2026.05.25
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部下育成の進め方ガイド。効果的な手法や調査から見るNG行動も
「部下にどう接すればいいかわからない」「良かれと思った指導がハラスメントと言われないか不安」このように部下の育成に頭を悩ませている管理職は少なくないのでは?本記事では、Job総研が実施した最新の意識調査データを交えながら、効果的な部下の育成方法を解説します。
部下育成の重要性と現代における課題
なぜ今、部下育成がこれまで以上に難しくなっているのでしょうか。その背景には、働くことへの価値観の劇的な変化があります。
「出世」がモチベーションにならない時代

Job総研による「2024年 社内政治の実態調査」では、社会人446人中、「出世意欲がある」と回答した人の割合は57.8%、「出世意欲がない」と回答した人は42.2%でした。半数近くが出世を望んでいないのが現状です。
特に若手層ではワークライフバランスを重視する傾向が強く、従来の「昇進をモチベーションにした育成」は効果を失いつつあります。
育成責任の所在に関するギャップ

またJob総研の実施した「人材育成の意識調査」によると、40代の62.6%が「人材は自分で育っていくもの」と回答する一方で、20代は「企業が育てるもの」と考える割合が57.2%と最多になっています。
この「自立を待つ上司」と「教育を求める部下」の認識のズレが、部下育成の難しさにつながっています。
部下育成の5つの基本ステップ
部下育成を効果的に進めるには、以下の5つのステップを踏んでいくと効率的です。
| 1 | 信頼関係の構築 | 業務外を含めてコミュニケーションを取り心理的安全性を高める |
| 2 | 目標設定と共有 | 仕事の目的や達成すべき目標を明確にして共有する |
| 3 | 義務の割り振りと権限委譲 | 万が一失敗しても許容できる範囲で裁量を与える |
| 4 | フィードバックの実施 | 仕事の結果に対して良いところ、改善すべきところを伝える |
| 5 | 評価と振り返り | プロセスも含めて評価し、次にすべきことを定める |
部下の育成でまず必要なのは信頼関係です。関係性が何もないままでは、フィードバックや評価をしても受け入れられない恐れがあります。
Job総研の調査によると、部下を持っている上司の約60%は、最小限の会話のみか、個人的な会話が少ない状態です。このような関係性では、部下の育成はスムーズには進まないでしょう。
関係性を構築した上で、目標設定を行い、実際に仕事を任せていく必要があります。
効果的な部下育成の手法
部下の育成を効果的に進めていくには、ティーチングとコーチングの使い分けが欠かせません。部下の習熟度に合わせてこの2つを使い分けることで、成長スピードが加速します。ここでは、ティーチングとコーチングそれぞれの特徴と活用シーンを見ていきましょう。
知識やノウハウを教えるティーチング
ティーチングとは、上司が持つ知識、スキル、経験などの「答え」を直接部下に伝える手法です。上司が部下に正解を教えるため、短期間で業務を進められるようになります。
新入社員や未経験の部下に業務を任せるとき、素早く仕上げることが求められるとき、コンプライアンスや安全管理など厳格にルールの決まっている仕事を教えるとき、などに向いている手法です。
ただしティーチングのみを多用していると、部下が「指示待ち」の状態になりやすく、自走する力が育ちにくいというデメリットもあります。
部下が自ら答えを導き出すのをサポートするコーチング
コーチングとは、上司が答えを教えるのではなく、問いかけや対話を通じて部下の中にある「答え」や「気づき」を引き出す手法です。
自ら考えて答えを出すため、当事者意識が芽生えますし、思考することが鍛えられるためこれまでにない課題へも対応可能な力が身につきます。
既にティーチングを通して一定の知識やスキルを身につけている部下の育成に取り組むときに、効果的な手法です。
部下育成でやってはいけないNG行動
部下育成を目的とした指導の一環と考えていた行動が、離職につながるNG行動であることも…。例えば以下のような行動は、部下のモチベーションや自主性の低下につながりかねません。
- マイクロマネジメント: 細かいチェックにより自主性を奪う過干渉
- 感情的な叱責: ハラスメントとなり心理的安全性を損なう
- 放任: 何も教えず放置すると仕事を身につけるまでに時間がかかりモチベーションの低下につながる
Job総研の「2025年 ハラスメント実態調査 〜被害・職場対策編〜」を見ると、ハラスメントを受けた人のうち半数前後が「個人を否定するような言動」「能力を否定するような言動」「精神的な攻撃や嫌がらせ」を受けたと回答しています。

上司が育成のつもりでかけた言葉が、ハラスメントになる可能性はゼロではないことは、調査結果からも明らかです。
このようなハラスメントの結果、休職したという体験談もありました。
- 同僚からパワハラを受け上司や産業医に相談したが対策を取ってくれず休職をした。苦しかった
- 我慢している同僚がいれば一緒に上司に相談し、はたらきやすくなるよう自分なりに行動している
- 上に気に入られていれば許される風潮があった。本社や人事が気付かない事も問題だったと思う
タイプ別・状況別の育成Tips
適切な育成方法は、部下のタイプや状況によって異なります。ここでは部下のタイプや状況に合わせた部下育成のポイントを見ていきましょう。
主体性がない部下へのアプローチは成功体験の積み重ねが重要
「言われたことしかやらない」「自分で考えようとしない」といった主体性に欠ける部下に対しては、いきなり自立を求めるのではなく、「自分にもできる」という自己効力感を育むことから始めましょう。
まずは確実に達成可能な小さな目標を提示し、クリアするたびに肯定的なフィードバックを伝えます。これを繰り返す中で、指示を出すときに「あなたならどう進める?」と一言添えて、自分の意見が尊重される経験を積ませます。
間違えることに恐怖を感じている可能性もあるため、「失敗してもカバーするから大丈夫」ということを言葉や行動で示すと、主体性を発揮しやすい環境の構築が可能です。
年上の部下への接し方は敬意と役割の明確化がカギ
年上の部下への感情的な遠慮は、かえってスムーズな業務の進行を妨げる可能性があります。ポイントは、人間としての敬意を払いつつ、役割の違いを明確にすることです。
例えば、「⚪︎⚪︎さんの知見をお借りしたい」と年上だからこその豊富な経験を頼ると、心理的な距離を縮めるきっかけになります。このとき、上司と部下という上下関係ではなく、マネジメント担当と実務エキスパートという役割分担であることを確認し合いましょう。
またフィードバックに関しては、年齢に関係なく平等に行うことも信頼につながるポイントです。
リモート環境下での育成はテキストコミュニケーションの工夫が必要
リモート環境では、対面のように「背中を見て学ぶ」ことができません。物理的な距離を埋めるには、意図的な言語化が重要です。特にテキストコミュニケーションでは、細かなニュアンスが伝わりにくいことがあります。
その業務がなぜ必要なのか、どの程度のレベルで仕上げる必要があるのかなど、対面で説明するよりも詳しい記載が必要です。
あわせて、働く場所が違っても孤独を感じずに勤務できるよう、雑談チャットなどでフォローすると良いでしょう。
ポイントを押さえて効果的な部下育成を
部下の育成に取り組むときには、世代間の意識差やハラスメントへの注意が必要です。部下との信頼関係を築いた上で、段階的に仕事を任せていきましょう。
部下のタイプや状況によっても、適切な育成方法は変わります。ポイントを押さえつつ、置かれている状況に合わせた方法で部下育成に取り組みましょう。








