2026.05.1
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新卒の初任給が高すぎる?「給与逆転」にモヤる先輩社員のホンネ
「最近の新卒、初任給が30万円って本当?」そんな驚きとモヤモヤを抱く先輩世代が増えています。初任給の急上昇は事実ですが、その背景に潜むのは深刻な社会構造の変化。本記事ではデータから給与逆転の実態を紐解き、既存社員が取るべきキャリア戦略を解説します。
新卒の初任給はいくらが相場?最新の平均額と手取り事情
新卒の初任給が上がっていることが広く話題になっています。では実際のところ、その相場はどの程度なのでしょうか。まずは、厚生労働省とJob総研の調査結果をもとに解説します。
初任給の平均額はどれくらい?
厚生労働省の『令和7年賃金構造基本統計調査』によると、2025年の新規学卒者平均給与は、大卒が26万2,300円、院卒は29万9,000円でした。
これは4月の日割り給与ではなく、通常の状態に落ち着いた6月分の所定内給与。残業代を一切含まない純粋なベースの金額を指します。
Job総研がおこなった『2025年 初任給実態調査』でも、新社会人の初任給平均額は26.6万円、中央値と最頻値が25.0万円という結果に。
大卒の初任給は「26万円台」に到達しているのが実情です。
額面と手取りの違い!実際に口座に振り込まれる金額は?
求人票などに記載された初任給はあくまで「額面」の金額。そのまま全額を受け取れるわけではありません。
ここから健康保険料や厚生年金、雇用保険といった各種社会保険料に加え、所得税が毎月天引きされます。
一般的な目安として、手取り額は額面の約7〜8割。大卒平均の26万2,300円を例に計算すると、実際に口座へ振り込まれる金額は20万〜21万円前後となる計算です。
新入社員が手取りで最低限の20万円を確保するためには、初任給26万円がひとつの目安。それが現代のリアルな事情といえます。
新卒の初任給、自分より高くない?「給与逆転」にモヤる先輩たちのホンネ
既存社員と新入社員の間で生じている「初任給のギャップ」は、現場に複雑な感情をもたらしています。「新入社員のほうが給与が高い」という給与の逆転現象に直面し、納得できない思いを抱える先輩社員は少なくありません。ここでは、調査データをもとに現場で渦巻くリアルな本音を整理します。
昔の初任給と比較!先輩世代との差はなんと約6万円

現在の初任給と、先輩世代が受け取った当時の額面を比較すると、明確な格差が存在します。
Job総研の調査によると、2025年卒の新社会人が受け取った初任給の平均額は26.6万円でした。
対して、社会人2年目以上の既存社員に当時の初任給額を尋ねたところ、平均額は20.8万円にとどまる結果に。その差は実に5.8万円。中央値で比較しても4万円の開きが確認できます。
約6万円もの差が開いた事実を前にして、先輩社員が複雑な思いを抱えるのも無理はないといえそうです。
9割が不満!「新卒の方が高給」に対するリアルな声

新卒初任給の急激な引き上げは、既存社員のモチベーション低下を招く原因となっています。
Job総研による「2026年 新卒の給与に関する意識調査」で「新卒の方が自分より高給の場合の印象」を尋ねたところ、「不公平を感じる派」が87.5%と大多数を占めました。
不公平を感じる理由は「経験年数が違う(63.3%)」「自分達の給与が上がらない(49.2%)」が上位に並びます。
自由記述でも「人材確保として必要だが給与逆転は既存社員の士気が下がる。既存社員のことも大事にしてほしい」「物価高や若い人の確保で新卒の給与を上げるのはいいが、物価高で困っているのは私たちも皆同じ」といった切実な声が多数集まる結果に。
ここには理不尽な状況への不満が明確に表れています。
実は新卒側も戸惑っている?「予想より高い」「研修だけなのに申し訳ない」という本音

