を実施しました。
以下、寄せられた回答の中からピックアップして紹介します。
- 労働時間ではなく、作業量(仕事の達成度)に応じて給料が払われるべきだし、その能率をもとに評価されるべきだと考える。
- 同じ量の仕事をこなしていても仕事が遅い人が評価されたり、残業代を稼ぐことができる環境は不当だと感じる。仕事が早い社員に仕事を回しその分その社員の評価を高めるべき
- 全てが見えるわけではないので、それだけで評価されてしまうのは違うものの、残業していたらそれだけ頑張っている風に映るのは仕方のないことだと思う
- 自分の仕事内容が少し特殊で「仕事に終わりがない、数をこなせばこなすほど良い」という仕事内容なので、残業=たくさん成果を作っているという等式が出来上がるため当然だと思う。
- 何時間やったか、よりも、何をどのくらいやったかという内容の方が重視されるべき
これらの意見から見えるのは、能率や成果を基準にすべきだという正当な主張に加え、「残業姿が頑張りに見えてしまう現実」や「職種による仕組みの限界」に多くの人が翻弄されている生々しい実態。
仕事が遅い人ほど残業代を稼げて評価もされるという理不尽な環境や、時間ではなく内容で評価する仕組みが整っていない会社側の課題が浮かび上がります。
問題の根本は「人」ではなく「環境」にある
定時で帰る同僚へのイライラが高まると、どうしても「あの人の態度が悪い」と個人を責めたくなってしまいがち。しかし一歩引いて状況を観察すると、真の問題は当事者同士の人間関係ではなく、組織の構造に隠れているケースが多く見られることがわかります。
ここでは、ストレスを生み出す元凶である「職場の環境」について掘り下げます。
業務を適切に分配できない「上司や会社」
特定の社員が毎日定時で退社できる一方で、別の社員が深夜まで残業に追われている場合、原因の大半は個人の能力差ではなく、上司のマネジメント不足にあります。
チーム全体の業務量を把握し、各メンバーのスキルや状況に応じて適切にタスクを分配することは、管理職が果たすべき重要な役割。それにもかかわらず、仕事の偏りや深刻な人員不足を放置している会社側の体制にこそ、解決すべき根本的な課題があるのです。
不適切な業務配分という仕組みの欠陥を個人の責任にすり替えている環境では、はたらき手同士の不毛な衝突が現場で発生するのも無理はありません。不満の矛先を向けるべき相手は同僚ではなく会社です。
「残業を前提」とした古い評価制度
どれほど効率よく仕事を終わらせて成果を出していても、定時で帰るという理由だけで「やる気がない」と見なされる職場は少なくありません。
こうした環境では、長時間労働を美徳とする古い評価制度が根強く残っており、定時退社する人が悪目立ちする構造が定着しています。
どれほど努力を重ねても正当に評価されない仕組みこそが、定時で帰る人への歪んだイライラを加速させる元凶。個人を憎むのではなく、成果を労働時間でしか測れない会社の拙い評価基準そのものに目を向ける必要があります。
定時で帰る人にイライラしたときの対処法
同僚へのモヤモヤを抱えたままはたらき続けることは、自身の精神衛生上、決して良いとはいえません。ここでは、定時で帰る人へのイライラを解消する具体的なアクションプランを紹介します。
他人ではなく「自分の仕事」に集中する
定時で帰る人にイライラしたときの対処法として、まず挙げられるのが、「他人ではなく自分の仕事に完全に集中すること」です。
「他人は他人、自分は自分」という明確な境界線を心の中に引くことで、定時で帰っていく同僚の姿も気にならなくなるように。
自分の成長や業務のクオリティ向上に視点を向けることで、他人の行動に対する過度な執着から解放され、自身の心の平穏を確実に手に入れることが可能となります。
自分の仕事の効率化を図り「早く帰る努力」をする
定時退社する人への苛立ちを、自分自身のとはたらき方を見直す前向きな原動力へと変換してみましょう。
どうすれば自分も業務を効率化して早く帰れるのかを突き詰め、スケジュール管理やタスクの優先順位付けを徹底的にブラッシュアップ。無駄な作業を削り、周囲に気兼ねなく定時で上がれるだけの実績と仕組みづくりに注力します。
「我慢して残業する側」から「効率よく定時で帰る側」へ自分自身がシフトしてしまえば、不公平感によるストレスも自然と解消。同時にプライベートの充実という大きなメリットも手に入ります。
環境が変わらないなら「転職」を検討する
上司への相談や業務効率化の手を尽くしても、仕事の偏りや不当な評価制度が改善されない場合は、その組織の環境そのものに限界が来ています。
個人の努力だけで会社の古い体質や仕組みを変えることは極めて困難なため、理不尽な環境に耐え続ける必要はありません。
転職も視野に入れるなら、ぜひ挑戦したいのがdodaの「転職タイプ診断」。
60問の質問に答えることで、職場環境・仕事内容・給与・労働条件の4つの視点から満足度をチャート化。どこに不満があり、何を改善したいのかが一目でわかります。
「職場が合わない」という漠然とした気持ちも、データとして整理されることで次のアクションへつなげることが可能に。
所要時間は約7分。今の仕事に対する満足度や、転職先に求める条件を明確にしたい人におすすめです。
他人に振り回されず、心地よくはたらける環境を選ぼう
定時退社する同僚に苛立ちを覚えたとき、大切なのはただ相手を責めるのではなく、組織の仕組みそのものに歪みがないかを冷静に見極めること。
残業を美徳とする古い風潮が放置されているなら、それは会社側のマネジメント不足。他人の行動に心を乱されるのはやめ、自分のタスクの効率化を突き詰めるか、能率を正当に評価してくれる企業へ新天地を求めるのが正解です。
不条理な環境で心身をすり減らす必要はありません。ほかでもないあなた自身が心身ともに健やかにはたらける場所を選びましょう。