給与の逆転現象に対して、新入社員自身も複雑な感情を抱えるケースが少なくありません。
2025年のJob総研の調査によると、新社会人の86.2%が初任給に対して「高い印象を持った派」に該当しました。
自由記述には、「4月は研修しかしていないのに給料をいただいて申し訳ない気持ちが強かった」という率直な声も見受けられます。
先輩社員が不満を抱く一方で、当の若手も予想以上の高待遇に困惑を隠せません。現場の人間関係やプレッシャーに悩み、肩身の狭い思いをしながら社会人生活をスタートさせる実態が浮かび上がります。
なぜいま新卒の初任給がどんどん高騰しているのか?
現場の不満を招いてまで、企業が初任給を上げ続けるのには明確な理由が存在します。ここで「人手不足」と「物価高」という社会的背景について解説します。
優秀な人材の獲得競争と深刻な人手不足
初任給引き上げが進む原因として、まず挙げられるのが「深刻化する人手不足」です。
厚生労働省の発表によると、令和8年2月分の有効求人倍率は「1.19倍」でした。これは仕事を探す人1人に対し、約1.2件の求人が存在することを意味します。
過去数年の推移を見ても常に1倍を超え、求職者より求人数が多い「超・売り手市場」が常態化しているのが現状です。
とくに少子高齢化の影響を直接受ける新卒市場では、優秀な人材の確保が極めて困難な状況に。他社に負けない初任給を提示することは、企業にとって採用競争で生き残るための切実な施策となっているのです。
インフレ・物価高への対応と生活水準の維持
日本全体を直撃する物価の高騰も、新卒の初任給高騰が進む原因のひとつ。
総務省によると、2026年3月のモノの値段の動きを示す消費者物価指数は前年同月比で1.5%上昇しました。2026年に入ってからは1%台で推移し、やや落ち着きつつあるものの、2025年は年間を通じて2〜3%台の上昇が続いていたことが明らかになっています 。
食料品や光熱費などの生活必需品が毎年のように値上がりするなか、賃金水準を維持することは実質的な賃下げを意味します。
初任給の引き上げは、新入社員の生活水準を維持するための施策でもあるのです。
参照:2020年基準 消費者物価指数|全 国 2026年(令和8年)3月分及び2025年度(令和7年度)平均
初任給を引き上げる企業は今後も増えていく?

この初任給の急上昇トレンドは、いつまで続いていくのでしょうか。
Job総研が『2026年 新卒の給与に関する意識調査』のなかで「勤務先における新卒給与の引き上げの有無」を尋ねたところ、全体の50.0%が「引き上がる」と回答しました。
すでに多くの企業が高い初任給を提示している状況下でも、さらに半数の企業が引き上げを予定していることがわかります。
この調査結果からは、現在の初任給高騰が一時的なブームで終わる話ではないことがうかがえます。今後の日本において、雇用市場の新たなスタンダードとして定着していくと考えたほうが賢明です。
「給与の逆転現象」に対して企業はどう対応するべきか
新卒だけが高待遇となるいびつな状況は、組織の士気を下げる大きなリスク。この「給与の逆転現象」に対し、企業側も具体的な対策が求められています。ここでは、企業が取るべき現実的な対応策を解説します。
先輩社員が納得する条件1位は「既存社員の賃上げ」

給与逆転という理不尽な状況に対し、どのような条件があれば既存社員は納得できるのでしょうか。
Job総研の調査によると、納得できる条件の第1位は「自分達の給与も上がる(63.9%)」でした。
以下「給与が新卒以上に上がる(45.7%)」「新卒が高度スキル職(30.8%)」と続きます。
「新卒の給料を上げるなら自分たちも上げてほしい」と望むのは当然の心理。経験の差に見合った正当な評価と還元こそが、不公平感を払拭する最大のカギと言えます。
初任給引き上げと同時に「ベースアップ」を行う動きも
現場の声を受け、一部の優良企業や大手企業を中心に、新卒の初任給アップとセットで既存社員の給与を一律に底上げする「ベースアップ」へ踏み切る企業も出てきました。
給与の逆転現象を放置すれば、会社を支える中堅社員の離職という深刻な経営リスクを招きかねません。これは、企業にとって新たな人材を獲得できないのと同等、もしくはそれ以上の深刻なリスクです。
そんな事態を防ぐために欠かせないのが、組織内の不公平感を解消し、離職を防ぐための待遇改善。
「優秀な新卒人材の獲得」と「既存社員の離職防止」。両者をかなえる施策として選ばれているのがベースアップなのです。
給与逆転に直面した先輩・中堅世代が取るべきアクション
初任給の高騰や給与の逆転現象は、社会全体の構造的な変化の表れです。ここでは、給与の逆転に直面した先輩・中堅世代が取るべき具体的な行動を解説します。
ただ不満をこぼすのはNG!自社の給与制度を見直そう
「経験を積んだ自分と新卒の給与がほとんど変わらない」「新卒のほうが高い」そんなとき、不満や怒りを感じるのは自然なこと。
とはいえ、ただ感情的になっても問題は解決しません。
まずは、自社の給与制度や人事評価の仕組みを冷静に確認することから始めてみましょう。
自身の現在の等級と給与のバランスが適正に保たれているか、就業規則も含めて見直してみてください。このとき、今後自分がどのように昇給していくのか、明確なルートや基準が存在するかを確認することも忘れずに。
会社には既存社員の貢献を正当に評価する仕組みが存在しているか、また、給与逆転の現状は全体的な給与水準引き上げの過渡期に過ぎないのか、恒久的なものなのか。
現状を客観的に見極めるプロセスが、次のステップへ進むための重要なカギとなります。
損してない?あなたの「市場価値」と「今の年収」をズバリ診断
新入社員との給与額にほとんど差がなく、会社からも改善の兆しが見えない場合、今の会社があなたの経験やスキルを過小評価している可能性についても考える必要があります。
不満を抱えたままはたらき続ける前に、一度客観的なデータを用いて自身の市場価値を数値化してみるのがおすすめ。
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・あなたの適正年収
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・年収アップを叶えた方の転職事例
・適正年収から探せる、今の自分に合った求人情報
現在の年収が市場相場より低いと判明した場合、それは会社との待遇交渉に向けた明確な材料に。あるいは、新しい環境へ踏み出すための強力な根拠へと変わるはずです。
会社の方針に納得できなければ「転職」も一つの選択肢
新卒ばかりが優遇され、既存社員の賃上げが全く見込めない会社であれば、はたらく環境を変えるのも有効な選択肢。
長くはたらき続けても報われない構造的な問題が明らかならば、早い段階で見切りをつける決断も必要です。
深刻な人手不足が続く雇用市場では、即戦力となる経験者のスキルを渇望する企業が数多く存在しています。これは、自分の強みが活かせる環境や、理想のはたらき方を追求する絶好の機会。
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所要時間は約7分。自分のはたらき方を客観的に見つめ直すきっかけとして気軽に試してみてください。
新卒の初任給高騰は、自身のキャリアを見直すチャンス
「新卒の給料が自分より高いかもしれない」と感じたときのモヤモヤは、これまで真剣に仕事へ向き合い、成果を出してきたからこそ感じるもの。
だからこそ、そのモヤモヤを単なる不満で終わらせるのはあまりにももったいないことです。
初任給の急上昇は、日本全体の賃金が底上げされるための大きなうねり。この変化を絶好のチャンスと捉え、前向きな一歩を踏み出すことで、あなたのキャリアは大きく変わっていくことになるはずです。
参照:Job総研『2025年 初任給実態調査』を実施 – Job総研プラス
参照:Job総研『2026年 新卒の給与に関する意識調査』を実施しました – Job総研プラス








